ーーー紫の日ーーー
紫「桃ちゃん!行こっか」
桃「…どこに?」
紫「着くまで秘密!」
桃「……?」
紫「着いてきて!」
紫「ここだよ!」
桃「…………?」
紫「プラネタリウムって言うんだ」
桃「ぷらねたりーむ?」
紫「そ!ここはね、東京だとあんまり星が見えないけど、これなら星が沢山見えるんだよ」
桃「……星」
紫「夜になると出てくるんだけど見たことある?」
桃「うん、部屋の窓からたまに見える、でも2~3個しか見えない」
紫「それがここで満天の星が見れるんだよ!どんな星なのか説明してくれるし、俺は楽しいって思うところなんだ」
桃「へぇ〜楽しそう!」
紫「でも中が球体になってるお部屋だから酔っちゃう時あるから気をつけてね」
桃「よう?」
紫「体調悪くなっちゃうの、だからその時は言ってね」
桃「うん、わかった」
紫「じゃー、行こっか」
ーーープラネタリウム内ーーー
桃「本当に丸だ」
紫「俺らの席はこっちだね」
桃「いっぱい椅子ある……こんなに人来るの?」
紫「んー、普段は来ないけどイベントとかあるといっぱい来るんじゃないかな?」
桃「イベント?」
紫「ナレーションが超有名声優さんだったりアニメとコラボったり、色々あるよ」
桃「そうなんだ、すごいね」
紫「また、イベントある時に来ようか、普通のと違いがあってまた楽しいから」
桃「うん、行きたい」
アナウンス「そろそろ満天の星空が見られます。良いお時間をお過ごしくださいませ」
アナウンス「これにて上映を終了致します。この度は誠にありがとうございます。またのお越しをお待ちしております。」
桃「すごい綺麗だった!あんなに星ってあったんだな!」
紫「ここでは見えないけど、北海道とか街の光があまりない所とかだとあんな感じに見えるんだよ」
桃「へぇ、生で見てみたいなぁ」
紫「そうだねぇ、みんなで旅行とか行った時に行ってみようか」
桃「旅行っ!」
紫「行ったことない?」
桃「うん、修学旅行とか行く暇あったら勉強しなさいだったから行ったことなくて……」
紫「そっか……冬休みにでも行こっか」
桃「星の勉強しとこ」
紫「ほどほどにね!」
桃「うん」
紫「じゃぁ、ご飯行こっか」
桃「何食べるの?」
紫「今日は……じゃーん!カフェです!」
桃「カフェ?」
紫「コーヒーとか美味しんだけどね、たまにカフェのこれが美味しいっ!ってカフェがあるんだよね」
桃「ここは?」
紫「ここはねぇ……たまごサンドが美味しいんだって!」
桃「たまごさんど!」
紫「行こっか」
ーーーカフェーーー
紫「これがたまごサンドです!」
桃「!!」ふわふわしててトロトロしてる!しかも分厚い!」
紫「これ食べてみたかったんだー!」
桃「紫くんも…初めて?」
紫「うん!」
桃「紫くんも初めてあるんだ」
紫「2人一緒に初めてのものを食べる!最高じゃない!?」
桃「クスッ、最高」
紫「でしょ?いただきます!」
桃「いただきます」
紫くん、テンション上がってるw
紫「ん〜!!うまーい!トロトロでプルプルしてて少し甘くて」
桃「ん!美味しい」
紫「パンも美味しいね、かりふわだ」
桃「ソース?も美味しい」
紫「オーロラソースだって」
桃「オーロラ……綺麗なヤツ?」
紫「ううん、ケチャップとマヨネーズを混ぜたやつをオーロラソースっていうの」
桃「へぇ……美味しい」
紫「はぁ、美味しかった!」
桃「!!はや」
紫「桃くんはゆっくりでいいからね、俺食べるの早いんだよね」
桃「確かに…よく噛んでるの?」
紫「噛んでるよ?まぁ、橙くんにはかなわないけどね」
桃「……橙は口でかいから」
紫「ふっw確かに、最初それで怖がってたもんね」
桃「こ、怖がってないし」
紫「えぇ?そうかなぁ?」
桃「……むぅ」
でも正直、怖かった……自分も食べられるんじゃないかって思ってしまった……
紫「クスッ……可愛い」
桃「なっ……/////」
紫「顔真っ赤だよ?大丈夫?」
桃「な、なんでもないし……モグモグ」
紫「そっか」
桃「ごちそうさまでした、美味しかった」
紫「良かった、桃くん前より美味しそうに食べるようになったね」
桃「……前は…食に興味なかったし……でも今はすごいあるよ。まだ知らない食べものが沢山あるんだって思うと、食べたいなって思う」
紫「そっか」
桃「食だけじゃないよ、感情も色々分かってきたし、遊びも、他のことも沢山初めてがあって、最初は追いついて行けなくて不安だったけど皆がいたから……こんなに生きるのが楽しいんだって思えた」
紫「!!」
桃「今は……生きてて楽しい!すごく楽しい」
紫「それ、みんなにも言ってあげてね。すごく喜ぶと思うよ」
桃「うん」
紫「そろそろ帰ろっか」
桃「うん、今日はありがとう、紫くん」
紫「こちらこそありがとう、桃ちゃん」
桃「楽しかった」
紫くんはすごく余裕がある人だな……でも俺の気持ちをまっすぐ受け止めてくれるから俺も話しやすいし、つい自分の気持ちを話してしまう。自分の気持ちを伝えるのがあんなに難しかったのに……紫くんすごいんだな
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