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【 た ら し な 君 に 制 Ψ を 】
⚠︎︎ 斉木 攻 / 鳥束 受 ⚠︎
地雷さん、またの機会にお会いしましょう👋
僕の名前は斉木楠雄。 超能力者である。
そんないつもの挨拶は置いておいて、僕には今恋をしている人がいる。 この僕が恋をするなんて、生涯一生ないだろうと思っていたから最初は自分でも信じ難かった。だから当然初めてなのだ。この恋心を経験するのも―…
恋というのはこんなに苦しいものだと知るのも―――。
いつもの日常。昼休みの時間、ふと僕の目に愛くるしい姿が見えた。
「 ××ちゃん! 今日も可愛いッスね! 」
―――鳥束零太。
鳥束はいつものように、手当り次第可愛い女子に話しかけている。女子と話している鳥束はいつも楽しそうでキラキラしている。そう、彼は生粋の女好き。変態である。鳥束の”恋人”になる第一条件は女である、ということだ。だけど、いつも必死で、フラれてて……僕に助けを求めてくる。そんな事実を忘れないよう、優越感に必死に浸ろうとする。どんなに鳥束が女を好きになっても、女と付き合っても。だから大丈夫、大丈夫。結局は僕のところに戻ってくるんだって。
遠目で鳥束を眺めていると、女子が冷めた声で鳥束の誘いを断っているのが聞こえた。
そろそろ来るぞ。
「 斉木さーん、またフラれたッス…。俺のどこが悪いんスかね? 」
鳥束が涙目になりながら縋るように駆け寄ってくる。ほらやっぱり。結局お前は僕の目の前に現れて神のように尽くすのだ。
⦅ いつものことだろ。 お前が下心丸出しだからだ。⦆
「 え〜…!? 下心ってどうやって隠すんスか!? 」
そしてお昼の遊び相手がゲットできなかったら、僕の隣に座って菓子パンの包装を開く。この日常が続いていくならば、僕は一生この立ち位置でも悪くないのかもな。
「 斉木! 一緒に帰ろうぜ! ダークリユニオンがもうそこまで来てるんだ……」
放課後になって、夕日が差し込む教室の中で海藤たちが誘ってくる。まあ、毎日のことだが。ゆっくりと教室を出て、下駄箱に向かい靴を履き替える。
今、鳥束は何をしているのだろうか。そう無意識に相手のことを考えてしまうのが恋愛だ。僕は最近やっと理解した。
「 なぁ、相棒。 ぼーっとしてどしたんだ? お? 」
⦅ なんでもない。 ラーメンなら行かないぞ。 ⦆
何気ない会話を済ませ校門を出る。他の三人より一歩後ろを歩き、話を振られたら軽く返す。それがこの三人と帰るためのルールブックだ。
《 ―――。 ――! 》
なんだ?テレパシーで鳥束の声が聞こえる気がする。まだ僕から200mもないところにいるのか。テレパシーで200m付近全員の声が聞こえてくるのに、好きなやつの声になるとこんなに鮮明に聞こえるのか。まるで、今までうるさかったノイズが一瞬で消えたようだった。
もうすぐで家に着くくらいのときだった。少し俯いて歩いていたら、目の前のT字路から突然、見覚えのある下駄が見えた。鳥束……!
テレパシーで聞こえる鳥束の声がだんだん大きくなってきているのはやっぱり勘違いではなかったようだ。だがしっかりと顔を上げた瞬間、底へ突き落とされた。楽しそうに頬を赤らめて歩く鳥束……。その隣には鳥束の顔を見て微笑みながら歩く女。
無性にムカついた。なんで、僕に言わなかったのか。いや、そもそもこいつが女を釣るのに成功するなんて。お前には僕しかいないはずだろ。
そんな思考がぐるぐる頭を巡る中、体は勝手に動いていた。
「 あっ、おい! 斉木! どこ行くんだよ! 」
窪谷須が僕に話しかけていたような気がしたが、こいつらの前で冷静さを保っているのに精一杯で僕にはよく聞こえなかった。
「 お、斉木さんじゃないッスか! ××ちゃん、紹介するッス! この人は… 」
僕は耐えられず鳥束の腕を引いて、女から遠ざけた。
「 って、ちょっと斉木さん! まだ話が…… 」
そんなの関係ないだろ。いつだって僕のことを優先してくれてたじゃないか。だったら今も僕を優先してくれたっていいだろう?
