この作品はいかがでしたか?
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🖤サイド
目黒蓮。
高校一年生。
🖤「…もう、朝か。」
朝起きて、学校に行く準備をする。
いつもと変わらない朝。
朝ごはんを食べていると、いつものようにインターホンが鳴る。
ピンポーン
🤍『めめ〜‼︎迎えにきたよ!』
🖤「はーい。今行く!」
いつものようにラウと学校に行く。
🤍「おはよう!」
🖤「ん、おはよう。」
友達もいる、学校が嫌なわけじゃない。今の生活に不満もない。
でも、なぜかいつも心にぽっかり穴が空いたような感覚。
頑張りたいことも特に無い。
やりたいこと、なりたいものも特に無い。
朝起きて、学校に行って。
いつもいつも、同じことの繰り返し。
『なんとなく』の日常。
真っ暗な森を歩きつづけているような感じ。
ドンッ
そんなこと考えてたら、人とぶつかってしまった。
🖤「ごめんなさい。」
💚「だいじょうぶです。僕もぼーっとしてたので。ニコ」
その人はそう言って校舎の方に走っていった。
🖤「…っ。」
どうしても、その笑顔が忘れられなかった。
完全に一目惚れだった。
君に出会った瞬間。
真っ暗な森に光が差した気がした。
💚サイド
阿部亮平。
高校一年生。
💚「…はぁ。」
朝が来てしまった。
また、1日が始まる。
💚「おはよう。ニコ」
💚母「おはよう、亮平。」
何度、朝が来ないよう願ったことか。
でも僕にそんな勇気はなくて。
💚母「もうすぐ、テストだよね。今回も期待してるね。」
💚「うん。がんばるね。じゃあ、いってきます。」
『期待してる』
それって、裏を返せば、
『失敗しないでね』
て言ってるようなもの。
僕は親にとって理想の子でないといけない。
そんな気持ちがいつも心の中にあって、
自分の親にも本音が言えなくて。
やりたいこと、なりたいものなんてわからない。
全部、親に決められて生きてきたようなもの。
朝起きて、学校に行く、勉強する。
同じことの繰り返し。
明けない夜はない。
そんな言葉は嘘だと思う。
僕の心はずっと夜。
朝なんて来ない。
朝日なんて登らない。
おそらく、この先もずっと。
ドンッ
そんなこと考えてたら、人とぶつかってしまった。
🖤「ごめんなさい。」
背の高い人だな。
💚「だいじょうぶです。僕もぼーっとしてたので。ニコ」
そう言って、僕は校舎の方に走っていった。
いつもいつも作り笑顔。
本当の自分なんてわからない。
この先も親が引いたレールを歩いていくんだろう。
でも、あの人に出会ったとき、
根拠も証拠もないけれど、
何かが変わる気がした。
確実に。
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