次の収録日に捕まえる。
阿部とマネージャーはそう話している。
テレビ局側も協力すると言ってくれた。
同じ楽屋。
同じくらいの時間。
同じ格好の人物。
前回と一緒だった。
今回は楽屋の中にマネージャーがいる。
1番近い角の陰にはテレビ局側の人間。
阿部は防犯センターでカメラを見ている。
阿部ーマネさん、行ったよ。
女の人が飛び出してきた。
角を曲がろうとして、テレビ局側の人間に止められる。
マネージャーも追って出て来る。
阿部も防犯センターから楽屋に向かった。
女の人はやはり蜂萱さんだった。
マネージャーは虫取り網でスズメバチを捕まえていた。
阿部ー目的は?
蜂萱ー私を忘れているでしょう?
阿部ー話したことありますか?
蜂萱ー阿部さんがあの番組に初めて参加した時。
阿部ー僕、何を言いましたか?
蜂萱ー私も初めての仕事だったんです。お互い頑張りましょうねって言ってくださって。そのうち、挨拶だけになって、会釈だけになって。「頑張ってください」って言ったら、「初めまして」って言ったんです。私は忘れられてました。
阿部ー・・すみません。
蜂萱ー初めて挨拶してから、毎回あのスタジオにはいたのに!
阿部ーごめんなさい。
蜂萱ーたかがADなんて忘れても平気なんですね?
阿部ー返す言葉がありません、すみません。
忘れられてしまった寂しさから、嫌がらせ行為をするようになってしまった。
阿部は、反省した。
裏方あっての番組だから、気をつけようと決めた。
阿部ー彼女の涙が痛かった。
目黒ー忘れちゃいけないことだったね。
阿部ー反省してます。
目黒ー同じことしなければいいじゃない。
阿部ー頑張る。
目黒ーさ、暗い話は終わりにして、ご飯食べよう?
阿部ーん〜。
目黒ー引きずっちゃダメ、次からは気をつければいいんだから。
阿部ーん。
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