テラーノベル
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「ん〜……」
いつもより少し体が重くて目が覚める。と、視界いっぱいに小麦色の肌が広がった
俺より少し大きくて、頼もしい体。
……まぁ、そんなに頼もしくはないけど…こんなこと言ったら兄ちゃんに怒られちゃうから秘密。
でも、そんな兄ちゃんの体が、俺はだいすき
ギラギラ輝く太陽の下で、兄ちゃんはいつもトマトのお世話をしている
俺はそんな兄ちゃんを、家の中から眺める。
時々、トマトになれたらな、と思う。
赤くて、おいしくて、みずみずしくて、甘酸っぱくて、兄ちゃんが大好きな、トマトに。
そうしたら、俺も兄ちゃんを見てくれるのかな、なーんて
「ん〜〜〜」(ぐりぐり
「おい、なに可愛いことしてんだよ」
「ゔぇっ」
兄ちゃん?
起きてたの?
「ちぎ、んなことされたら擽ったくて誰でも起きるっつーの」
「ごめんね」
ちゅ
え?
「Buongiorno, mio felice」
「に、いちゃん?」
2人だけの部屋に、リップ音が響く。
「体は大丈夫か?喉痛いんじゃねえの」
どういうこと?
なんで今日はそんなに優しいの?
いつもなら、「くっつくなよバカ弟、擽ったいだろバカ」とか言って、引き離されると思ったのに
「馬鹿。お前昨日のこと忘れたのかよ」
きのう……?
そういえば、兄ちゃんとベットに入った頃から記憶があやふやだ。寝てたんじゃないの?
「なにかしたの?」
「はぁぁぁ?お前ほんとバッカだな。」
「ふゔぇええ、バカバカ言わないでよ」
「馬鹿なお前にもわかるように説明してやる。お前は今日から弟じゃなくなるっつうことだ」
「えっ、それってどういう……」
「後は自分で考えろケ・バッレ!」
そういって兄ちゃんは部屋を出ていってしまった。
きのう……昨日…俺が弟じゃなくなる…?
「あっ」
思い出した。きのう、俺と兄ちゃんは兄弟じゃなくなったんだ。だから今日なんか体が重いんだ。
何になったかって?……“Amore”だよ。
「うゔぇぇぇぇ…」
思い出しただけで羞恥心が…でも、そっか。俺、兄ちゃんと恋人になったんだ。
「兄ちゃん!」
ドタドタと階段を降りて兄ちゃんの元へ向かう
「ンだよバカ弟」
「も、その呼び方やめて?ロヴィーノ兄ちゃん。」
「はいはい。悪かったな、フェリシアーノ」
そういって兄ちゃんは俺の額にキスを落とした
「朝飯作ってやるから待っとけ。あ、あと…俺もお前のそのマシュマロみたいに柔らかくて白い肌、好きだぞ」
「……へ?」
それって、え、聞こえてたの……?
「ぶはっ!!顔真っ赤、トマトみてえ。良かったな、これでお前の望むトマトになれたぞ?」
「へっえっ、兄ちゃん?それっ、え?」
全部、聞こえて……
「馬鹿だなお前。全部筒抜けだぞ。ま、そういうとこも可愛くて好きなんだけどな」
「いてっ」
いたい。兄ちゃんにおでこつつかれた。
バタン。
「なんなの、もう。」
俺も大好き。
「Sei mio,feliciano」
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Sei mio(君は僕のもの)
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「あっ、てことは俺が兄ちゃんのこと頼もしくないって思ったのも知ってるの?!」
「なんだそれ」
「えっ」
「お前俺の事頼もしくないとか思ってたのか」
「えっあ、えっと違くて」
「おーおーそうかそうか、恋人様に向かってそんなこと言うのか。昨日俺の下でアンアン鳴いてたく」
「ゔぇあああああああ!!!!!!!!!!それ以上言わないで!!兄ちゃんのヘンタイ!!!!!!」
「ぶっ」
「もう知らない!!!!兄ちゃんのばか!」
「……かわい」
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別アプリで書いたやつの再録です。小説最近ROM専になってきてます。
でもちゃんとフェリシアーノは好きなのでご安心を。
エ口も書きたいなーって思ってるんですけどもう900年くらい経ってます(´・ω・`)
見てくれてありがとうございました。どういたしまして!今日も世界中が右北伊に染まりますようにーーーー
コメント
8件
可愛すぎるだろ...この兄弟...((グハッ
続き楽しみすぎてしぬ!!
続きが楽しみ