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1 .月影奏生
生まれた頃から色々な人に冷たくされて来た
原因は分からない。
僕は何もして無いのに
………どうして?
そんな疑問が僕の頭の中に過ぎる。
何時もの様に様々な人の目線を感じて
心が痛くなる。
其して少しずつ自分と云う存在が嫌になる。
又何か気に障る事をした?
もう分からないよ………
怖い……
もう見ないでよ…………
今日も学校に行かなかった。
外にも出ていない。
最近、クラスメイトの螢君が転入生の蒼君に会って殻変わってしまった。
何があったかは知らない。
僕が聞いた所で又無視されてしまう。
嗚呼、………僕は一生此の儘なのかな…
誰とも話せずに終わってしまうのかな……?
そんなのヤダよ……
……僕は、こうなりたかったんじゃない…
こうやって又塞ぎ込んじゃってさ…
立ち直れなくなる。
メンタルが弱いから。
……………、僕…生きてないみたい…
こんな生活を毎日繰り返してたら…
そう感じてしまう……
「…………今日、は……月曜日……だったっけ……?」僕の掠れた声が響く。
暫く喋っていなかったせいで、口が云う事を聞かない。
「ぁ゛……あ゛、ぁ゛……」声が余り出ない。喉が痛い。…………薬、あったっけ…?
僕は寝室のベッド殻離れてキッチンに向かった。
余り部屋のものは使っていない殻、散らかっていない新品の儘だ。
棚を開けて中を確認する。
確か……薬は棚にしまっていた様な…。
ぁ…………無い…。
買いに行かなきゃ。でも怖い。冷たくされちゃう。でも……声が出ない儘じゃ不便だ……。仕方ない……、薬局に行って買いに行かなきゃ……。
僕はフード付きの黒パーカーを取り出し、
薄暗い長ズボンを取り出して着替えた。
僕は素早く準備を整えた。
歯を磨き、髪を整え、目薬をさし、 マスクを着用した。 準備完了。
其して全身が写る鏡を見て、相変わらず不審者の様だ と思った。
戸締りをし、やっと外に出た。
今日は雨模様だ。気分が優れない。だるい。
僕は傘を持って薬局に向かった。
其の途中、僕と同い歳っぽい男の子が路地裏で 不良に絡まれているのを目撃してしまった。
不良は3人位居て、男の子は動じず突っ立っていた。
止めた方が良いのかも知れない。
でも、巻き添えを喰らったりでもしたら…?
僕は関わった後の事を想像して震え上がった。
だって、僕は運動が出来ない殻……
助けに行った所で邪魔が増えただけになってしまう…。
助けても御礼はされないんだろうな…。
そう弱気になっていた。
其してもう一度路地裏に目をやると、
男の子が不良に殴られていた。
…………血塗れだ。
周りの通行人は見て見ぬ振りをしていて、
誰も警察に通報しようともしない。
何で……こんなにも冷たいんだろう…。
僕もそうだ…………、彼の通行人と同じ様に
傷付いている所を遠く殻見ているだけに
なってしまうのだろうか…?
