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1 . オトギリ ソウ
目覚めた時、僕は真っ白な部屋の中にいた
辺りは誰も居らず、
物すら置かれていない
とても静かで、不気味だった …
僕が目覚める前の記憶は残っていない
残っているのは、 自分の名前だけだった
僕の名前は
『 オトギリソウ 』
何故此名前かと云うと、
僕の体がそう成っているからだったと思う
どういう事なのかと云うと
僕の首から下は花になっているからだ
枯れる事等無い
花弁は〝不気味〟と口から出そうな程
暗く、じっと見つめているだけで
多くの人々が嘔吐をしてしまうだろう
名付け親なんて知らない、覚えていない
こんな体で生まれたからと云って
産み親を恨んだりはしない
其れよりも、
僕は今日を生きている事に
嫌悪感が差している
勉強や運動、趣味特技が無いから
より死にたくなる物だ
一日中真っ白な部屋の中に
篭っているだけで
特に何かする訳でも無く、
虚無を見つめた儘一日が過ぎていく
其れを毎日繰り返している
僕は気が弱く、明日が来る度に
何かに怯えている
理由等無い、 何故か怖くなるんだ
もう考えたくない
〝 ヂリリ… ヂリリ… 〟
真っ白な空間でアラームが鳴り響く
「………、朝か」
重たい体をゆっくり起こし、
其の体勢の儘、動かなくなる
周りから見たら、
魂の無い、抜け殻の様な状態だろう
する事も無い為、
目を瞑り深淵を見つめているだけだった
……何でもいい、1つや2つ
変わった事は起きないだろうか
2 . 殺人事件の真相
〝 ピンポーン 〟
『すみませーん 、何方かいらっしゃいませんかー ?』声を聞いた限り10代の男性といった所だろう
インターホンが鳴るなんて珍しい
「はーい」取り敢えず返事をしておいて
ドアを開ける
開けた先に現れたのは
165cm前後の男性で、 顔が整っているが
顔は 未だ幼さを残している。
『ドアを開けて下さり有難う御座います』
爽やかな声が響く
その瞬間、
男性の後ろの景色が 揺らいで見えた
空は清々しい晴れ模様で、気分が晴れる様に感じられた。
取り敢えず 「要件はなんでしょう」と男性に問い掛けた
すると男性は僕の耳元でこう云った
『ええ 、 実はですね…
貴方の丁度上の階で殺人事件が合った様なのです』
「殺人事件 ですか」
『ええ 、 事件について御存知でしたか』
「いえ 、 私は何も」
『そうですか 、 有難う御座います』男性の口角が上がる
「はい」男性は会釈し乍此の場を去った
其して聞いた内容と容姿で違和感を感じた
そもそも上の階があったのか
彼は警官だったのだろうか …
其してもう一つ
あの生臭い匂いは何だったのだろうかと
多分彼は又此処を尋ねて来る
だが 、 〝今後は会わないだろう〟
僕はそう言い切れる
何故かは言わないが …
3 .喫茶所の若い青年と乙女達
其れから数時間後外に出たいと思った為
其の儘自宅を出た。
唯の散歩、そう思っていたのに
随分と満喫してしまった様だ。
※喫茶店
喫茶店の中は随分とガヤガヤしており 、
辺りは女学生や老人、 幼児と其の親があった。 皆が楽しそうに珈琲を呑んではスイーツを 美味しそうに口に運んでいる。
此処の喫茶店の女給や店長は 人当たりも良く、こんな僕でも心地良いと思えた。
だからこんなにも沢山の人がいるのだろう。
……だが、先程殻馬鹿デカイ声量の奴がいるせいで喫茶店を満喫出来ていない
彼の発している内容も聞き取れる。
『私は貴方と心中する為に今日を生きてきたきっとそうだ Ah♡』と、青年の声が響く
……… 、 何を云っているんだ …?
