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真夜中の星の憂鬱


1 .神崎螢



俺の家庭は小学生の時から


教育を欠かせなかった。


其して、裕福であった。



俺の家族構成はこうなっている


父 、 母 、 俺 、 弟


母さんは厳しく 、 優しさを見せる事等


滅多になかった。


俺が小学生の時 、 初めての授業参観で


顔を見せる事は無かった。


どうしてたかと言うと、


父さんと母さんは一緒になって


弟と遊園地に行ってただとさ。


父さんは厳しい 、優しい依然に


先ず口を聞いてくれない。


だから 、 父と過ごしていて


楽しかった思い出等無い。


弟は幼く、身体が弱い。


だから母と父は弟の面倒で手一杯で、


俺の事はちっとも見やしない。


此れが俺の家族。


俺依り不幸な奴が居るのは分かってた。



けど 、 其の所為で


親の愛情を知らずに育った俺は …


どう生きていけば良いんだ?


才能が有っても 、 愛情を知らなければ


周りと上手く釣り合う事は出来ない。


そうだろう?



人間関係は今依り複雑なのに。



でも 、 愛情を知らなくたって


仮面を付けて演技をすれば良いんだ …


簡単じゃないか …




今は昼頃 生徒は購買に急いで 駆け込んだり


屋上で弁当を食べたりする時間だ。


俺は教室で机を動かし、


自身で作った弁当を静かに食べていた。


其して何時もの様に集ってくる 馬鹿共が

俺の許可無しに机をくっ付けて来る。


『なぁ螢~ 、さっきの数学分かったか? 』

「嗚呼 、分かったよ」俺は学校では優等生を演じている為、笑顔を作る。


『え!マッジか……、教えて下さいッ神様仏様ッ!!』と男子生徒が手を合わせて強請ってくる。


「仕様がないな~、良いよ」昼休みは特にやる事ねぇしな。


『よっしゃー!』


『え〜 、良いな……』羨ましそうに見ているもう1人の男子生徒。

「ん、お前も何か教えて貰いたい教科が有るのか?」


『え……えっと…国語の文章問題ッ!頼まれてくれるか?』恐る恐る俺を見る男子生徒。

「嗚呼 、良いぜ」学力で劣っている物は何も無いから心配要らない。


「そう云えば 、 二ヶ月間だけだが…

うちのクラスに転入生が来るらしいぞ?」


『へぇ 、 二ヶ月間だけか……』


『複雑な家庭なのかァ?』そう云って男子生徒は黙り込んでしまう。

『……ってか何で転入生が来るって知ってんだよ?』と突然不思議そうに此方を見るもんだ殻、固まってしまった。

「何でって……俺が生徒会長なの忘れたか?」と返したら、男子生徒が顰めっ面をする。

『生徒会長だ殻って普通教えて貰えるかよ』


「……」俺は無視して白米を口に運ぶ


『無視か…』 『冷たいもんだな~w』

2人してそう云うもんだから睨み付けてやった。


其したら2人顔を見合せて怯えてしまった。



そうして昼休みや授業も終わり、放課後。

放課後は残っている生徒は余り居らず、

教室で一人、生徒会の資料を纏める作業を黙々としていた。



今日も優等生をちゃんと演じられていただろうか?