……一瞬、
心の中で記憶の無い物が 想い浮かんだ。
僕が…………幼い僕が、暗闇の中で
泣いている姿を。
此の見覚えの無い記憶と彼の男の子を、
自然と僕に重ねていた。
其して居ても立ってもいられず、
路地裏に駆け込んで行ってしまった。
僕の体が誰かに操られている様に感じた。
其の間、耳鳴りが凄くて……心の中で
《あぁ、やっちゃった……》と呟いた。
僕は顔を見られない様フードを被った。
其して不良が男の子を殴る手を止めた。
『ンだ手前……、フード被ってるとかガチの陰キャかよwww』『此奴も次いでにやっちまうか?www』『やっちゃえやっちゃえw!』
3人は面白がって、俺に殴り掛かろうとして来た。
「……ッ、上等…、です……」僕の声は掠れた声で、とても震えていた。
僕が…………守らなきゃ…。
此処で誰かが動かなくてどうするんだ、…
手は震えるけど、…………
動いた殻には徹底的にやらないと…
僕は傘を閉じて、不良3人に突っ込もうとした。
だが、直前で静止されてしまった。
「…………へ?…」僕は驚いて振り向き、静止した主を見た。其の主は先程殴られていた男の子だった。
『お兄さん、有難う〜。でも心配要らないよ。本当に有難うね〜。』其の男の子は僕の肩を優しく掌で包み込んで後ろに下がらせた。
「……ッ゛!、」僕は男の子を止めようとするが声が出なかった。
こんな時に……何も出来ないなんて……
『心配要らないよ〜。巻き込む積もりは無かったんだけどね〜……。ごめんね。』
男の子は申し訳無さそうに僕を見て笑顔になる。男の子の頬は青紫色に腫れ上がっている。見ているだけで痛々しかった。
『んぁ?又お前かw殴り足りなかったか〜?』『ンなら一発ずつ殴るか〜w?』『何処狙う?急所にしてやるか?www』不良達はゲラゲラと笑っている。
僕は腹の底からイラついた。
『……舐められたもんやな〜…。』男の子は目の色を変えて不良の胸倉を掴みあげた。
『はっwやるか?wwwじゃあ先ずは
いっぱt…』不良の言葉を最後迄言い切らせなかった。
男の子が其の男の顔面を物凄い勢いで殴った殻だ。
不良2人は怯えて尻もちを着いてしまっている。僕も驚いて目を伏せていた。
『さっ、次は誰をやってやろうか〜?』男の子は返り血を浴びて不気味に笑っていた。
『すっ、すみませんでした〜ッ!!』不良2人は声を合わせて逃げて行った。
『……怪我はな〜い?』男の子は心配そうに僕を見た。
「ぁ゛…………、ッ゛…」僕は《大丈夫です》と云おうとしたが声が出なかった。
『大丈夫〜?もしかして風邪〜?』男の子はくすっと笑って僕を見た。僕は声が出ない代わりに頷いた。
『飴ちゃん要る〜?』男の子はポッケから蜂蜜味ののど飴を差し出した。僕は激しく縦に頷いてのど飴を受け取った。
『わははッ!無事そうで良かったわ〜…』
僕は静かにのど飴を口に運び、口内でコロコロと転がして舐めていた。
蜂蜜味……甘い。
「ぁ゛……有難う、ございます」声を出すのが少し楽になったかも知れない。
『お、良かった〜。ごめんね〜?グロいのを見せちゃって〜!』男の子はニカニカと笑っていた。
「大丈夫、です……」僕は頷いて大丈夫な事を証明した。
『あ、そだ!警察には通報しないでね〜?』
まぁ……、助けて貰ったし…呼ばないであげよう。
「……分かりました」
『本当〜!、有難う〜!!ンじゃ、又会うかも知れないし……自己紹介しとくわ〜。俺は荒波美怜!美怜って呼んでよ〜!』男の子はフレンドリーに接してくれた。僕、嫌われないかな……?そう思いつつも此方も自己紹介を済ませる。
「僕は……月影奏生、……です。」
美怜『へぇ〜!奏生君か〜。かっこいい名前じゃね〜!』美怜君はくすっと笑ってくれた。
こんなの初めてだ…。
美怜『わははッ!、あ……そーだッ!飴ちゃんもっと要る〜?』美怜君はポケット殻袋に入った大量の飴を取り出す。
「ぇ、えぇぇ……こんなに…」まるで大阪の飴をくれるおばちゃんみたいだ……。偏見、か…………。
美怜『取り敢えずあげるわ〜w』美怜君が僕の掌に飴が入った袋を丸ごと載せた。
「えぇ……一寸…………!」僕は戸惑ってしまい、どう反応すれば良いか分からなかった。
美怜『ンじゃ、俺はもう行くね〜。又ね!』
美怜君は僕に飴が入った袋を渡して素早く去ってしまった。
其してペースに着いていけず
路地裏にぽつんと取り残された僕。