失礼乍そう思ってしまった
だが周りは聞き慣れているのか、微笑ましく見ていた。
異常者しか居ないのか 、 …
『おい太宰ッ!云ったそばから社の看板を汚す様な真似はするなッ!』
嗚呼 、 又五月蝿いのが増えた…
どうやら先程の声が〝太宰〟なのだろう
『えぇん…、別に良いじゃない
そんなに怒ってると皺が増えるぞ~』
火に油を注ぐ様な事をして…
其んな事をしてしまえば更に悪化してしまうだろう…。
『太宰ィッ!!!!?』男性の声と同時に机が叩かれる
『わぁぁあッ…落ち着いて下さいッ!』 『太宰さんに国木田さん…店内で其の様な真似をしてしまうと追い出されちゃいますよ…』『ほっとけば良いだろう?,妾には関係ないけどね』と色々な声が出て来る
4 .キミの優しさ
これ以上出て来たら頭が痛くなりそうだ…
少しずつ店内も混み始めて来たな…そろそろ帰るとしようかな…
すると店の入口殻
『えッ!今満席なんですかッ! 』『えぇ~…ホンマかぁ……でもしゃーない……』『なら、相席させてもらうのはどうかな?わははッ!』『俺は別にどうでも良い…』『皆が行きたい所でいーよ!』『ぼ、僕……も…』と云う声が聞こえた
困っている様だ
「あの、僕もう帰るので此処の席どうぞ」
『わッ!?ホンマに~ッ!!!?有難うな~ッ!』『わははッ、有難う~ッ!』『わぁいッ!ご飯ご飯~ッ!』3人が笑顔で感謝して来た
『良ければ俺達と話さん?』と言われて、「へ?」とトンチンカンな声を発してしまった
『あッ、予定が有るならええねんッ!』と関西弁の彼が焦った様子を見せた為、優しく 「いや、予定は空いていますので大丈夫ですよ」と応えた
『わぁッ!!!有難うな~ッ!!!!』
こ、声が大きい ……
でも……喜んで貰えているなら良いか…。
『見た感じ、同い歳に見えたんよな~!
だから話してみたいと思ったんよ!』
「?、そうなんですか」僕は首を傾げて6人を見回す
『嗚呼、俺らは16歳なんだ~!』猫耳を生やした彼がふふんと自慢げに話す
「へぇ… 、皆さんの御名前を伺っても?」
鈴『ん?嗚呼…俺は楠瀬鈴や!』
蒼『楠瀬蒼ですッ!血は繋がって居ませんけどね…』
螢『神崎螢 、馴れ馴れしく話し掛けんなよ』
美怜『荒波美怜だよ~ 、愛知出身~』
天音『星原天音ですッ!』
奏生『ぼ、僕……は……月影奏生、です』
「宜しく御願いします」皆個性的だなと思いつつ微笑んで小さくお辞儀する。
「僕はオトギリソウ、下の名前は月影さんと同じですね」僕が月影さんを見ると、彼は目を逸らした。
『そ、そうですね……嬉しい、です…』彼は少し微笑んだ様に見えた。
螢『ンな奴の話は良いから、飯頼もうぜ~』
鈴『せやな、何食うか』先程とはまるで違う態度になる。
蒼『俺は咖喱が良い!』
鈴『はいはい』と、ほんわかする会話が有るが、突然月影さんに対する接し方が冷め始めているのに気付いた。
コレに関しては余り触れない方が良いのだろうか?