心の何処かでそう呟く 。



2 .転入生と本当の姿


5時にアラームが鳴り 、直ぐに体を起こして

顔を洗う。


父親と母親、其して弟は未だ起きていない。

顔を見るだけで腹が立つ。


取り敢えず簡単なご飯を作って食べた。

次いでに昼の弁当も作った。

早めに起きてもする事がねぇ殻、

学校の予習復習を2時間程した。


2時間経てば、父も母も弟も起きている為

3人が出てく迄部屋に篭っていた。


其して何事も無く学校に登校し、

何時もの席に着席する。

今日は転入生が来る日だ。


思い出しながらスマホのネットニュースを

開いていた。


《速報です  神奈川県横浜市の〇〇で殺人事件が有りました。犯人は未だ捕まっておりません。近隣の皆様は…》


………殺人事件 、か…



『よっ!!、な〜に見てんだ~?』突然背中をバシンと叩かれて、男子生徒にスマホ画面を覗かれる。

「ネットニュースだよ。此の近くで殺人事件が起きて、未だ逃走中なんだってさ。」


『えっ!!此処俺ん家の近くじゃんっ!!!、

うっげぇ……マジかよ………』



キーンコーンカーン…


ホームルームのチャイムが鳴った。

もうそんな時間かと思い乍荷物を横に掛けた。


『席に着けー、転入生を紹介する。』俺のクラスの担任は40代で体育を担当している。


クラス内は転入生が来ると聞かされていなかった為、ガヤガヤとし始めた。


『女かな?』『馬鹿ッ!女な訳有るかッ!』『イケメンかなぁ?』『可愛い子が来てたらな~』


そう云う声がチラホラと。


『入れー』其の声と同時に中に入って来たのは160cm前後の猫耳を生やした男の子だった。


『げっ!男かよ~』一部の男子は転入生が男だと知り、素っ気無くなる。

期待してんじゃねぇぞ、そう声に出そうだったが呑み込んでおく。


だが其の転入生は顔が整っており、

温かそうな雰囲気を漂わせている。

……何処か暗い面持ちも感じられるが、

俺の気の所為だろうか。


『初めまして。〇〇中学校殻来ました!

楠瀬蒼です!宜しく御願いします!』


ハキハキと聞き取り易い声で自己紹介を終えた。ほんの一瞬だった。

こう云う場は慣れているのだろうか?

流石だな と、素直に思った。


『じゃあ席は神崎の隣だ。神崎、手を挙げろ』俺の隣かよ。巫山戯んな。

そう思い乍手を挙げた。

其して蒼っつう野郎に 目を合わせてにこりと微笑んでやった。

演じねぇと行けねぇ殻。

蒼『宜しくね』彼はそう云って席に着いた。

「嗚呼、宜しく楠瀬さん」面倒事は避けたいもんだ。


其して昼、俺は何時もの様に机に手作り弁当を置き静かに食べ始めようとした時

彼の蒼っつう野郎が俺の隣に来た。


蒼『ねぇ螢!』蒼は俺の手作り弁当をキラキラとした目で見詰め乍話し掛けて来た。

「ん?なんだよ。」

蒼『屋上で弁当食べに行かない?』


教室を出て、階段を登り、ドアを開けた。


屋上か、久しぶりに来た。

中一の時に何もかもヤになって此処に逃げ込んだっきり来てなかったな。

懐かしい。


蒼『空気が美味しいね〜!』蒼は柵に寄りかかって目前に手を伸ばしている

「だな」俺はやっと弁当の蓋を開けて

手作り弁当を食べ始めた。

蒼『ねぇ、突然だけど聞いても良い?』


「……ん?学校案内か?」


蒼『ううん、そうじゃなくて。』蒼は振り向いて俺を見た。

蒼『螢の事!』蒼の目はキラキラしていた。

好奇心旺盛だな。

「良いけど……何が聞きてぇんだ?」


蒼『螢の好きな物と嫌いな物、身長と体重!』


「ぇ……えぇ…、別に良いけど…」俺は少し戸惑った。好きな物と嫌いな物は兎も角…身長と体重迄聞くか?

