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風磨君→💛ちゃん好きなので、めちゃ嬉しいです🫶 続きも読んでみたいなと思ってしまいました🤭💕
全部かわいい…愛され大好物です💕 保護者❤️が厳しそうですが、頑張る風磨くん応援したくなりました🤭
まとめて見させてもらいましたぁ 部活おわりの癒しっすね🥰
「ねぇーもっきー!お願い!」
「ヤダ。」
映画の宣伝で最近毎日のようにいるもっきーこと大森元貴君。
そんな彼に会う度にお願いしていることがある。
「藤澤さん紹介して!」
元貴君は呆れて
「あのね?あなたの為を思って言ってるのよ。涼ちゃんにどんな幻想抱いてるか分からないけど、あなたが思ってるような人じゃないの。それで勝手にがっかりされてもこっちはいい迷惑なんだよ。」
「分かんないじゃん。がっかりしないかもしれないじゃん。」
「する。ぜーったいする!」
「今までがそうだったの?」
「そうだよ。勝手に期待して勝手に落胆して。勝手に自己処理するならいいけど、あろうことか涼ちゃんに八つ当たりする奴らもいる。」
「そんなことしないよ!」
「風磨君はそんなことしないっているのは分かってるけど、俺が嫌なんだよ。涼ちゃんの存在否定されるの。」
元貴君は苦虫かみつぶしたような顔になった。
「もっきーのそんな顔初めて見た。」
「もっきー言うな。」
元貴君は元貴君なりに仲間を守ってるんだね。
「元貴君はさ、藤澤さん好きなの?」
「よく言われるけど、マジで仲間としての好きしかないからね?」
「それにしては過保護じゃない?」
「まぁ、それは俺の人生に巻き込んだ責任があるし・・・。」
「藤澤さん誘ったこと後悔してるの?」
「してない!」
「藤澤さんは後悔してるの?」
「してない、と思う。けど、涼ちゃん優しいから後悔してても言わないと思う。」
「聞いたことは?」
「聞けると思う?聞いたところで”してない”って言うに決まってるし。」
「なんか面倒臭いね。」
「いやヒドない?それ。」
「俺が藤澤さんにそれとなく聞いてあげようか?」
「いい。後悔してるって言われたら立ち直れないし、風磨君に涼ちゃん会わせる口実と機会作りたくないし。」
「ちっ、いけると思ったんだけどなぁ。」
「一生いけないからね。」
しかし、珍しく神は元貴君じゃなく俺に味方したらしい。
数日後、急遽バラエティの仕事が入った。本来ならうちのチームメンバーが出演予定だったが急病で出演できなくなり、代わりにその日空いてた俺が出演することになった。
「ん?」
出演者欄を見ると、【MGA藤澤涼架】の文字。チャンスじゃね?!
「ねぇ、藤澤さんの楽屋に挨拶に行きたいんだけど、どこか聞いてきてくれない?」
マネージャーにスタッフから聞いてくるように頼んでいると、
「コンコン。」
楽屋の扉がノックされた。
「はい。」
マネージャーが扉を開けると
「お久しぶりです。」
なんと、藤澤さんが立っていた。
「菊池さんが急に出演することになったって聞いてご挨拶に伺いました。今日はよろしくお願いします。」
藤澤さんはふわふわとした表現がぴったりな笑顔で丁寧にお辞儀をしてくれた。
「こちらこそ!今日はよろしくお願いします!すみません、うちのメンバーが急に病気になっちゃって。」
「病気なら仕方ないですよ。僕もよく病欠しちゃいますし。」
「俺が出るっていつ知りました?」
「さっきです。マネージャーから『どうやら菊池さんが代打らしい』って。」
ってことは元貴君の耳に入るのはまだ先になるな。
「藤澤さんこの撮影の後何かあります?」
「いえ、今日はこれだけです。」
「俺も今日本来は休みだったからこれだけなんです。よかったらこれ終わりに二人で食事行きません?一度藤澤さんとちゃんとお話してみたかったんです。」
「是非是非!僕も菊池さんとちゃんとお話ししてみたかったんです。」
えーなにそれめっちゃ嬉しいんだけどー!!
「今日休み潰れてちょっとがっかりしてたんですけど、頑張れそうです!!」
「ふふ。僕も楽しみにしてます。」
藤澤さんが帰った後、どこに行こうかスマホで店を探していると、マネージャーが呆れたように
「大森さんに知られたら大変なことになりますよ?」
「先に既成事実作っちゃえば問題ないでしょ。」
「既成事実って・・・。」
「まぁ冗談はさておき、ご飯ぐらい大丈夫じゃない?」
「大丈夫かなぁ・・・。」
バラエティ撮影終わり、ルンルンとした足取りで藤澤さんの楽屋へ向かうと、ちょうど楽屋から藤澤さんが出てきた。
「あ、菊池さん。」
「藤澤さん、行きましょうか♪」
「はい。」
「俺がたまに行く近くのイタリアンなんですけど、いいですか?」
「はい!」
近いので歩いて行く。俺も藤澤さんももちろん帽子にマスクと完全防備。
「藤澤さん、いつもメンバーとどっか食べに行ったりするんですか?」
「そうですね。大体メンバーと一緒です。あ、でも最近はSMの阿部亮平君とも食事に行かせてもらってて。」
阿部ちゃんと?!羨ましすぎるんだけど。
「阿部ちゃんと仲いいんですか?」
「はい!」
嬉しそうに笑う藤澤さん。うちの事務所で最初に仲いい人になりたかったなぁ・・・。
お店の前
「なんでいるの?」
俺の言葉に、
「やぁ、偶然だね☆」
大森元貴氏は爽やかに言った。
「え?元貴なんでいるの?」
藤澤さんも驚いていたから、藤澤さんが言ったわけじゃなさそうだ。
「え?元貴君、藤澤さんにGPSでもつけてんの?」
「怖っ、なにその発想。俺は束縛系彼氏か。」
「いや、もう店の前で待ち構えてる時点で怖いのよ。」
「今日涼ちゃんにはチーフマネージャーが付いててさ、俺がたまたま用事あって電話かけたら仕事終わりに風磨君と食事らしいって聞いて。風磨君、あの局で仕事したら結構な確率でここ来るじゃん?」
「そうだ・・・。元貴君トマトパスタ好きだからって何回か一緒に来たね・・・。」
「でしょ?」
「元貴、今日仕事は?」
「今日は制作だったから大丈夫だよ。」
「そっか。」
しょうがないから元貴君も一緒にイタリアンへ。
ここは半個室みたいになってるから落ち着いて話せるしゆっくりできると思ったんだけど・・・。
当然のように藤澤さんの隣に座る元貴君。
「ふふふふ。俺が目の黒い内は涼ちゃんに手出しさせないぜ。」
もっきーは悪役のように笑った。
俺の恋は前途多難の様だ。
【おわり】