螢『オトギリって何処住み~?』
「え……ぼ、僕は…… 」ハッキリと出て来なかった。だって、初めて外に出たのだから。
螢『……、』神崎さんと僕の間に沈黙が暫し流れる
「す、すみませ……」謝ろうとした瞬間、神崎さんの声が被さる
螢『確かめただけだ、謝らなくて良い』そう言って何事も無かったかの様にスマホを弄り始める
「た、確かめただけ…?」僕は訳も分からずキョトンとした
螢『*…*一応聞くが…オトギリは此処の街が何県何市に有るのか分かるか?』
……、分からない…
螢『やっぱりな』神崎さんは最初殻分かっていたかの様に僕を見て笑う。
「で、……でもなんで…?」一目見ただけで分かるはずがないと思い質問をしてみるが…
『………さぁな』と一言で返されてしまい、分からない儘だ。
螢『……ぶっちゃけさ、退屈だろ? 』
「え?」周りはガヤガヤしている筈なのに、僕と神崎さんが話してる間だけは静かに感じる。
螢『俺らと一緒に行こうぜ。歓迎してやっからさ。』神崎さんはそう云って笑う
………って事は、僕は又彼の真っ白い部屋に戻らなくて良いって事…なんだよね……?
螢『………オトギリ、俺を除いて彼奴らは手前ェを見てくれる。悩みがあンなら彼奴らに相談しろ。云いたくねぇ事は無理に聞こうとはしねぇ殻な。 』
先程の態度とは少し違って、
表情は冷たい儘だが……何処か温かい様に感じる。
もう一人じゃ無いんですね 、 !
「……一緒に行きたい、……です…!」
螢『おう。だとしたら敬語を外して下の名前で呼べよ。』神z…螢さんはニッと笑って届いたパフェを受け取る
「はいッ 、 !」
鈴『オトギリ!宜しゅうな~ッ!』
蒼『オトギリ宜しくなッ!、よしッ!又友達が増えた!』
鈴『せやな、蒼』鈴君は蒼君の頭を撫でてお兄さんの様な対応をしている。
正直羨ましい…、
美怜『ふふ、……螢君は素直じゃないなぁ。そう思わない?オトギリ君』
「え、……そ…そうかな……」〝うん〟って言ったら螢君に何されるか分からない……
奏生『よ、宜しく……ね』……気が弱いのかな?……いや、失礼だな…。僕も人の事云えないし…。
天音『宜しく~ッ!宇宙の事とか何でも教えてあげる!』宇宙か………語呂合わせしか憶えてないな………水金地火木土天海……だっけ…
螢『改めて宜しくな。ンで、今日殻手前もマフィアだ。』
……は?ま……マフィア?
「……ぇ…」
螢『ふはッ……冗談だよ。今此処で此の話は控えておくか。彼の人にバレちまう。』
彼の人…?
『誰にバレちゃうのかな?』と、聞き覚えのある声が後ろから聞こえた
螢『あ~あ……バレちゃいましたか。 』
!?、此の人さっき変な事云ってた人じゃんッ!
知り合いだったのッ!!?
螢『元ポートマフィア幹部の太宰さん。』
え?、え??元……?
僕の頭の中は混乱していた
太宰『んふふ、昨日振りだね……螢君其して鈴君達。』
「ぁ……えっと…知り合いだったの、?」
鈴『ん?せやで~。煩かったやろ!』鈴君は凄く笑っている。見た感じ、螢君以外は太宰さんと仲が良いみたい。
太宰『も~、鈴君ったら~』と言って鈴君の頬を軽く抓っている
『おい太宰ッ!!……って……!!!ポートマフィアのッ…』と、キッチリした眼鏡を掛けた男性が警戒する。
『だ、太宰さん……ッ!!此処でポートマフィアと揉めたら面倒臭い事になりますよッ!』
『そ、そうですよ!!太宰さンッ!!』
『妾は良いと思うけどね~?』
あぁ、次々と増えていく…
太宰『まぁまぁ、……落ち着いて下さい。
国木田君に敦君、谷崎君と与謝野先生?』
美怜『あははッ!太宰のおかげで落ち着く事が出来ないんだろ~!』美怜君は爆笑している。ツボが分からない。
