コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
【 僕の自殺日記 】
⚠️グロい描写有ります
⚠️辛い、萎える方いるかも
⚠️学パロ
⚠️実はこれ少し__
『っ、ごめんね、ごめんね、』
母が自殺未遂をした。
止めたのは僕だ。なんとなく、いつもと様子のおかしい母に気を配っていたら
庭で首を吊ろうとしていた。夢だと思っていた、なんてこと呟きながら、泣いて詫びてきた。
正直、足に擦り傷が沢山できて痛かったから、早く手当てをしたかった。
でも怪我しているとバレると、また気持ちが昂るかもしれない。
そう危惧して、ズボンで そっと隠した。
いつもは心無い言葉を言う父も、申し訳なさそうに、必死に母を励ましていて、
いつもこうであればいいのに、だなんて、使われかけていた包丁を戻しながら思った。
この日を堺に、僕の頭の隅には、死が居座るようになった。
▪️
▪️
▪️
『おい太宰、早く帰ろ~ぜ』
「…中也、」
出会った頃は「うわ、」と思った彼とは、なんだかんだ腐れ縁で関係が続いている。
冬休みの1月。あの日のことが忘れられない。
冬休みが明けた今日も、ぼうっとその日のことを考えていた。
『今日はやけに阿保面が目立つなァ?』
そう言って顔を覗いてきた中也。妙に勘が鋭い。いつもは、僕の顔色なんて窺わないくせに。
「関係ないでしょ」
『否定はしねェんだな』
「…うん、」
否定は、しない。
だって聞いて欲しかったから。
彼はそんな僕の心を読み取ったのか否か、海へ行こうと提案した。
まだ陸は寒いし、海なら尚更だ。莫迦だと思ったが、家に行くと漠然とした気持ちになるので
了承した。
▪️
▪️
▪️
『海って良いよなァ、落ち着くし、いつでも寒い』
「…ホントばか。」
そんな莫迦けた事を言いながら、中也は靴を脱いで砂浜に並べ、ズボンの裾を捲っていた。
「まさか、入るの?」
『おう、そのまさかだ。』
砂浜に腰を下ろしただけでも冷たいのに、あとで風邪を引くだろうと嘲笑した。
そして、冷てぇ、とはしゃぎながら足を濡らしていく彼を見つめながら、本当に莫迦だと思った。
上がった時に使うタオルを持っているか、とか、この海には危険な生き物はいないのか、とか。
この前来た時には海蛇がいたし、入り口に海月注意の看板だってあった。
なんでそんな簡単なことも考えてはみないのだろうか、そうため息をこぼしても、ふくらはぎまで
浸かって しまっている彼には届かない。
「ねぇ中也、風邪を引いてしまうよ、」
冷たい風が喉へひゅるりと入ってきて、口の中が乾燥していく感触がした。
僕の声に反応して、中也は振り返った。
同時に、強い風が彼を襲って、バランスを上手く取れなかった中也は、見事海の中へと腰を下ろし
てしまった。 ぱしゃりと音が鳴るほどに水飛沫が舞って、思わず立ち上がった。
「中也‼︎」
息を荒げながら、少し咽せながらぎりぎり自分の濡れないところまで駆け寄ると
中也は無邪気に笑っていた。
『ははっ、見たかよ?すげェ風だったぜ? 』
全身びっしょりで、見ているだけでも寒かった。いつも大嫌いと言っている僕の前で
そんな失敗をしたのに笑える彼が、理解できなかった。けれど釣られて、僕も笑みを溢して
しまった。
「あははっ!莫迦じゃないの?」
『るせェ、笑 太宰、手ェ貸せよ』
「はぁ?ヤだよ、僕濡れちゃうじゃん」
なんだと、と顔を顰めながら、水をかけようと手の器に溜め込む中也から逃げる僕。
少し濡れてしまっても、笑うしかできなかった。楽しかった。
『んじゃ、また明日。』
「ん、…また」
でも、一度吹き飛んだなんとも言えない不安は、ふっと思い出したように戻ってくる。
「……、」
帰り道が怖くなるほどに、家への残りの距離が、遠くなって欲しいと願うほどに。
鞄の紐をぎゅうっと、爪が痛くなるくらい握りしめながら、玄関を開けた。
「…ただいまぁ」
居間が暗くて、少し不安になった。
しかしリビングからテレビの音が聞こえてきたから、少しだけ安堵して、靴を脱いだ。
『おかえり』
洗濯物を畳んでそう微笑みを返してきた母は、矢張りまだ弱々しい。
シンクに溜まっている食器を見て、少しだけ胸が締まる。
「ただいま、」
『学校、どうだった?』
「まぁまぁだよ 」
『…雨、降ってたの?濡れてる。』
母が肩を指さしてきた。目を自身の肩に落として、嗚呼、と呟いた。
「中也にかけられた。本当最悪だよね、あのチビ」
『そう言って、なんだかんだ一緒にいるじゃない』
母が笑ったので、すっかり安心しきってテレビへと視界を移す。
母は最近、海外ドラマを見るようになった。
僕も一緒に見たことがあったが、中々面白かった。
「また新しいの見てるの?」
『うん、面白いよ』
そっか、とだけ告げて、鞄を自室へと置きにいった。
そのあとは一時間だけ寝る。寝ている時が一番幸せなんだって、最近気づいてしまった。
本当なら、一緒目を閉じていたい。スマホでアラームをセットして、ソファに寝転んだ。
寝るのに多少時間がかかってしまう僕は、リビングへと耳を澄ませながら、目を瞑った。
取り敢えず一話。これ書いてると心苦しいんだよなぁ…。