春の陽ざしがカーテンから入り込む。暖かいコーヒーは副交感神経を刺激させる。「おはよう」と愛犬のバンクシーに言った。「ワン」と応えるバンクシー。ロサンゼルスの朝はいつも早い。
友人のジョンから電話が来た。「今日、ビーチに行かないか」。めんどくさい友人だ。
今は真冬だっていうのに朝食のスクランブルエッグをほおばる。今日は、ミカエルとの64回目の結婚記念日だ。毛並みのセーターに裾を通す。今日は、雲一つない青空だ。晴天のまなざしを向けるバンクシー。あと五分で散歩の時間だ。しかし、今日は64回目の結婚記念日だ。バンクシーに断りのお手をする。時間だ。ミカエルと手を繋ぎ朝の日差しをよけながらロサンゼルスのストリート通りを通る。
アイフォン 26をもつ子供たち。時代は進んだと感じながら自分のアイフォン 7を眺める。そろそろ変え時かな。と言いながらボロボロのアイフォンを右ポケットにしまう。二つ目のアイフォン 6を手に取り、ミシュランのホテルにディナーの予約をする。電話が繋がらない。やはりアイフォン 26に変えるべきだろうか。街角で「イケメンと結婚したい」と話す若者グループがいる。世間はもうクリスマスまじかだ。ロサンゼルスのクリスマスはあわただしい。家の中から恋人たちがえる唯一の一日だ。私は、今日ミカエルと64回目の結婚記念日の夜を過ごす。しかし、今日私はミカエルに衝撃的な告白をする。それは私が…
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