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桃赤
『夕焼け空と、その言葉の意味は』
※stxxx nmmn
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少し日が落ちていっている時間。
まだ明るくて、眩しい橙色の日差し。
俺の通っている学校は珍しく屋上が開放されているが、
季節によっては誰もいなくなるくらい不人気だ。
その屋上は飛び降りられないようにしっかりとフェンスがしてある。
ぶわっと風が吹く。
心地よい暖かさに、乱れる髪。
それらすべてが俺の心を軽くしてくれる。
そして心を空っぽにして、ただただ景色を眺める。
そしていつも遅れて扉がぎいっと鳴る。
桃『わり、ちょっと遅くなった、笑』
赤『いつもとそんな変わんないでしょ、』
桃『冷たいなぁ~』
そう言いながら俺の隣へ来る。
俺とは違って友達もたくさんいて、充実してそうなこいつはなんで屋上なんかに来るのか。
赤『ねぇ、なんで屋上に来るの?』
桃『え~…なんでもい~じゃんかぁ~』
赤『気になるの、』
桃『ん~…この景色が好き、かな。』
赤『…かっこつけないでよ』
桃『ちげぇし!笑』
赤『…、笑』
いつもちょっとしたことだけど、こうやって笑い合うのが幸せだと思えるようになった。
それも全部、桃くんのおかげ。
桃『そういう赤はなんでなの?』
赤『え~…ん~、』
桃『もしかしてない?笑』
赤『ないわけじゃないんだけど…』
赤『心が軽くなる…かな、』
桃『へ~…たしかに?』
赤『あとは…』
先程よりも橙色に染まった世界。
ちらっと隣を見れば桃くんがいる。
そう、
赤『…、この景色が好き、かな』
桃『…俺も。』
さっきとは違う、
この言葉の意味が同じだったらいいな。