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朝日が眩しい運動場。
生徒たちの歓声と熱気が辺りを包む中、雷は無表情のままスタートラインに立つ。
ショートヘアの先端の黒が、日差しにわずかに光る。
「全員、位置について――」
先生の声が響く。
雷は呼吸を整え、視線をまっすぐ前方に向ける。
スタートのピストルが鳴る。
雷は無表情のまま走り出す。
周りの歓声も、自分の呼吸も、何も気にしない。
ただ目の前のゴールだけを見据え、無駄なく足を運ぶ。
短距離走では個性は使えない。
それでも正確なフォームと冷静なペース配分で、雷は確実に前を追い抜いていく。
爆豪が隣で必死に走っている。
「雷、置くなよ!」
雷は表情を変えずに前を向く。
ゴールが見えた瞬間、雷の口元がほんの一瞬ニコッと緩む。
その隣には電気もいて、雷の微かな笑みを目にする。
ゴールを通過した雷は、また無表情に戻る。
だが、爆豪も電気も、その短い笑みをちゃんと見逃さなかった。