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#ご本人様には関係ありません
透楽※お知らせ必読願います
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仁人が見つかった。
それは、とても嬉しい。
画面越しだけど、久しぶりに見る姿も、落ち着いた喋り声も…懐かしくて…愛しくて。
けど、俺の知る仁人とは、もう違う。
苗字も違う、生活も違う、…結婚もしてる。
……どう足掻いても、俺は仁人と結ばれることはないのだと思い知らされる。
この12年、仁人が別の人と幸せになっていることを考えなかった訳じゃない、むしろ仁人ほどの人間が放っておかれるわけないと分かっていた。
でも、知ってしまうと辛いな。
涙が流れる。
この涙と共に、想いも流せてしまえれば良いのに、そう思って沢山泣いた。
いい大人が子供みたいに。
でも、次の日も、その次の日も
俺は仁人のことが好きだった。
結局、この痛みと供に生きるしかないのだ。
辛くても、悲しくても、時間は平等にすぎる。
あの特集を見てから半年が経ったある日、俺は会社の都合で出張することになった。
出張期間は1週間、
出張先は鹿児島のとある市。
そこは、神屋グループの本社がある地だった。
神屋グループ程の代表取締役ともなれば仕事は多岐にわたるだろう。この地に仁人が居るとは限らない。
そう思うのに、街を歩けば面影を探してしまう。
出張期間の間、毎日。
でも、仁人を見つけることはなかった。
そして、ついに出張も最終日になった。
仕事を終え、あとは帰るだけ。
空港に向かう前に飯でも食べようと思い、マップを検索しながらオフィス街を歩いていた俺は、スマホから顔を上げて息が止まりそうになった。
視線の先、そこには仁人がいた。
車の前で秘書らしき人と話している。
俺と仁人の間には到底触れあうことなどできない距離が空いている。
「じんと……」
小さく声が漏れた。
仁人には聞こえるとは思えないほどの小さな声だったが、仁人の顔がパッとこちらを向く。
目と目があった。
仁人は大きな目を見開く。
その瞬間、『はやと…』と口が動いた。
12年経っても、一瞬で俺に気付いてくれたことに、胸と目頭が熱くなる。
「社長…?どうかされましたか…?」
「あ、あぁ、…いや」
秘書らしき人に話し掛けらた仁人は俺から目を離して言い淀んで、また俺の方を見る。
俺は仁人から目が離せずに、ただそこに突っ立ていた。
「あちらの方、お知り合いですか?」
「…そう…だね。牧瀬くん会食に向かうまで後どれくらい余裕ある?」
「今ですと、あと15分程度なら」
「ごめん、ちょっと外してもいい?」
「もちろんです。」
「話したら、戻るから」
秘書にそう断り、俺の方に向かってくる仁人。
「……勇斗、久しぶり」
「仁人…」
「なんで、ここに?」
「……出張で」
「そっか……。ちょっと、あっちいこ」
そういって、人目に見えず秘書に声が聞こえないところまで移動する。
「あの日以来だから、12年、振り…だね」
「……仁人…ずっと…探してた」
「ごめんね、あんな形で別れを告げて…」
「…半年前の、特集見た」
「あ、…あれ、見たんだ…そっか」
「自分が未練を残さないために嘘をついたって…あれ、俺に言った言葉のこと…だよな?」
「……うん。傷付けてごめん、本当に、ごめんね…。」
苦しそうな顔で謝る仁人。
「……俺、勇斗のことが好きだった。すごく、好きだった。最初は、終わりが決まってる生活だから深く関わり過ぎないようにしようって思ってた。」
「……うん、」
「でも、勇斗が俺を好きだって何度も伝えてくれて、俺も勇斗を好きになって……、別れが来るって知ってたのに恋人になった。付き合ってからもどんどん好きになって、終わりが来るのが怖くなって、…結局最後まで自分のこと隠してあんな酷い言葉で終わらせた。…許されると思ってないけど、本当に、ごめん。」
