TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

 本人がその変化に一番気が付いているのだろう、ズィナミは満面の笑顔を浮かべて言う。


「ありがとうお祖父さまじゃなくってアスタロト様、凄いわねこれ! 今ならあのミミズ、片手で絞め殺してあげられそうだわ♪」


『おいおい無理は行かんぞ、力は数倍になったかも知れんが魔力に抗えない事に変わりは無いのだからな』


「あらそうなの? 残念ね…… レイブやラマスみたいに対応出来たりしないのかしら?」


 ズィナミの質問に返すアスタロトはこれまでと違い優しい表情である。

 やはり孫娘が入っている事に影響されているのだろうか? 魔神とは言えおじいちゃん属性には抗し難いようだ、微笑ましくもある。


『あの域までになるには二、三年、集中的に鍛えたとしても数ヶ月は掛かるだろうなぁ…… まあ慌てずに『反射』の中で大人しくしておいで♪ そうだメルルメノクとやら、お前も結界の中にいないとまたおかしくなるぞ、さっきみたいにな』


『え! ええぇ…… は、はい、それでは失礼しますぅ』


 再び邪竜化する事には変えられないと判断したのだろう、つい先程の勢いはどこへやら、メルルメノクは大きな体を出来るだけ縮めて『反射』の結果内へと避難だ。

 距離を置いて横目で睨みつける赤い女とは視線を合わせない様にじっと地面を見つめている、不憫な。


 遠からず痛い目を見させられるだろう竜と、ガンをくれながらも早速体内の魔力を巡らせてグルり始めた赤女を交互に眺めた後、アスタロトがご機嫌な様子で言葉を発する。


『ふむ、折角の機会だ、ラマスの仲間や小娘の仲間、それにそこのデスマンにも誰か憑依させておいてやるとするか、出血大サービスって所だな♪』


 ここまで調子に乗った竜と大人気ない学院長の様子を眺めていたレイブがやや慌てた感じで答える。


「だ、大丈夫ですかアスタさん! ここまで結構無理している感じですけど、みんなを強化してくれるのは嬉しいですが肝心の俺たちの神様がどうにかなっちゃったら困りますよぉ」


 聞き流せば素直で可愛い依り代レイブ君の発言に聞こえるが、動作を見るとわざとらしく両掌を組んでモジモジさせ話し口調もどこかラマスっぽく修飾済みだ、あざといなレイブ君……


 アスタロトはヒエラルキィの頂点らしく細かい事は気にならないらしい。


『心配要らんぞ我がレイブよ、ええっと雌ライオンか…… 良しっ! 『嵐の申し子にしてアンク神の復活と再生の……』これ面倒臭いな…… いいやっ『召還、『獅子女スピンクス』っと、次も竜か、じゃあ『暴君竜ラードーン』、次はっと』


「えっ! あの呪文みたいな詠唱は? し、省略、可能なの、か?」


 省略可能だったらしい……


 恐らくだが、召還に先立つモチベーション高揚、しくはよりそれっぽく見せる為の演出的な事だったのではないかと思われる、全く。


 続けてカゲトにも『仔犬スキュラ』が気さくに呼ばれて憑依を果たした。

 ラマスのスリーマンセルでは、エバンガには精霊で鹿の王『エレカボール』、カタボラは水への親和性が高いと言う理由で海獣の君主『ケートス』がそれぞれ宿る事となった。


 ズィナミのたっての願いで彼女の同僚、シエル女史には年老いた魔女『カーメリア・ヴァリアント』が本人の承諾なしで勝手に憑依させられていた、そこはかとない悪意を感じる、困った物だ。


 因みに憑依した悪魔たちは揃ってアスタロトの孫やひ孫、玄孫やしゃごらしい、魔神様は大家族だったのだ。

堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

15

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