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八話 ビッグ・ウッド
◆ ウッドパス出現
真理(目を見開いて)
「……でかっ!」
目の前にそびえ立っていたのは、塔のように巨大な樹木。
幹には琥珀のような光る“核”が埋め込まれていた。
リン(魔力を感じ取りながら)
「この魔力……間違いない。あれが“ウッドパス”……!」
バルト(拳を鳴らし)
「先手必勝ってなァ! いくぜッ!
魔輪死蹴(まわしげり)ィィ!!」
バルトの回し蹴りが巨木に炸裂――しかし、木はまったく動じない。
ズズズズ……!
巨木が軋み、周囲の地面が爆ぜるように崩れ始める。
そこからタコのような触手が幾本も現れた。
リン(悲鳴気味に)
「ひゃっ!? な、何この地面ッ!?」
バルト(叫ぶように)
「来るぞォォ! 星帝(しょうてい)ィッ!!」
バルトは掌底で触手を跳ね返す!
リンは魔法陣を描き、炎の壁で守りを固めた!
真理
「こっちも来てる……!斬るッ!!」
真理が剣を振るうが――触手の硬度に押し負けて空中に弾かれる!
真理(空中で水の魔力を凝縮し)
「くっ……水壁!!」
直撃は防いだものの、そのまま地面に叩きつけられる!
真理(立ち上がりながら)
「リン! たぶん……炎が有効!!」
リン(魔法詠唱)
「任せて! 大炎帝(だいえんてい)ッ!!」
巨大な触手一本が、黒煙を上げながら燃え落ちる!
バルト(突進しながら)
「オラァァ!!
炎々刀堕(かかとおとし)ィィィ!!!」
バルトの炎を纏った踵落としが二本目の触手を粉砕する!
ウッドパスが怒りの咆哮を上げると、周囲の木々を巻き込んで暴れ始める!
真理(立ち上がって叫ぶ)
「私も負けてられないっ!
リン、お願い! 剣に火を!」
リン(素早く呪文を唱え)
「纏火(てんか)ッ!!」
真理の剣が紅蓮に包まれ、爆発的な熱を放つ。
真理(吠えるように)
「どりゃあああああッ!!!」
真理は回転しながら跳び、二本の触手を一閃で焼き切る!
バルト(息を合わせ)
「とどめェッ!!
羅璃亜濤(ラリアット)ォ!!」
バルトの全身を乗せたラリアットがウッドパスの巨体を怯ませる!
バルト(叫ぶ)
「今だ! 真理!!」
真理
「リン!!」
リン
「もう一度! 纏火ッ!!」
焼き付けるように剣に炎が纏い、真理が狙うは――額の琥珀核!
真理(渾身の突き)
「これで終わりだあああああッ!!」
剣が核を貫いた瞬間、ウッドパスはボロボロと崩れ落ちた――
⸻
バルト(息を切らしながら)
「っはあ……はあ……さすがの俺でも今のはヤベぇ……」
真理(ぐったりしながら)
「……うん。今回はリンのおかげ……」
リン(照れて)
「えへへ……役に立ててよかった」
……その時――
ゴゴゴゴゴゴ……!!
大地が鳴る。
真理(構えながら)
「な、なに……!? これ……地鳴り……?」
バルト
「……嫌な予感しかしねぇ」