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これ短編で1万5000字書いたやつです🙃
長いのでいくつかに分けて投稿しますね🤭🎀
りうらはみんなの嫌われ者だ。…嫌われているというよりかは友達が少ない。の方が正しい、のかな…?
前髪で前なんかあまり見えなくて、メガネを掛けていて、そんな地味すぎる見た目をしているりうらは当然みんなからも話しかけてくれないしりうらも話しかけられない。だからりうらには友達は少ないしいないも同然な状態。
そんなりうらにも声をかけてくれる変人が2人だけ居て、その2人とはずっと友達でいる。
「りうちゃーーん!!なにしてんの?またゲーム?」
「残念でした。今日はXでした〜」
「へぇ〜…って、りうちゃんがいつもやってるゲームの運営アカウントじゃん」
「そうそう、新キャラ情報を抑えておきたくて」
このうるさいのがいむってやつ。りうらのお友達第2号。第1号は初兎ちゃんって子で、その子はりうらの幼馴染。ちっちゃい頃からずっと今でも仲良くしてくれてる子で、こいつ、いむは高校生になってから仲良くし始めた友達。暗くて芋男子のりうらに話しかけてくれるThe変人ってやつ。(実際変なやつだし)
「いむくんも始めてみればりうちゃんの気持ちもわかるんやない?」
「えーー?僕、掛け持ちあんま得意じゃないんだよね〜」
他愛もない会話が続きそうだったから、いじっていたスマホを閉じてポケットの中にしまう。そのままいむしょーの方を見て適当に相槌を打つ。
「あ、りうちゃん、いむくん。今度うち来ない?」
「初兎ちゃん家…久しぶりだなぁ、行きたい」
「しょーちゃんのお兄さん、久しぶりに会いたい!!」
初兎ちゃんにはお兄さんがいる。りうらたちが今高3で初兎ちゃんのお兄さんが大2とか3とか言ってたっけな。めちゃくちゃ高学歴なお兄さんだから初兎ちゃんみたいなバカと兄弟とは思えないくらい。…ビジュの良さは兄弟だなとは思う。
「んじゃ、決まりな〜。うちの兄ちゃんもりうちゃんに会いたがっとったで」
「げ。りうらじゃなくて懐いているいむの方に懐けばいいのに…」
「僕にもやさしーよ? たまにお菓子かってきてくれるの優しいしやっぱり好きなんだよねー!」
「僕のお兄ちゃんとは大違い!」と唇を尖らせて息をするかのように自分の兄の文句を言っていた。…いむにもお兄さんいるんだよね。りうらは一人っ子だからお兄ちゃんがいる2人がなんだか羨ましい。りうらの両親どっちも忙しいから常に一人ぼっち。学校でも家でも一人ぼっち。だから、いくら大変なことがあったとしても人のいる騒がしい家、って考えるだけで羨ましくなっちゃう。
適当に。適当に過ごしていたらあっという間に約束の日になって。気がつけば初兎ちゃん家に上がってた。
「りうら久しぶりだなぁ…ほっぺむにむにしててかわいー」
しつこい。しつこすぎる…。この今ほっぺむにむにしてくるうざったいやつが初兎ちゃんのお兄さんのないこさん。この人もりうらがちっちゃい頃からずっと一緒だからないくんって呼んでる。りうらが親しげに話せる貴重な人の1人でもあるかな。あとはいむの兄ちゃんといむの兄ちゃんの恋人さんだけ。
「…ないくん、そろそろ離れて。くっつかないで、夏だよ?暑いに決まってんだからどいて。」
「えー、せっかく久しぶりに会えたんだからいいじゃん」
「まぁまぁ、兄ちゃん。そこら辺にしときぃ」
笑って止めに入った初兎ちゃんのお陰でようやくないくんが離れる。あー重かった。全く、いくらほっそりとしたないくんでさえ成人済み男性なんだから多少なりとも重いよ。そこらの女性よりかは軽くても!!重いもんは重い!!そこら辺は漫画の世界じゃないんだから、軽いなーとはならないね。
「しょーちゃん〜、カルピス無いから一緒に買いに行こ〜」
「え、嫌だわ、1人で買いに行きぃや」
「1人やだね!!ないちゃんだってりうちゃんと2人きりのほうがいいでしょ!!」
ないくんがりうらと2人きりで居たかったとしてもりうらはないくんと2人きりになりたくないんだってば。初兎ちゃんがいるだけで心強いのに、なんで2人きりにさせようとするの?いむはバカなの??
