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5件
ーーー放課後ーーー
赤「姫、お迎えに来たよ!」
桃「………」
赤「行こっか」
桃「ん」
ーーー生徒会室ーーー
橙「桃ちゃんおつかれー」
桃「………?」
橙「どしたん?」
桃「姫じゃなくていいの?」
紫「みんなの前だけだね。嫌でしょ?姫って言われるの」
桃「うん」
赤「桃ちゃん、このお菓子美味しんだよ!食べる?」
桃「……いらない」
赤「えぇー美味しのにぃ」
紫「桃くん、今日は桃君のこと知ろうと思って質問攻めになると思うけどいいかな」
桃「……帰る」
橙「言うまで帰らせんで?」
青「僕たちが送らないといけないんだから」
桃「……1人で大丈夫です」
黄「規則破ったら罰がありますけど……」
桃「罰……?」
赤「この広い学園を1人で掃除するってやつ」
桃「は?」
青「あれきついよォ……終わるまで絶対に授業とか受けちゃだめなんだよ?あとは学園に泊まるんだって」
桃「そこまで……」
紫「ね?めんどくさいでしょ?だから話してくれると嬉しいな……本当に嫌な事は無理に聞かないからさ」
桃「……分かった」
紫「ありがとう。じゃぁ、単刀直入に言うけど。桃くん、虐待受けてたりしない?」
桃「………してませんけど」
橙「小さい頃も?」
桃「…………」
青「受けてたんだ」
桃「小さい頃は今に関係無いでしょ」
紫「あるよ」
黄「大事な事です。僕達にとって……桃くんにとっても」
桃「……意味わかんない」
青「分からなくていいよ……今は」
紫「答えて貰えるかな?」
桃「……受けてたよ」
橙「今は?」
桃「ない」
赤「そっか……良かった」
紫「なんで虐待受けてたかわかる?」
桃「まぁ……」
紫「そこも教えて欲しいな」
桃「……俺の家は普通の家庭だった。」
青「だった?」
桃「俺のお母さんはすごい金持ちの娘で、父さんは普通の人。でも母さんは父さんに金持ちの事を隠してた。」
橙「なんでなん?」
桃「俺には分からないけど、多分、母さんの家の教育が厳しかったんだと思うし、金を持ってるか持ってないかの関係が嫌だったって言ってた。」
黄「貴族の話あるあるですね」
桃「だから普通の人と暮らして、普通に生きてみたかったってって言ってたけど、お父さんに金持ちがバレて普通じゃなくなった」
紫「…………」
桃「父さんは隠してきた事に対して怒って、金があるのに俺に働かせてたのかよって、父さんが頑張って働いてたのを嘲笑って見てんだろ、とか……あまり覚えてないけどそんな感じだったかな…怒り始めてさ」
青「それ……何歳ぐらいの時?」
桃「……何歳だろ……覚えてないや」
紫「それで?」
桃「……母さんに……あたりはじめたんだ」
赤「っ………」
桃「最初は、悪口言ったり、精神的にくる事をしてて……母さんは動けなくなってた」
橙「桃ちゃんはどうしてたん?」
桃「俺?」
橙「せや、なにかされたりしてなかったん?」
桃「俺は……」
なにか……してたっけ……
桃「あっ……家に……居たかも」
青「家に……」
桃「父さんに出るなって言われた……気がする」
紫「気がする?」
桃「そこら辺はあまり覚えてないんだ……何されてたのかも……」
紫「じゃぁ、虐待も覚えてない?」
桃「そこは……覚えてる。父さんが酷くなっていって、母さんに暴力し始めたんだ。それが小学生1年くらいかな……?」
青「小学……1年……」
赤「…………」
桃「母さんが殴られて……それが嫌だったから俺が代わりに殴られるって言って。それから……」
紫「虐待されてたんだね」
桃「うん……」
赤「それからどうしたの?」
桃「……中学までずっとそれが続いてたよ」
橙「なっ……最近やん終わったの」
桃「……中学卒業して、父さんを置いて俺と母さんで家を出て普通に暮らすためにここに引っ越して来た」
青「そしたら……おじさんが来たんだ」
桃「うん」
紫「おじさん?」
桃「母さんのお父さん……俺のおじいちゃんだよ」
赤「…………」
桃「母さんは、おじさんが嫌いだった。だから反発してもう関わらないでって言ってたけど、無理やりストロベックス学園に俺を入学させて…満足して帰って、今はまだ関わってない」
赤「そうだったんだ……」
桃「そこからかな……そこからじゃないか……ずっと前から……普通に暮らしなさい。普通にしてなさい。普通になりなさいって……母さんがずっと俺に言ってんだ」
橙「だから、あんなに普通にこだわってたんか……」
紫「……ごめんね」