TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「さあ、次は綺羅の番だ。」

彼はそう言うと、僕をまっすぐに見つめました。

「僕の番って、僕は君に何をすれば良いのかな。」

「逃げようとするなよ。ここに来たってことは、絶対なにかあるんだ。」

生者がここに来る条件とは、肉体が生死の間にいること、そして生きづらさを抱えていることなのだそうです。

だけど僕は、それが自分に当てはまるとは思えませんでした。

「生きづらさって、君は何を言っているのかな。僕には人よりものを感じないって話、前にしたよね。」

「聞いた。脳の疾患か何かだろう。」

「まあそんなところだよ。分かっているなら、何でそんなことを聞くんだい。」

感情のない僕が、生きづらさを抱えることなんて在るわけがないと思うわけです。

それなのに、彼はずっと真面目な目をしていました。

その眼光の鋭さにどうにも居心地が悪くなり外を見ますと、こんな時に限って木々に隠れて星が見えませんでした。


暫くの沈黙を破ったのも、やはり彼でした。

「じゃあ分かった。言い方を変えるよ。」

彼は席を移って僕と向き合う形になると、人差し指をぴんと立てて話し出しました。

「俺は綺羅と出会ってすぐ死んだ。だから、もっと綺羅の話を聞きたいんだ。」

「僕と話すのはつまらないって皆言うよ。」

「馬鹿。面白さなんて陳腐な基準じゃない。俺はお前と腹を割って話がしたいだけなんだ。」

こんな言葉を、何処かで聞いたことが在る気がしました。

『俺は綺羅の思いを聞きたいんだ。俺から、親友から逃げないでくれ。』

(そうだ、これは優希の言葉だ。)

僕は全てを思い出しました。

その途端、全てを君に話したい衝動に駆られました。

「いや。今からする話は、僕が君にしたいから話すことだ。まずは……何故僕が感情を亡くしてしまったか、だね。」

僕は君の顔をまっすぐ見つめました。

「僕の人生、乗りますか。」

君は強く頷きました。

相乗り夜汽車は何処へ行く

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

3

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