テラーノベル
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〜鈍感〜
さもなな
想像以上に鼓動が早い。
ドキドキしているんだな……って分かる。
今、私は、さもくんと同じベンチで空を見上げるふりをしながら、さもくんをうかがっていた。
いつ、渡そう……かなって。
私は、リュックの紐をぎゅっと握る。
実はと言うと、チョコを入れた袋をそのまま持っていたら、持ってきたって分かっちゃうから……と思い、リュックに入れたのだ。
だけど………それが仇となって、合流した時に渡せなかった。
………どうしよ……。
渡すのむずいよっ。
普通に会ってから、渡せば良かった……っ!!
陰キャの私にはタイミングを見計らうなんて、難しいよ……っ
私は、さもくんの顔を見る。
さもくんの瞳は、ずっと変わらない。
ずっと………と思って、私は「あれ…」と前もこんな事があったな…と思い出した。
そうだ。小さい頃に…………
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さもさん(しゃもさん)に、チョコレートを渡したいっ。
けど……………渡すタイミングがないっ!!!
だって、ずっと、さもさんお家のお手伝いしてるんだもんっ!
渡す間なんてないよ……!!
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てことがあったけな。
それで、結局渡せなくて、自分で食べたっけ。
…………今回は………ちゃんと渡さないと……。
今回はちゃんと渡したいっ。
一応……付き合ってるわけだし……っ。別に渡しても……不自然じゃ、ないよね。ない…よね…?
ま、まぁ……渡さなきゃだ。ちゃんと……渡そう。
でもっ!!渡すの恥ずいよぉぉぉ!!!!
「な、ななっし〜……?一人で何か百面相してたね…?大丈夫…?」
さもくんが私の顔を覗いてくる。
ひゃっ!?さもくんの顔が近いんですけどぉぉぉ!!??
「さ、さもくんっ。顔近いデスっ!」
私が慌てて言うと、さもくんが「わっ、ごめんっ!」と離れる。
けど……その顔が少し赤い。
まぁ…私の方が100倍赤いだろうけどっ。
「あ、あのさ、さもくん!!」
私は、さもくんの手を掴む。すると、
「えっ?ど、どうした?」
さもくんの目が丸くなる。
「………あの……えっとね!」
私は、一旦さもくんの手を離し、リュックから取り出す。
「………えっと…ど、どどどうぞっ!」
私は、さらに赤くなりながら、チョコを入れた袋を取り出した。
「えっ?」
すると、さもくんが目をさらに丸くさせる。
「えっと………さもくんっ。あの、今日はバレンタイン…だから……その…」
恥ずかしくて、声が少し小さくなってしまう。
私が、下を向きながら言っていると、
さもくんが突然、抱きついてくる。
「ふぇっ!?」
私は叫んでしまった。
「………これ、本命?」
さもくんがイタズラっ子のような声で言ってくる。
「……そ、そりゃあ……本命……デスヨっ」
私が、ドギマギしながら言うと、さもくんが笑った。
「やったっ。初めてだなぁ。ななっし〜にチョコ貰ったのっ」
…………えっと……その…………
さもくん……、さもくんのはく息が私の耳にめちゃくちゃかかるんですが!?
「……俺ね、好きな子からチョコ貰うのずっと楽しみにしてたんだ」
さもくんが言う。
「え、えっと…………さもくんって、昔、好きな子いたの?」
私がすかさず反応すると、さもくんが「うん」と言った。
…………え〜。さもくんって、付き合っても付き合わなくても、好きな子から絶対チョコもらいそうなのに。
陽キャだし、顔良いし、性格いいし……。
私がびっくりしていると、さもくんが笑った。
「ななっし〜、何か勘違いしてない?」
「………えっ?勘違い?してないと思うけど……?」
私がそう答えると、さもくんがもっと強く抱きしめてくる。
「へっ!?」
私は、もっと顔を赤くしてしまう。
「ななっし〜言っとくけど、俺、昔から好きな子変わってないんだよ?」
さもくんが言った。
「………えっ?そうなんだ。さもくんってやっぱり一途だね」
私は意図が分からない話を聞きながら、さもくんの行動に感心をする。
ふむふむ。だからこそ、さもくんはモテるんだろうな〜と、勝手に頷いてしまう。
すると、さもくんがムスッとしたような声を上げる。
「ななっし〜!ななっし〜ってすんごい鈍感じゃんっ」
えっ?私、も鋭い方だと思うんだけどなぁ?(前も言ったな、これ)
「だーかーらー!!俺は、昔からずっとななっし〜の事が好きって事は変わらないんだよってこと!」
へぇ……昔から好きねぇ。
………え゙っ。昔から………好き?
えぇぇぇぇ!!??
な、何!?私の耳、都合の良いように聞こえちゃった!?
私はさらに更に顔を赤くする。
「分かった?」
さもくんがまたもやイタズラっ子のように笑う。
だ、だからね!?吐息もかかるし、衝撃の事実も分かるし、私、めちゃくちゃ恥ずかしいんだよ!?
「なんか、すんごく私ばっかり照れて、負けた気がするんだけどっ!」
私は、そう叫んで、ついでに「は、恥ずかしいから、そろそろ離れて欲しい!」と叫ぶ。
けど、さもくんは……
「もうちょっと!」
と、言うのだった。
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
私の命がなくなるよ!!
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〜さぁーもん目線〜
…………俺からこうしてるから、あれっちゃあれだけど……。
すんごく恥ずかしい。
ずっと胸がどくどく言ってて……。
ななっし〜に聞こえるんじゃないかなって思う。
下を見ると、ななっし〜は耳まで真っ赤だ。
可愛いなぁ……って思う。
………こんな照れてるの見せれないから、あともう少しって言ったんだけどさ……………
これ、ずっと照れたままじゃない!?俺!!
無限ループになるかも知れない……!!
まぁ、…そんな事になったら、
俺の命がなくなるけどっ!!
コメント
1件
…っすー…神…かな?