「まぁ……薬じゃなくて飴だけど、……いっか…」薬局に行かなくて済んだのは有難いし……。
其して其の儘帰宅したのであった。
2 .犯人
其れ殻一日が経った。
今日も学校には行かない。
行かない代わりに又外に出る事にした。
又美怜君に会えると思った殻。
僕は今日は公園辺りを彷徨く事にした。
人通りも少ない所だ。
到着した際は何時も通り 静かだった。
まぁ、昨日は雨が降っていた殻
こんなに濡れていては遊べないか。
そう思い乍屋根の下に有るベンチに腰掛けた。
日差しが眩しい。この太陽は僕を殺しに来てる。暑い………僕にとって太陽は強敵だ。
そう思い乍目だけを動かして辺りを見回した。
すると、黒い外套を着た痩せ細い男が建物の中に入って行った。
其の建物は2階建てで、小さなマンションの様だ。
数分後、先程の男が戻って来た時
小さなマンションの2階の窓に目を向けると血飛沫があった。
其の男も多少返り血を浴びていた。
「……ッ゛」僕は驚き、震える手で警察に電話しようとする。
『奏生君。』其したら背後から聞き慣れた声と同時に両手で目を伏せられた。
「……美怜君?…」
美怜『……ごめんね〜、又ヤなもん見せちゃったね〜……』美怜君は昨日と同じ様なテンションでそう云った。
「ぇ……、」
美怜『……、彼れね〜……其の儘説明した方が良いのかな〜… 』美怜君はこんな状況でもマイペースだ。
美怜『……まぁ、見られちゃった殻……今更隠しても彼れだよね〜…。最近此処らへん一帯で殺人事件があったのは知ってる〜?』
初耳だ。ネットニュースは開いていない殻。
「知らない……」
美怜『彼れね〜、俺らなんだよね〜』
「…………へ?」
美怜『犯人〜。…………でも、一般人を殺害してるんじゃないよ〜?……奏生君にとって、俺らにとって最も悪い奴らなんだ〜』
「……、」僕はなんて応えれば良いのか分からず黙り込んだ。
どう返事をすれば良いんだ?
美怜『………見逃してくれないかな〜?』
……正直そんな事は出来ない。
僕迄捕まってしまう。
どう、すれば…………?
『あ、美怜ッ!そこにおったんか!!』『……!、月影じゃねぇか。』『えッ!!?もしかして見られた!!!?』『え、えぇ……』ある小道から4人の男の子が出て来た。
美怜『あ、鈴達〜』
鈴『ったく、何しとるん!!?……昼間殻こんなん見られたりでもしたら……』
螢『いや、もう見られてるだろ。』
『えっ……、見られちゃった…?』
『なら隠す訳には行かないよね〜』
鈴『ま、マジか……どないしよ……』
「ほ、螢君、!……」
鈴『知り合いやったんか?』
螢『……まぁ…クラスメイト。』
「な、何で……螢君……迄?」僕は震えた声で問い掛けた。君の家庭が複雑な事は知っていたけど……こんな汚れた物に迄手を出すなんて…………。
螢『……、手前には関係ねぇ 』何時もの螢君はそんな事云わない。人が変わったみたい…。
「……な、何で……何でよ………!今なら未だ……罪、も……軽く済む筈だよ、!」
螢『………良いんだよ。俺は此奴らと居た方が楽なんだ。』
鈴『………申し訳ないな…。取り敢えず、俺は楠瀬鈴や。』こんな状況で自己紹介、…
『楠瀬蒼……。』
『星原天音だよ、!』
「………月影奏生、です。」僕も自己紹介をして置いた方がいっか…?
蒼『宜しくね、!……えっと……今回はこんな所を見せちゃってごめんね。』
美怜『………、警察に通報……だけはやめてくれる、かな〜?』美怜君は寂しそうにそう云う。
「………わ、分かった……」此の判断は間違ってる。でも美怜君と話せなくなるのは嫌だ。
蒼『ねぇ、!……君も僕達と……来ない?』
「……?何処に……」
蒼『………えっと〜…勧誘って訳じゃないけど…………もっと奏生君の事を知りたいと云うか……なんと云うか……』蒼君はそう云って俯いた。
「う、うん……分かった。良いよ」僕は何故かそう応えていた。
螢『………、宜しくな』
「うん、!宜しく、ね……」皆には嫌われているが……何となく…………僕の事を思ってくれている様に感じたんだ。
もっと、仲良く出来たら……良いな。
𝙿𝚛𝚘𝚏𝚒𝚕𝚎໒꒱
月影奏生
15歳(現在:16歳)
好きな物 不明
嫌いな物 不明
異能力 毒吐き
(言動に毒が含まれており、死にはしないが奏生を嫌ってしまう能力。だが奏生が体調を崩せば其の異能は解除される)