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あの男の前から逃げるように去り、

ようやく教室に着く。


ドアを引いて おはようー、と

ドア付近にいたクラスメイトに

軽く声をかけ、席に着いた。


うぅ、朝なのにもう疲れた…


机に突っ伏して間も無く先生が入ってきて

点呼の時間になったので、重い頭を上げ、

私の1日が始まった。

____________________


キーンコーンカーンコーン


授業がおわり、昼休みに入った。


友達が委員会で今日は1人なので

中庭ででも食べようかと、

お弁当をもって教室を出る。


廊下にでると隣の教室から同時に でてきた生徒と目があった。


昨日の男だ!

隣のクラスの同級生だったの!?


まぁもう逃げる必要ないか、

根に持たれていた 感じはしなかったし…


ふっと目を逸らし、中庭に向かおうとすると


「おー、朝ぶりだな、

丁度いい、一緒に食べよーぜ」


なんでそうなる!?

やっぱ逃げよう!


危機を察知した私は足早にこの場を去ろうとする。


が、 振り向いたら

あの男がすぐそこに迫っている。


「待て待てー」


「ひぃー!」


私は同級生たちの視線を 浴びながら逃げて、

階段を上ったり下ったりして彼を撒いた。

何階かもわからない廊下にでて、 すぐそばにあった無人の教室にはいった。


ドアにもたれかかり息を吐いた。


「ぷはぁ」


安心して、息を整えていると

誰かに声をかけられた。


「君、新入生だよね?」


「え?」


振り向くと、驚くほど

綺麗な美青年が立っていた。

彼は私を見て目を見開き、


「ここは生徒会室だよ?」


と告げた。


「えっ」


彼は苦笑しながら

誰かに追われてたみたいだけど…

と、続ける。


「その通りです…」


「今日は会議が なかったからよかったけど…

会議中だったら 大変なことになってたかもね」


「すみません…気をつけます…」


そう私は謝って、目の前の人を観察する。


この人、生徒会長だ…

家柄が良くて頭脳明晰、性格も良く、

おまけにイケメン。


その会長が、

昨日の白くまさんの声に似てるなんて…


そりゃないよね、

うん家柄がいいってことは

バイトとかする必要ないし…


「そうだ、僕、君と

会ったことあると思うんだ。

君は僕と会ったことあるかな?」


まさかとは思うが…


「…会長は、 バイトをされていますか?」


「…え?」


「昨日、 お店の宣伝中の方とぶつかってしまって… その方と 会長の声が似ていて…」


沈黙が訪れる。

会長の表情は前髪の影で見えない。


なんともいえない空気が居心地を悪くする。


すると突然会長はガバッと私の両肩を掴み


「絶対誰にも言うなよっ!」


さっきの優しい声とは

打って変わって声を荒げて言った。


ひぃぃぃ!

言わないほうがよかったぁ!


私は声にならない悲鳴をあげた。

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