「えっと……好きな物は……猫。嫌いな物は家族。身長は確か…165〜170の間か……。体重は……50kg。」


蒼『へぇ〜?』うんうんと頷き乍面白そうに笑っている。

蒼『後もう一つ。螢……其れが本当の自分?』そう云って鋭い目で俺を見て来る。

「何で?俺と会って一日も経ってねぇだろ?」

蒼『いや何となく。』蒼はへにゃっと笑う

「何となくで云うなよ…」

蒼『何となく螢の表情が硬い様に見えてさ。』


「……、」


蒼『無理してるんじゃないの?』


「………、分かった様な事云うなよ 」

蒼『確かにそうだけどさ、放っておけないな〜?』蒼は俺の心配をしてくれている。

なのに俺は素直になる事が出来ない。


優しくされた事が無いから怖いんだ。

距離を置くだけで胸が痛くなる。

蒼『俺の前では本当の自分を見せてご覧よ』

「………、」俺は何も言えず目を逸らしてしまう。

蒼『怖いのは分かる。大丈夫だから、ね?』蒼は優しく微笑んでくれた。

「嗚呼。」其の優しさに、俺は安心したのか何時の間にか涙を浮かべて笑っていた。


此の昼休みは、本当の自分で居られた。

だから何時も依り楽しいと思った。



3 .楽な生き方


今日は土曜日家には家族全員が揃っていた為、俺は出掛ける事にした。


「今日は晴れてるな…」俺は行先を決めていなかった為、偶然見付けた公園のベンチに腰掛けた。


蒼『あれっ!螢じゃ〜ん!』遠く殻手ぶらの蒼が此方に駆け寄って来た。

「?、何だ……手前か………。」


蒼『手前とは失礼な!』そう云って少し怒った様子を見せた。

「……手前ン家は此処ら辺なのか?」俺は其の様子を気にする事無く聞く。

蒼『うん、そうだよ!螢は?』


「俺?、此の先を真っ直ぐ行けば俺ン家だぜ」


蒼『へぇ〜!そっか!、……でも気を付けてね?』蒼は声のトーンを落とした。

「あ゛?気を付ける事なんてあったか?」

蒼『ほら!此処ら辺で殺人事件があったでしょ?犯人は未だ捕まってないらしいから!』

朝のネットニュースのか、……

「そう云えばそうだったな〜……」蒼は少し黙り込んで再び口を開く。

蒼『……もし犯人が俺だったらどうする?』

其の言葉に俺は目を見開いた。

何故そんな事を…?

蒼『………其れでも友達の儘でいてくれるかな…?』蒼は少し悲しそうな表情を見せた。

そんな顔、するんだな。

「良いぜ。」俺は覚悟して云ってしまった。

だって俺は、此奴の言葉に救われたんだ 。

此れが間違ってるのは分かってる。

だから、……今だけは…

「お前がどんなだろうと俺は友達でいる」


蒼『…有難う』蒼は猫耳をぴんと立たせて何処か嬉しそうに笑った。

蒼『でも此の事件、俺は何も関与して無いよ』蒼はくすっと笑って空を見た。

「……、そうか。」俺もつられて空を見た。


今日も真っ青な空に太陽が顔を出しいてる。


会話が突如として途絶えた為、俺が「温かいな」と云ったら、 蒼は『うん!、今日も天気が良い殻お散歩日和だよね!』と返して来た。

其して又会話が途絶える。

気まずい……


「蒼は……」俺が何か言いかけた時、背後殻複数の男の声がした。


『蒼〜、此処におったんか…探したんやで〜?』『蒼〜其の声は誰じゃ〜?』『ぁ、蒼君……帰ろ?』『其の人誰ー?』


「……?、蒼…誰?此の人達」俺は蒼の耳元で囁く様に聞く。

蒼『ん?俺の家族!血は繋がってないけどね!』


「そうか……」俺は其の人達を見て一礼した。

『お、キミが蒼の最初の友達やね!?えっとー……螢君云うとったっけ?俺は楠瀬鈴やで!蒼と仲良くしてくれて有難うな!』


『俺は荒波美怜じゃ!愛知出身〜!』


『ぼ、僕…は……月影奏生、です……』


『俺は星原天音!宇宙についてなら何でも知ってるよ!』


「宜しく御願いします」俺が何時もの優等生を演じたら、鈴に止められた。

鈴『演じなくて大丈夫やで。俺は蒼に全部に聞いとんねん』そう云って俺の頭を撫でた。

天音『螢の家庭は複雑なんだって?』天音は俺に優しく問い掛ける。

俺は蒼にそんな事一言も言っていない気がするのに、何で知っているのだろう。

「まぁ……うん」俺は俯いて返事をする。

鈴『うんうん……よぅ分かるで?』


「……、」俺は鈴に頭を撫でられた儘黙ってしまう。

鈴『家に帰るのが嫌なら、俺らと一緒に行かへん?』


「……へ?」


美怜『俺らは大歓迎だよ〜』


蒼『ね?、一緒にどうかな?』蒼は俺を見て優しく微笑み、俺に向けて手を差し出した。


俺は無意識にも、蒼の手を握っていた


「……………行く。」


鈴『よっしゃ!決まりや!!』


奏生『!!………これから、……宜しく、』


美怜『んじゃ!俺らと一緒に来るんなら、マフィアにも入ってくれるよね?』


………、何となくそう来ると思っていた。

先程の蒼の発言等も嘘では無さそうだった。

いや、嘘付く奴には見えない。


「分かった。」


蒼『有難う、螢……』蒼は申し訳無さそうに此方を見た。

「何だよ其の顔。ゴミみてぇな顔w」


蒼『……は?はぁぁあああ!!?』


「ふッw……」


やっぱり………こっちの方が、

俺にとって楽な生き方かも知れねぇな。



𝙿𝚛𝚘𝚏𝚒𝚕𝚎໒꒱


神崎螢


15歳(現在:16歳)


好きな物 猫


嫌いな物 家族


身長 165〜170の間


体重 50kg


異能力 精神操作

(人の精神を操る。)


+α 跳ね返し

(相手の異能の倍率を100倍にして返す事が出来る。だが一日に一回しか放てない技である。)


其の他 演じるのが得意で、些細な違和感に敏感である。少し暴力的な行動と言動を放つ事も有るが、信頼しているからこそである。

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