『相性値』。
それは__この世界でいちばん有名なアプリの名前。
政府公認の技術で、人と人との「運命のつながり」を数値化できる。
近くにいる相手のフェロモンや脈拍、反応データを読み取り、
相性が高いほど画面のハートが強く光る。
いわば、 恋のスコアボード 。
恋人たちはそれを「運命の証」と信じ、
友人たちは笑いながら比べ合う。
そして__ときどき、数値に振り回される人もいた。
たとえば、私立賽ノ目学園の1年A組。
そこに通う 『 大神 りうら 』も、その“被害者”のひとりだった。
赫)「……また鳴った。」
休み時間、机の上のスマホが震える。
画面には__《相性値:96%》の文字。
そしてその隣に映る、満面の笑み。
水)「ねぇ赫ちゃん、また上がってるよ〜!!」
赫)「お前が原因だろ、それ!!」
今日も教室は賑やかだ。
“運命の数字”が、ふたりの距離をまた一段と近づけていく。
♡100⤴️
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