運び屋

ステージに立った彼とアキラは、視線の先にある観客席とカメラを見つめた。ライトがまばゆく照らし、ステージの上は熱気に包まれている。彼らの心臓はドキドキと鼓動を打ち、緊張感が肌に感じられた。

音楽が鳴り響き、二人のパフォーマンスが始まった。リズムに乗って縄跳びを手に取り、彼とアキラは軽快にジャンプを繰り返した。ジャンプするたびに、メイド服のフリルがひらひらと舞い、二人の大きな胸が上下に揺れる。彼らはときおりカメラに向かって笑顔を見せ、視聴者にアピールしながらパフォーマンスを続けた。

「よし、このまま続けよう！」

彼は心の中でそう思い、リズムに乗りながらアキラと息を合わせて跳び続けた。視聴者の視線が自分たちに集中しているのが感じられ、彼の胸の鼓動はますます高まっていく。

しかし、突然のアクシデントが発生した。アキラが大きくジャンプした瞬間、メイド服の胸部分がずり落ち、彼女の胸が露出してしまった。視聴者から一斉にどよめきが起こり、カメラのフラッシュが一斉に光る。

「えっ…！？」

アキラは驚きの声を上げ、慌てて胸を両手で隠した。縄跳びがそのまま床に落ち、音楽に合わせていたリズムが崩れてしまう。彼はすぐにアキラの方を見て、その異変に気づいた。彼女の顔は真っ赤になり、目には涙が浮かんでいた。

「アキラ、大丈夫か？」

彼が心配そうに声をかけると、アキラは小さく頷いたが、そのまま立ち上がることができないでいた。羞恥心と動揺が彼女を縛りつけ、ステージの上で呆然と座り込んでしまった。

「ごめん…ごめん、こんなことになるなんて…」

アキラの声は震えていた。彼はアキラの肩に手を置き、視線を観客席に向けた。視聴者たちは驚きと興奮の表情を浮かべている。彼の胸に、怒りと恥ずかしさが込み上げてきた。

「もういい、無理しなくていいよ。」

彼は優しく言い、アキラの肩を支えた。彼もまた、予想外の事態にどう対処すればいいか分からず、ただアキラの気持ちを優先させるしかなかった。

「もう無理だ…続けられない…」

アキラは震える声で言った。彼はそれを聞いて深呼吸をし、自分たちのパフォーマンスが中断されてしまったことに失望しつつも、今はアキラの気持ちを尊重するべきだと感じた。

「わかった、アキラ。無理しないで。俺たち、ここまで頑張ったんだから…」

彼はアキラの手を握り、優しく引き寄せた。アキラは涙をこぼしながらも、彼の手に力を込めて頷いた。彼らはステージの端に移動し、視聴者の視線から逃れるようにして舞台裏へと消えた。