11月のある日のこと。
薄暗くなった夕方で、厚手のアウターを着ないと凍えるくらいの寒さだった。
その頃、ごくごく普通のサラリーマンだった僕は、いつも通りの仕事を終えて
危うい香りがチラホラと姿を見せ始めた夜の街には少しの目もくれず、
夕飯は何にしようかなんて、ぼんやり考えながら歩いていた
👱🏻♀️「おにいさぁ〜ん」
ぐっと手を引かれふと声の方を見ると、傍らに派手な格好をした女の子がいた。
際どいミニスカートに半袖のセーラー服姿。
高校生くらいだろうか。まだ幼い。
立ち止まって、抵抗しない僕を、
了承と捉えたのか、彼女は腕を絡めてきた。
👱♀️「おにいさん、背高くて雰囲気かっこよくて私のタイプだなぁ、、
ちょっと一緒に飲んでいきませんか〜??」
甘えた声を出す。
目もぱっちり大きくて、肌も雪のように白い。
世の男ならばホイホイ着いて行ってしまうのだろう。
でも僕は、刺激しないようにそっと腕を解いた。
🐣「ごめん、そうゆうの無理なんだ。」
こう言うと大抵の子は、
手の平を翻したかのように不機嫌にな顔をうかべ、舌打ちして去っていく。
そっちが無理やり誘ってきたくせに、その態度はどうなんだ、と、少しだけ傷ついて帰るのがいつもの事。
👱♀️「そっか〜おにいさん忙しいよねぇ、
また今度付き合ってね!待ってるからぁ〜」
あれ、珍しい、と思う。
そっと離れ、ネオンの街へと紛れていく小さな後ろ姿をちらと眺めた。
そう言ったその子の顔に悲しげな表情が浮かんだから。
望んでこの仕事をしているのでは無いのだな、となんとなく思った。
今の子みたいな例が稀にあるから、
僕は彼女たちのような夜の住人を偏見の目では見ていない。
みんな必死で生きてるのだなと思う。
それに比べたら本当に面白みのない男だなぁ、と自分を省みて、ふっと小さく息を吐いた。
まぁそんな自分が嫌いな訳でもない。
帰りにコンビニでアイスでも買って帰ろうと思いたち、また夜の街を歩き出した。
コメント
4件
新作✨✨ またまた楽しみが増えました🥰 ワクワク😊
わぁぁぁ新作楽しみです!! (っ ॑꒳ ॑c)ワクワクして待ってます!! 主さん大好きです!