「うん、そうしなよ!!行ってらっしゃい!!」
「ほら!ないちゃんもそう言ってるし!ね!?行こ!!?」
そう言ってため息を付いた初兎ちゃんは渋々いむについて行った。…いやいや、りうらの意見は?そもそもりうらは何も言ってないからそりゃあ意見がどうのこうの無いわけですけど、いや。このド変態と2人きりは危ない。ずっとくっつかれるんじゃないの?暑いからやめてくれ。本当に。
なんてぐちゃぐちゃ考えていたとき、バタン。と玄関の扉が閉じる音が響き渡る。あ、これ終わったわ。今までありがとう。父さん、母さん。
「…っと、りうらなんか飲む?」
「え?…あー、なにもいらない」
「そっか、…くっつくのとかって…」
「だめ。絶対にだめ」
強気味にそう答えると、しょぼんとした顔を浮かべるないくん。なんだ、その顔。ほっとけない顔してて、…これが所謂犬顔?めろい、って言うのかな。…いやいや、ないくんにめろいって感情が湧くとかキモすぎ。無いよ、無い無い。
「りうらはさー、アイツらとつるんでて楽しい?」
「…それはいむしょーを悪く言うつもりで…?」
「違う違う、りうらが今楽しいかどうか知りたいだけ」
ふにゃっと眉を顰めて笑うないくんに、一瞬視線が奪われる。普段スマホばかり見てるのに、話に夢中になるとスマホなんかどうでも良くなっちゃう癖、わかりやすいから直したいんだけどなぁ。
「楽しいよ、いっつも一人ぼっちだったから」
そう告げるとないくんはなにか言おうとして口をぱくぱくと動かし、声が出ないままその口は閉じてしまった。…何を言おうとしたんだろ。ないくんは。
「一人ぼっちなの?りうら可愛いのに?」
「かわいいって、別にりうら可愛いくないでしょ。」
自分でも自覚ある。芋男だもん俺。話しかけにくいオーラ漂わせてるもん。こんなんで友達できないのも同然だと思ってるし、別に友達できないから楽しくないわけじゃない。けど、ギャーギャーやってるのも楽しいってのも事実。
「この長い前髪、いつも学校でも降ろしてるの?眼鏡も、着けてるの?」
「前髪切るの面倒くさいし、目も悪いから眼鏡かけないと何も見えないの」
そう言うとないくんは少しだけ考える仕草をしてその後なにか思いついたかのようにはっと顔に出し、りうらの頬をむにーと優しく抓ってくる。
「りうら、すこーしだけ俺に委ねてくんね?」
「…は?」
そのままりうらの腕を引っ張って何処かに連れ出された。
***
腕を引かれて連れて行かれた場所は風呂場だった。鏡の前に服を着たまま座らされて、なにやらないくんは取りに行ったみたい。何を取りに行ったんだろ?
「ふぃ〜、おまたせ」
ニカッと笑ってるその手に持っていたのはハサミ…?いや、これ美容室とかでつかうやつ?梳きバサミみたいなのもある、てかなんかポーチをかけてる…?
「え、…今からりうら髪切られるの?」
「りうら、元の顔かっこいいんだからそのかっこよさを出してあげよーかなーって思って!」
「俺、美容系の大学通ってるから一応その辺の知識はあるんだよ〜」
そう言いながらサッサッとりうらの髪を梳かしていく。ごちゃごちゃに絡まったりうらの髪を引っかかっても痛くならないように優しくオイルを馴染ませてまたサッサッと髪を梳かす。その優しい手つきに少しだけうっとりと眠くなり、ぼーっとしている時間ができたけれどそんな様子に気がついたないくんは毎回お喋りを止めて髪をケアするのに専念してた。
やがて、髪がある程度サラサラになったら梳きバサミを手にとって後ろの髪を梳いていく。その後にガタガタになった後ろの髪を整え、今度はりうらの前にしゃがみ込む。
「りうら、目閉じてね?目に髪の毛入ったら痛いからね〜」
そのまま、慣れた手つきでりうらの髪をどんどん切っていく。止まらない手に切り過ぎなんじゃないの?なんて思ったけれど、終わった時に目を開けたとき、すごく綺麗に切られていてさすが美容学生って感じ。
「すご、ないくんそんなに器用だったんだ」
「ふふん!俺の凄さを思い知るがいい!!」
そう言ってドヤる顔は初兎ちゃんにそっくりで兄弟だなー、と思わされた。そんなことを思った瞬間に玄関の方から声が聞こえてくる。いむしょー帰ってきたんだな。
***
「えぇぇぇぇ! りうちゃん、前髪短いの似合ってる!!」
「てか目綺麗!?!?美形過ぎてビビる〜」
出迎えてそうそう褒め尽くしのいむと初兎ちゃんの対応に満更でもないような対応をしてしまう。嬉しいけど、照れくさくてなんだか素直に受け止められない。
「兄ちゃん、普通に綺麗にカットしてくれるもんな〜。髪伸びたらうちにいつでも来ぃや?兄ちゃんがカットしてくれるで〜!」
「ちょっと!タダ働きは勘弁よ!!」
「りうちゃんには無料でカットしたのに?」
「え?あー、それは初回無料サービスということで」
さっきまで静かだった家の中が一気に騒がしくなる。いむしょーって明るい人だからこの2人が帰って来るだけでこんなにも場の雰囲気が変わるんだな、って思う。
「…あ、もうこんな時間か。りうらそろそろ帰らないとやばいかも」
「そーなの!?またね!りうちゃん!!」
「うん、またね。いむ、初兎ちゃん」
いむと初兎ちゃんがなんかくっついてたからまとめて手を降ってあげると、いむがなんか言ってたけどなんて言ってたかさっぱり。
「…ないくんも、髪ありがとね。お邪魔しました。」
そう言って初兎ちゃん家を出る。扉の方へ振り返る瞬間、ないくんの顔が少しだけ火照ってるように見えたのはきっと気のせいだろう。
続く…
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