テラーノベル
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助手席の背もたれを倒し、仰向けに沈み込んだ元貴の呼吸は、すでに限界を超えていた。
顔に押し当てたタオルは、藤澤の汗と制汗剤の香りをそのまま留めていて、鼻腔をくすぐるたびに全身が熱くなる。
「……涼ちゃん……はぁっ……っ」
無意識に腰が動く。
露わにした下半身を、藤澤が座っていたばかりの助手席のシートに擦り付ける。
革がきしむ音がいやらしく響き、背徳感で頭が痺れる。
「んっ……あぁ……ダメ……気持ちいい……っ」
擦り付ける動きは、もう止められなかった。
顔に押し当てたタオルから、藤澤の汗と制汗剤の香りが溢れ出し、頭の中を真っ白にしていく。
「はぁっ……っ、涼ちゃん……んっ……」
腰を押し付けるたびに、藤澤がそこにいるような錯覚。
タオルをさらに強く抱きしめ、鼻に押し付ける。
頭の中では、笑顔の藤澤、鍵盤に向かう藤澤、汗で濡れた首筋を拭う藤澤が次々浮かぶ。
『……元貴、見てよ。俺のこと……もっと感じて?』
幻聴のように聞こえた声に、全身が震える。
腰の動きは止められない。
「んっ……あっ……はぁ、ぁぁ……っ」
「涼ちゃんと…一緒に……っ、感じたい……あぁっ……!」
「もっと……強く……俺を、見てて……っ」
吐息と声が車内にこだまし、ガラスはどんどん白く曇っていく。
シートに擦り付ける感覚と、藤澤の残り香に包まれる妄想が重なり、理性は溶けて消えていく。
「涼ちゃん……俺……もう……イきそ……っ!」
言葉と同時に、シートへ押し付ける動きがどんどん乱暴になっていく。
『……もうイっちゃうの?じゃあ、 舐めてあげる。こっち、来て……?』
「っ……あぁ……涼ちゃん……舐めて……俺の……舐めてほしい……っ」
妄想の声に答えるように、背中が震えた。
視界の端に広がるのは赤く滲んだ幻想。
元貴が跨り、藤澤が下腹部へ顔を埋める。
『……ほら、もっと腰動かしてよ。俺が吸ってあげるから』
「んっ……あぁぁ……ダメ……そんなに吸ったら……俺、もう……おかしくなる……っ」
シートの革に擦り付ける感覚は現実のはずなのに、脳内では藤澤の舌に蹂躙されている錯覚しかなかった。
汗が首筋を伝い、車内の湿度をさらに上げていく。
『……ほら、出しちゃえよ。俺の口に出してよ』
「ぅあっ……あぁぁっ……涼ちゃんっ……出す、出す……もう無理っ……!」
背筋が震え、全身が硬直する。
次の瞬間、強烈な絶頂が走り抜け、シートに押し付けられた下腹部から熱が弾け飛んだ。
白濁がシートに散り、タオルに顔を押し付けたまま、肩で息をする。
息の合間に、まだ消えない妄想の声が耳を撫でた。
『……ねぇ元貴。もっと壊れるまで、俺に委ねて?』
「……はぁ、はぁっ……うん……っ、俺……もっと……犯されたい……っ」
罪悪感と快楽の余韻がないまぜになり、元貴はタオルを抱きしめながら震えていた。
END
コメント
4件
涼ちゃんと一緒にいるみたいだった!!今回のお話はみんなの個性が出ててすごく良かったよ〜(*ˊᗜˋ*)
ほんっとに最高です🥹🥹