人目のない路地まで鳥束を連れてきた。薄暗くてもう少ししたら街灯の灯りが着きそうだ。ドンっと音を立てて鳥束を壁際へ寄せ、押し付ける。
「 さ、斉木さん…? 」
怯えるような眼差しで君は僕を見つめる。なんでこんなことされてるのか本当に分からないようだ。
⦅ あの女、昼休みのやつじゃないか。 デートは楽しかったか? ⦆
少しだけ優しい口調で脳に送ると、鳥束は少し安心したような顔をして嬉しそうに僕に言った。
「 そ、そうなんスよ! あの子、放課後ならいいよって言ってくれて…… 」
嬉しそうに言ってくる素振りや頬を赤くした顔により腹が立った。僕以外のことでそんな顔をするのか。
⦅ もうこれ以上は見過ごせないな。 僕がここで制裁しないと……♡ ⦆
鳥束は僕がそう言うと、再び顔が強ばり身体をビクっとさせた。壁に押し付けられている鳥束の身体は小刻みに震えている。彼の手を握り頭の上へ持ち上げ、逃げないようにぴったりと壁に押え付ける。
「 ど、どういうことッスか……? 」
涙目になっている君の目は、今にもふやけてしまいそうで可愛い。
僕は怒りと期待に身を任せ、彼の局所を膝で弱めに刺激した。
「 斉木さッ、!?♡ 」
「 あっ、あっ ♡ 」と声を漏らす君はとてもえっちだ。涙目になっていた目からは、遂に涙が溢れだしていた。
⦅ お前のこんな顔を見たのは僕だけだな。 ⦆
溢れ出した涙を優しく手で拭うと、鳥束は腰をゆさゆさ揺らしていた。なんだ、求められちゃったら仕方ないな。今度は強めに刺激する。
「 うぁッ、!♡ やばッ // 」
彼の局所が負けじと膨らんでくるのが分かった。僕で興奮しているんだと思うと優越感に満たされていく。
「 興奮しているんだな。 どんだけ淫乱なんだ。 」
そう耳元で囁くと、力が抜けていく。
「 斉木さんの声、くすぐったいッ♡ 」
一人では立っていられなくなったのか、僕の制服の襟にしがみついてくる。僕が鳥束の腰を手で支えると、安心したようにまた刺激を求めてくる。しばらく刺激していると、彼は目を力強くつぶって必死に快楽に耐えるように「 も、いくッ ♡ 」と小さく甲高い声で聞こえた。
「 はぁッ、はぁ、♡ 」と息を整えながら快楽の余韻に浸っている鳥束を見て、僕は幸福感を憶えた。こいつは今、僕がイかせたんだ。僕でイッたんだって思うだけで、鳥束にとって僕は周りのヤツらよりちょっと特別な存在になれたんだと安心できた。
⦅ 好きだ。鳥束。 僕意外ともう喋るな。 ⦆
そう言うと鳥束は、一瞬固まったような顔をして躊躇しかけたが頬を赤らめて言った。
「 そうしたら、またこれやってくれますか……? 」
⦅ 良い子にしてればな。 ⦆
僕は堕とした。初恋の人を。マインドコントロールも使わずに。
これで、たらしな君はもうお終いだ。
今日からは僕だけの鳥束零太だ。
誰が近づいても渡さない。
読んで下さりありがとうございました。
鳥束受けって結構良いんだよ!?(泣)
もっと増えて欲しいな…。