こちらは実際の人物とは一切関係がありません。
それを踏まえた上でご視聴ください。
何も感じない。
どんなに貴方が笑っても、声を掛けられても、
何も感じなかった。
僕は人工知能。
研究所の中でも一番優秀な存在。
戦闘力も知能も完璧だった。
ただ心だけは理解出来なかった。
回復魔法にも何故か長けて居て、僕に弱点なんかなかった。
でもある日、
??? 「天翔様!…!」
研究者 「お前…!」
??? 「天翔様を返してください!」
研究者 「天翔?誰の事だ?0621、コイツの始末は任せた」
僕 「はい…」
天翔なんて名前知らない。
僕は製造番号が名前だから。
??? 「天翔様!大丈夫ですか!?今助けますからね!」
僕 「ちび…弱点、魔法…物理能力に長けている。魔力最大値解放」
ちび 「…天翔様!私は貴方を傷つけたくありません!だから!言葉を伝え
続けます!」
馬鹿だな、心が理解出来ない僕に言葉なんて意味無いのに。
僕に弱点も隙もない、命令に従って、相手を抹殺する。
ただそれだけ。
僕は相手に蹴りや殴り、魔法、ありとあらゆる力で相手を痛め付けた。
ちび 「…!」
僕 「もう終わりで良いですか?僕も無駄な殺生はしたくないんです」
ちび 「いいや!抗いますよ!だって私…!貴方の」
何かが響いた。
声、雰囲気?
違う。
これが頭の中に響いてくる。
真っ直ぐな眼を持って、僕に伝えて来る。
でも知らない。貴方の事なんて、でも…暖かい。
天翔…?それが…僕の名前なの…?
研究者 「何をしている!?さっさとその女を殺せ!」
僕 「は、はい!」
ちび 「何度でも言いますよー!私は貴方の神友です!一緒に帰りますよー!」
嬉しそうな顔をして、楽しそうな顔をして、
馬鹿だな、相変わらず、
今…何…?あの人の名前を…何で知ってるの…?
僕…大事な事を…忘れてる…?
僕はそう思い、自分の耳に取り付けられている機械を外した。
これは簡単に言えば、命令を聞くための装置。
これで操られる。
そして全力で走り、彼女の手を引いた。
ちび 「えっ!?」
僕 「早く!いいから!」
急ぎ足で研究所から脱出した。
何も感じないはずの僕が…意思を持ったような。
ちび 「天翔様速いですね!」
変わらず笑顔を見せてくる。
僕 「それが…僕の名前なんですか…?」
ちび 「…そうですよ!貴方の名前は天翔です!私ちびちゃんって言います!」
僕 「ちびちゃんさん…」
そこには変わらない笑顔を見せる彼女と、
嬉しそうに笑う…僕だった。
ちびちゃんさん 「天翔様?」
僕 「いえ…何でも…」
ちびちゃんさん 「これから一緒に生活しましょう!家はうちを使ってください!」
僕 「いいんですか?」
ちびちゃんさん 「もっちろんです!これからよろしくお願いします!」
僕は彼女の家に行った。
中は綺麗に掃除されて居た。
そしてこれを言われた。
その決まりだけは守ってほしいと。
僕は気にしなかったから、了承した。
彼は知らない。
自分が何者だったのかも。
ちびとの関係も、
幸せだった日々も。
何も永遠に想い出せない。
そうプログラムされているから。
コメント
2件
名前は分かるけど、今まで一緒だったことは覚えてないんですね。悲しすぎる😭ちびちゃんさん助けに来てくれてありがとうございます!!☺️プログラムされた天翔は神友なのも忘れちゃってるのかな。