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青空が広がる海岸線を、僕たちの車は滑るように走っていく。助手席の窓を開けて、
「海風が気持ちいい!
とはしゃぐ駿斗の横顔を、僕は赤信号のたびにじっと見つめていた。
「どうしたの、空大? 俺の顔に何かついてる?」
「ううん。駿斗が楽しそうで良かったなと思って。会社で他の人に、こんな無防備な顔見せてないよね?」
少しだけ意地悪に、けれど本音を混ぜて尋ねると、駿斗は少し耳を赤くして笑った。
「見せるわけないじゃん。外ではちゃんとシャキッとしてるよ。空大の前だから、安心して気が緩んじゃうんだ。……それにね、会社の人に遊びに誘われても、週末は空大と先約があるからって、いつも全部断ってるんだよ。俺にとっての一番の特等席は、ここだからね」
駿斗はそう言って、シフトレバーの横に置いた自分の手を、僕の手の上にそっと重ねた。その薬指には、僕とお揃いのシンプルなリングが光っている。怖がらせたいわけじゃない。ただ、僕の目の届く場所で、僕が作った世界の中で、誰よりも駿斗を特別に扱って、幸せにしてあげたいだけだ。駿斗もそれを深く理解しているからこそ、僕たちの特別な時間を心から楽しんでくれている。海沿いのカフェに入り、テラス席で綺麗な景色を眺めながら二人で並んでパフェを食べる。
「これ美味しいよ、空大も食べて」
とスプーンを差し出してくる駿斗を見つめながら、僕の胸の中は、穏やかで深い幸福感で満たされていった。