俯く仁人。
辺りには沈黙が落ちる。
俺は、仁人の頬を両手で掴み顔を上げさせる。
「…いいよ。俺、仁人のこと好きだからなんでも許せるよ。」
ポツリ、俺から溢した言葉。
付き合ってたとき、あの高校生の頃によく言っていた言葉。
ふざけてるとき、喧嘩したとき、好きだと伝えるとき…いろんなシーンで言っていた、その言葉。
「…っ!」
仁人が大きく目を見開く。
そして、泣きそうに顔を歪めた。
「…俺、12年経っても仁人のことが好きだよ。諦められなかった。」
「…はや、と……俺、…俺は…」
困ったように仁人が目を彷徨わせる。
「…仁人は…結婚、してるんだよな」
「……うん。」
「今、幸せ?」
「……、しあわせに、なろうとしてる」
「そっか」
微笑む俺に、仁人は唇を噛む。
「仁人、唇切れちゃうよ」
「…ぁ、ごめん…、ごめん…」
「なんで謝るの」
「……勇斗……ごめんね…っ」
………俺を見て謝る仁人の瞳の奥を見ていて気付いてしまった。
だって、それはよく知っている目だったから。
好きで好きで堪らなくて、でも届かない人を想う…そんな…俺の目と同じ目。
仁人も俺のことがまだ好きなのだと、理解してしまう。
「……俺、勇斗が好きだった、世界で一番。俺が、神屋じゃなければよかったのに……背負うものなんて、なければ…よかったのにって、何度も考えたくらい。」
そう、仁人が告げる。
好きだったと過去形で告げられてるのに…今でも好きなのだと…聞こえそうな、切ない声。
「でも、俺は、神屋の跡取りとして生まれて育ってきたから、責任を途中で放棄することはできなかった。」
なんで、仁人は神屋なんだろう。
どうして、好きなのに一緒にいれないんだろう。…そう思うけど、生まれを変えることはできない。
「……仁人らしいね。」
「…そう、かな」
「うん、責任感があって…傷付いても頑張る…そんな仁人のこと、尊敬してる。」
「勇斗…。…ありがとう、…ごめん。」
会話が途切れ、仁人が自身の腕時計を見て「もう、そろそろ行かないと…」と呟く。
ここでさよならを告げたら
きっと、もう二度と会うことはないだろう。そんな予感がする。
「勇斗、俺もう行くね…」
「…もしさ、」
「ん?」
「もし、来世とか…パラレルワールドでもいいや…、仁人が神屋じゃない、どこか別の世界があったとしたらさ、…俺達はまた逢えるかな」
俺の前から去ろうとする仁人に向かって
俺は、ふと思い付いたことを投げ掛けてみる。
「いきなりだなぁ……。どうだろう、…会えたらいいな…とは思う。」
困惑しながらも、
そう返してくれる仁人。
「……また逢えるのなら、次は…ずっと一緒にいれるといいな」
「そう、だね。」
「……別の世界の俺達はアイドルとかやってるかもよ?」
「はぁ?急にアイドル?」
「うん、仁人、歌うまいし」
「なにそれ(笑)」
「…ま、アイドルでも俳優でも、サラリーマンでもニートでも…なんでも…次は隣に居させてよ」
「……………うん。」
「……仁人、またな。」
「……勇斗、またね。」
また、いつか逢えたら、その時は…。
End
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
後書き
創作の中でも幸せでいてほしいので、基本的にはハピエン主義なんですが、結ばれないで終わるのが書きたくなってしまい。
どうでしたかね…?
最後まで読んでくれてありがとうございました!
コメント
4件
再会した2人のシーンで涙がポロポロと出てきました。 無理矢理にでも一緒にいる選択肢はなかったのかと思ってしまう自分が子供で作中の2人はとても大人で、情けなくなってしまいました笑

話の内容に引き込まれ一気に読み、気がついたら涙がこぼれていました…。 いつも素敵な小説をありがとうございます。 前世の記憶ありのアイドル世界線の2人も見てみたいです。その場合はぜひハピエンで…!

悲恋も好きです…!