これは遥か昔の祝福と呪いが渦巻く儚き物語
その昔世界には戦争と飢えと疫病が蔓延していた。
世界は絶望で満ち、人々は日々を生きるのでやっとの生活を送っていた。
そんな世界を見た神は人々を憂いて神の祝福を人々に授けました
祝福に目覚めた人々は祝福の力で飢えを無くし、疫病を癒していきました
人々の心は豊かになり戦争も徐々に減っていき、平和な世の中が訪れたのです。
しかし、その平和は長くは続きませんでした。
ある国の王様が、祝福を受けていない人々を悪魔の分子と見なして
働けるものは奴隷に、残りのものは虐殺するように命令したのです。
その虐殺から数十年の時が経ち、とある貴族のリアーズ家に一人の子供が生まれました。
その子供はエデルと名付けられ、平和な時を過ごしていました。そして、エデルが10歳を迎える誕生日
「エデル、誕生日おめでとう!」
「今日で10歳ね!!」
「お母さんうれしくてお料理張り切っちゃった!」
両親は心底喜んでいました
「エデルはどんな能力に目覚めるだろうなあ」
世界に神の祝福がもたらされてから、生まれてくる子供には10歳になると教会で祝福が授けられる洗礼が習わしになっていました。
「僕は人が救える能力が欲しいなっ・・・」
自信無くエデルはそう呟きました。
「エデルは本当に優しい自慢の子供に育ったよ、母さん」
「ほんとうね、お父さん」
エデルは両親に愛され、幸せな誕生日を過ごしました。
そしてついに洗礼の日
「エデル、がんばれよ!」
父に背中を押されてエデルは教会に入り、洗礼を受けました。
「どうだった!?」
父は期待に満ちた顔でエデルに聞きました
「そ、それがっ、、、、」
エデルは泣きながら続けます
「洗礼は上手くいったけど、何の祝福を授かったのか神官の人たちにも分からないみたいで、、、、、、」
唖然とする父と母 エデルは両親のそんな顔を初めて見ました。
「ま、まあ、稀にだがそういう子がいると噂で聞いたこともある、元気を出しなさい!」
「そ、そうよね!さあ、帰ってご飯にしましょう!」
その日の食卓は沈黙が続いた。
次の日から、エデルにとっては地獄の日々が始まった。
洗礼を受けてから1週間以内に祝福の能力が目覚めない場合、一生目覚める事はないと言われているからであった。
それに焦った父によって、能力を引き出すための苛烈な訓練が始まったのである。
「い、痛い、痛いよお父さんっ、、、」
能力を引き出すために父親から苦痛を与えられ続けるエデル。
「なぜ!なぜおまえは能力が発現しないんだ!私だってこんな事したくてしている訳がないだろうっ・・・!」
泣きながら苦痛を与え続ける父。
「どうして、、、どうしてっ、、、、!」
どれだけ耐えても能力が発現しない自分を責めるエデル。
洗礼の日以降笑顔を見せなくなった母
「僕が能力に目覚めてさえいれば、、、皆幸せだったのかな・・・?」
エデルは溢れ出る涙を抑えていると、徐々に体の芯から熱い鼓動を感じ始めていた。
そんな拷問のような日々が続いたある日、それは起こった。
いつものように父が部屋にやってくると
「お前はどの道このまま能力に目覚めなければ奴隷となる。それならばその前に、、、美しいお前を私の物にしてやろう。」
その日の父はいつもと違い、強烈な酒の匂いを漂わせていた。
「お父さん、怖い、怖いよっ」
父はエデルにまたがり、四肢を押さえつけながら服を無理やり剥ぎ取っていく。
「お父さんやめて、やめてよっ!!!」
エデルは泣きながら抵抗するが、父の鍛えられた力に勝てるわけもなく、狂った父に犯されそうになるエデル
「うわああああああっ!」
決死の力を振り絞って抵抗し、父を蹴り飛ばしたエデル。
「お前は、、、我が家から悪魔分子を生み出したという汚名だけでは飽き足らず、この父にも反抗しようと言うのか!もう許さぬ!」
「ドスッ、、、」鈍い音が響いた。父はエデルの胸に刃物を突き立てたのだ。
「カハッ、、、、」その時、胸と口から血を流し倒れたのは、刺されたエデルではなく、刺した父の方であった。
何が起こったのか分からず困惑しパニックになるエデル。
「お父さん、起きてよお父さんっ、、、」
泣きながら父を揺らしても、父はピクリとも動かず、冷たくなっていく。
「うわああああああああああっ」
大声で泣きわめくエデル。その声を聞いて駆け付けた母も
「いやあああああ!!あなた!!あなた!!」
その空間は正に地獄絵図だった。
何が起こったのか?
そう、エデルは目覚めていたのだ。
反殺
相手の殺意に反応し、相手にそのままダメージを与える力に、、
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