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このやり取りを聞いていた善悪が唸るように口にしたのである。
「ちょ、ちょっと待つのでござるよ? それって、オルクス君から出て来た粉に影響されて『馬鹿』になっちゃったって事では無かろうか? 依り代無いんだからさ! ねえ、それってヤバいんじゃないのぉ? 世界に魔力が溢れるとか何とか、アスタもバアルも前に言っていたでござろ? ウランの時とかに…… そんな感じに近づいて来てるんじゃ無かろうか? どうすんのこれ? でござるよぉ! 何とかしなくちゃいけないんじゃないのぉ? 人間もそれ以外の生物も…… このままじゃあ世界中、残らず石化するって事なんじゃあ無いのぉ? だってそうでござろ? 人間が石化し始めて、トカゲ達にも変化が現れて、家畜が狂暴化して、無機物のおりんから同じような石が見つかっていて、灰色の粉に触れたレッサー以上の悪魔達が『馬鹿』になってこれまた石化能力を持ったモンスター、魔物みたいになっちゃったのでござろ? ヤバいよね? ピンチ編でそ? コユキ殿ぉ! でござるぅっ!」
「そうですよコユキさん、既に何十人も石化が原因で亡くなっているんですよ、今こうしている瞬間にも…… 魔力、生命力ですか? 先程の実験で分かった事は『魔力が多すぎると石化する』、これですよね? でしたら、体内に過剰蓄積された魔力を減らせば治るのかも…… ねえ皆さん、魔力を減らす方法は無いんですか? どうです?」
トシ子が間を置かずに答えた。
「簡単じゃぞい! 魔法を使えば魔力を減らせる、は使えない奴らにゃ難しいか? じゃったら修験者みたいに鍛え捲る事じゃのう、空気が薄い高山で走り回ったり、真冬に水ごりやったり滝に打たれたり? 後は絶食とかで…… いやこれらは魔力総量を増やす事になるから、根本的には減らすより増やしてしまう事になるのかのぉ…… 困ったのぉ~、どうすれば良いじゃろう? ダーリン?」
一時は関係が危ぶまれたトシ子とアスタロトであったが、アスタロトが偽坊主として甲斐性を見せた事によって復活を遂げ以前に増してラブラブになってきていた。
愛しいトシ子に問われたアスタロトは堂々と言った。
「うむ、魔力を減らすって事はそれだけ弱くなるって事に直結するからな、疲れやすくなったり精神状態が不安定になったり、生命活動が疎(おろそ)かになって様々な病を患う事にも繋がるから良くは無いな…… 丹波と言ったな、当然お前の患者にそんな事はさせられ無いだろう? そもそも病気の奴らから生命力を減らしたりしたら死んじゃいそうだしな…… やはり、魔法を使って減らす、これしか無いだろうな」
「んでもここにいるメンバーだったらアタシ達が教えたり出来るかもだけど、普通に生きて来た患者さんとかを何とか助けられないモノかしらね? どんな風に石化が起こるか分からないけどさ、内臓とか頭とか脊髄だとか重要な部分からじゃないなら生きられたりするんじゃないの? 四肢欠損とかは仕方ないかもだけどね…… 発症初期で善悪のエスディージーズみたいにして魔力を吸収してあげてさ、自分に入って来た魔力を効率よく消費する為に魔法を使うとかね、何かそう言う活動をする仲間を増やさなきゃならないでしょう? 文字通り手当してくれる人達をね! 晃君とこの看護師さん達とか皆の知り合いとかから始めて、少しづつ伝播させていかなけりゃ世界は終わるわよ、どう? 皆!」