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#暇だから構えっ…//
榎葉
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榎葉
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榎葉
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2時間おきにやってくる身延線。私はその甲府方面に乗り込んだ。来たときの光景と同じ、かは分からなかった。結局は、葉。木。山。畑である。
約30分。私は、無人の駅に降りた。
甲斐常葉駅。改札は無い。
駅から降りると、蝉の声がひとつ大きくなった気がした。
目的は聖地巡礼。
一度荷物を片付けスマホを見る。
「?」
XのDMに一件の通知。
@yui「たまたま私も聖地巡礼で近くを訪れているんです!よければ甲斐常葉で合流して一緒に巡りませんか?」
正直顔も知れない人と、こんな田舎で会う。なんてあまり良く無いことだ。
とも思ったが、唐突に直感ででた私に、そんなアドバイスは何も通用しなかった。
「是非。」
ー送信済みー
彼女を待つ間、私は橋を渡っては、坂を上り、道を戻ればガソリンスタンドまで歩き、また戻っては自販でジュースを買って、、、
駅の小屋のベンチに座ってると、健全な排気音が聞こえてきた。しかいにはいったのは、この町では少々異質な深緑の軽商用バンであった。
このまちで若者など私しかいない。車から降りた女は、私に迷いなく近づいた。
ポニーテールを靡かせている。黒いパーカーに何かのバンドTシャツだろうか。デニムのジーンズ。靴は明らかなコンバースのオールスター。
彼女はスマホを取り出し、自分のらしきアカウントを私に見せた。
「人違いです。」
『え?』
彼女は、明らかに恥ずかしそうな顔をしてあたふたし出した。
「嘘です。」
『なんなんですかもう笑』
互いにクスッと笑い顔を見合う。これがファーストコンタクトだ。
「ゆいさんで良いですか?」
『なんか気持ち悪いですね、アカウント名で呼び合うの。慣れてないですね笑』
「え、ゆいって本名じゃ無いんですか?」
彼女は私の隣に座った。
『だって本名をネットで使うって、あまり良く無いですよ。』
そりゃそうだった。
『雪でいいですよ。』
ゆい、ならずゆき、か。
「え、そんな簡単に?!、、、あ、まぁじゃ私も、久留米と。」
『よろしくお願いします!久留米さん』
私たちは握手をして、このコンタクトを閉めた。
『じゃぁ車「え?」
『流石に不審ですよねぇ。』
「はい、、、」
プラスチックを含んだような気まずさがあった。
「うん、今山梨。うん。大丈夫ありがと。」
電話をしながらなら安心だろう。
『もう切っていいの?』
相手は大学生の時の同級生。
「えぇ、まぁ信用出来ますし。」
『根拠は?』
カチカチと、いう音と共に、サイドランプが点る。
「勘です。」
車窓から見えるサイドミラー、雪は確かに安心したように微笑んだ。
コメント
1件
ああ、このエピソード、すごく好きです。SNSで知り合った人と無人駅で待ち合わせるって、現代の“縁”の形だなと。しかも「人違いです」からの「嘘です」ってやりとり、距離感の測り方が絶妙で、思わず笑ってしまいました。ゆい→ゆき、久留米って偽名の投げ合いも、ネットと現実のあいだで揺れる関係性を象徴してて良い。最後の電話で同級生に「信用出来ますし」「勘です」と返すシーン、リスク承知で直感を信じる主人公の人間性が一発で伝わってきました。サイドミラーに映る雪の微笑み、あれで読者も一緒に「大丈夫かも」と思える。巧いなあ。