螢『………、相変わらず太宰さんは暇人ですね?』螢君は太宰を睨み付ける
太宰『……フフ、其れはどうかな?』太宰さんの顔が暗くなる。
『それじゃ!私達は会社に戻ろうか!』
敦『そ、そうですね!』
国木田『太宰は戻っても仕事はしないだろう』
与謝野『何だい。つまんないねェ。』
谷崎『は、ははは……。で、では!失礼しました!』と丁寧にお辞儀をして谷崎さんが去っていった。
螢『………、』螢君はパフェを口に運び乍無言で彼等の背中を見送っていた。
鈴『……フフ、面白かったやろ?』
天音『太宰さん又迷惑掛けてたねーっ!』
蒼『彼れが毎回だから国木田の胃に穴があくね~』
美怜『もう空いとるじゃろなあ~』
と楽しそうに会話が飛び交う。
其れから皆と好きな物と嫌いな物を発表し合ったり、好きな異性のタイプを言い合ったりした。
螢『そろそろ暗くなって来たし、帰んぞ』
鈴『じゃあ会計は俺がやっとくで~』
蒼『有難う~!じゃあオトギリ!行こっか!』
「え、うん……」内心、コレで一人じゃなくなるのは嬉しいが、職業がマフィアだと不安が募るばかりだ。
美怜『そんなに難しく考えるもんじゃないよ~、気軽に行こ~?』と言われ、少し心を落ち着かせた。
5 .歓迎
其して鈴君達が住んでいると云う家に入り、荷物を置き終えるとポートマフィア本拠地に案内された。
鈴『此処がポートマフィア本拠地やで!』
「へ、へぇ……!此処が……」 ポートマフィア本拠地…
蒼『凄く大きいよね~!俺も最初思ったんだ~!』
螢『入る殻には首領や周りの同僚、部下達に挨拶を済ませておかないとだからな。』
「は、はいッ!」
美怜『そんなに緊張しなくても良いよ~』
奏生『!、首領が……来たよ!』
螢『……首領、此奴がオトギリです。』
美怜『此の方がポートマフィア首領の森鴎外だよ~』と僕の耳元で囁いてくれた。
森『嗚呼、君がオトギリソウ君かい?ようこそ、ポートマフィアへ。私達はキミを大いに歓迎するよ。』と言って微笑んだ。
『リンタローッ!此のドレス嫌よッ!!着たくないわッ!!』奥から幼い少女の声が響く
森『エリスちゅわ~ん♡御願いだからドレス着てよ~♡』首領は…、幼女が現れた途端クネクネし始めた……。
エリス『嫌よッ!!絶対着ないんだからッ!!!……ん、あら?貴方がオトギリ?』
「は、はい!」
エリス『フフ、宜しくね。オトギリ。私はエリスよ。 』
「宜しく御願いしますッ……」
森鴎外とエリスは流れる様に此の場を去っていった。
『ンぁ?……螢達じゃねェか。其奴が新入りだって?』帽子を被っている160cm位の男性が任務から帰って来たばかりなのか、体に返り血を浴びていた。
螢『嗚呼、中也帰ってきたのか。』
中也『おい螢……、敬語ッ!!』中也さんは怒鳴るが直ぐに表情を柔らかくして俺を見る
中也『宜しく頼むぜ、新入り。』
『……?、中也さん…其方の方は?』
『………只今戻りました中也さん。』
中也『おぉ、樋口と芥川か。新入りのオトギリだ』
樋口『新入りですかッ!わぁッ!私の後輩だぁッ!初めまして、樋口一葉ですッ!宜しく御願いします!』
芥川『芥川龍之介。覚えておけ。』
「は、はい……宜しく御願いします!」
螢『自己紹介も済んだことだし……コレから宜しく頼むぜ?新入り君w』
悪意丸出しだな……
だけど、もう一人じゃないし……
退屈じゃない。
コレからどうなって行くのかが楽しみだな。
𝙿𝚛𝚘𝚏𝚒𝚕𝚎໒꒱
オトギリソウ
16歳
好き 鈴君達
嫌い 自分
異能力不明
その他 下半身が花。花弁を見ると嘔吐してしまう者が数名要るとかいないとか。