「子供じゃない」
数分後。
家まで送ってもらった私は、 川崎(かわさき)さんにお礼を言って車を降りた。
後部座席を見やれば、窓から 佐伯(さえき)が顔を覗かせる。
目が合ったけど、なんとなくばつが悪い。
私は軽く頭を下げ、車が去るのを待った。
あたりにいつもの静けさが戻ると、無意識に息をつく。
なんというか……せわしない一日だった。
佐伯の意外な一面も見てしまったし、正直まだ少しドキドキしている。
私は意識から佐伯を追い払いたくて、小さく首を横に振った。
(よし、気にしない)
心の中で呟いた時、真後ろで声がした。
「今の……佐伯?」
振り返ると、コンビニの袋を下げた 侑(ゆう)が、車の消えた先を見つめている。
「侑……! バイト帰り? お疲れさま」
侑の顔を見たと同時に、ほっと気が緩んだ。
そちらに駆け出そうとしたけど、侑は立ち止まっ***********************
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