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ハァハァ、ハァ
あの男から逃げ、
ようやく教室に着く。
ドアを引いて
おはようごさいまーす、と
軽めに挨拶する。
ドア付近にいたクラスメイトが
挨拶を返してくれる。
友達がいない私にとっちゃぁ、
嬉しいことである。
その事でクラスで浮いている
わけでもないので、
平凡でのんびりした学校生活、
送ってます。
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授業がおわり、昼休みに入った。
中庭でも食べようかと、
お弁当をもって教室を出る。
廊下にでると隣の教室から
でてきた人と目があった。
あ?朝の失礼な男!
同級生だったのかよっ!
まぁもう逃げる必要ないしね、
スルーで…
「おー、朝ぶりだな、
丁度いい、一緒に食べよーぜ」
やっぱ逃げなきゃ!
危機を察知した私は走り出す。
何回目だろうか…
と、振り向いたら
あの男がすぐそこに迫っている。
「待て待てー」
「ひぃー!」
私は同級生たちの視線を
浴びながら逃げる。
階段を上り、下り、
とある廊下にでて
すぐそばにあった部屋にはいった。
ドアにもたれかかり息を殺す。
彼は私を見失ったため、
どっかに行ったようだ。
「ぷはぁ」
私は息を吐き出した。
安心して息を整えていると
誰かに声をかけられた。
「君、新入生だよね?」
「え?」
振り向くと、驚くほど
綺麗な美青年が立っていた。
彼は私を見て目を見開き、
「ここは生徒会室だよ?」
と告げた。
「えっ( ᐛ )」
彼は苦笑しながら
誰かに追われてたみたいだけど…
と、続ける。
「あはい、その通りです…」
「今日は会議が
なかったからよかったけど…
会議中だったら
大変なことになってたかもね」
ごめんなさい…
気をつけます…と謝った。
しかし、私の思考は
全く別のところへ寄っていた。
この人、きっと会長よね…
家柄が良くて頭脳明晰、
おまけに容姿も◯…正に生徒のお手本。
その会長が、あの…
白くまさんの声に似てるなんて…
そりゃないよね、
うん家柄がいいってことは
バイトとかする必要ないし…
「そうだ、僕、君と
会ったことあると思うんだ。
君は僕と会ったことあるかな?」
まさかとは思うが…
「あー…失礼ながら会長は…
バイトをしてらっしゃいますか?」
「…え?」
「あの、以前…
お店の宣伝中の白くまさんに
助けていただいたんです。
その…大変言いづらいのですが…
会長と白くまさんの声が重なって…」
沈黙が訪れる。
会長の前髪の影で表情は見えない。
怖い怖いって。
するとガバッと私の両肩を掴み
「絶対誰にも言うなよっ‼︎」
さっきの優しい声とは
打って変わって声を荒げて言った。
ひぃぃぃ!怖い怖い!
言わないほうがよかったよぉ!
私は声にならない悲鳴をあげた。