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【👑👾👑】青年ふたり。

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【👑👾👑】青年ふたり。

3 - 生きている

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2025年12月06日

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「……ボビー?」

気づくとそこは、ボビーの家の庭ではなくなっていた。

なんだか暗くて…でも明るいような……?

不思議な場所だ。

耳を澄ませてみると、ボビーの泣き声が聞こえてくる。

俺の名前を呼んで、泣いている声がする。

「ボビー?ボビー!!」

俺がどれだけ名前を呼んでも、返事は来なかった。

ただボビーは俺の名を呼びながら泣き叫んでいるだけ。

「ボビー!!俺、俺大丈夫だから!!全然なんともねぇし!ほら、こんな元気!!」

ぴょんぴょんと跳ねて見せたり、走り回ってみても、ボビーには当然見えていなくて。

「どうしよ……」

姿が見えない、声も届かない、どこにいるのかも分からない友人を、どう助けてやればいいのか分からなかった。

「ぼびぃ……………」

終いにはボビーの泣き叫ぶ声と、何も出来ない無力感で自分まで涙を零してしまった。

「だれか…ボビーんとこ、行ったげて……だれでもいいから……」

弱音を吐いて、目を泣き腫らして。

普段なら絶対に言わないことを、沢山口走った。

「俺、なんもやってやれなかったぁ……大丈夫って言いながら、結局ダメだったし…」

「ボビーに、嘘ついちゃったぁ…………」

しばらく泣いたあと、体操座りで蹲る。

今だボビーのすすり泣く声は続いている。

頭に軽い衝撃が走る。

誰かの手で叩かれたみたいな、そんな感覚。

「っ誰……………」

真っ赤な目と鼻から色々垂れ流しているという、酷い顔を上げた。

「”誰か”じゃない、お前が行くんだ。」

「お前が”ボビー”を助けるんだ。」

そこに居たのは、俺に説教を垂れていたのは、俺と同い年くらいの青年だった。

白髪で、頭に輪っかがついてて、背中には白い羽根が生えていた。

顔は、俺の顔を鏡写しにしたみたいだった。

「………かみさま?」

頭の中で自然とそう結論着いた。

「かみさま…神…いいねそれ、そう、僕は神様。」

「お前の中に存在してる、神様だよ。」

ニヤリと笑うと、俺のおでこにデコピンをしてきた。

「…あのさ、神様は俺がボビーのとこに行く方法、知ってんの?」

「あぁ。」

半信半疑で尋ねると、存外軽く返事をした。

「じゃあ…!」

「…1つ、条件がある。」

「何?」

「たまに、人間のものを、ここに持ってきて欲しい……」

照れくさそうに、目を逸らしてそう言うものだから、拍子抜けした。

神様だから、もっと臓物とか生贄とか言ってくるかと思ったのに。

「なんだよそんなことか!もちろん!」

「…!じゃあ、手を出せ。」

「ん!」

手を差し伸べると、神様が嬉しそうにそっと手に触れたあと、当たりが煌めき出した。


…光に包まれて少し目を瞑っていただけなのに、何となく寝ぼけているような感覚だ。

周りを見渡すと、隣でボビーが眠っていた。

俺と同じく、目を真っ赤に腫らして。

かなり時間が経ったようで、空は夕焼けに染まっていた。

「…ボビー?起きて、」

軽く肩を揺さぶってやると、ボビーはゆっくりと目を開けた。

「…にき?」

「うん、おはよ、ボビー。」

ボビーはめをまんまるにして俺の顔を見つめた。

「なんで、おま、死んで…」

ふるふると震える人差し指を、俺に向ける。

「死なないって言ったじゃん。」

笑ってそう言ってやった。

なのに…

「夢?ゆめか、こんな都合いい話あるわけ――」

こいつはまだ寝ぼけているようだ。

「ボビー!!」

俺は思いっきり、やっと触れられるようになったボビーの頬を両手で叩いた。

「まだ寝ぼけてんの!?生きてる!俺!!ニキ!!!!」

「ぁえ、ほんま、ほんまに?」

ボビーのもう既に酷く腫れている目から、じわじわと涙が溢れてくる。

「にき、ニキ、にき…ニキ………」

何度も、確かめるように俺の名を呼ぶボビーが、狂おしいほど愛おしくて

「ボビー、ぼびー…」

俺もボビーの存在を確かめるように、名前を呼び返した。

お互いの手を、お互いの頬に添えて。

おでこも、身体も全部くっつけて。

お互いがここに存在していると、生きていると確かめるように、ずっとずっと名前を呼びあった。

【👑👾👑】青年ふたり。

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