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⚠ 主の妄想

⚠ 桃黄要素有

⚠ 青黄



黄さんが青さんの後輩に

嫉妬してしまうお話です。

同じ妄想を楽しめる方のみ、

よろしくお願いします。
























「はぁ…」


思わず溜息をついてしまう。





楽屋のソファーでスマホをいじっていたら とある後輩の歌がおすすめに流れてきたので MVを見ていたら 僕の見慣れた青髪の人が居て。何だか苦しくなる。

いいなぁ、僕だってころちゃんと昔はそんな関係だったのに。



昔に比べて 今のころちゃんはだいぶ丸くなったし大人びてるなって思うし 優しくなった。

昔も優しかったけどね。



僕はころちゃんとそんな関係をずっと築いてる後輩に嫉妬してしまうし 後輩は本当にいい子だから好かれるのに納得する。今の僕なん か ころちゃんは好きじゃないよね。



ころちゃんはきっと 昔の僕が────









「っ、いてっ」


僕のスマホを触っていた指にデコピンが飛んできた。どこにデコピンしてるの。


誰だろう、と横を見たら



「よ、るぅと」



「!さとみくん」

さとみくんだった。

そうだ、ここは楽屋だったなぁと思う。


「なーんか、落ち込んでんね」

さとみくんは勘がいい。スマホをただ見つめてただけなのにわかってしまうから。


ここは さとみくんに甘えるべきか。でも ここで僕が甘えたとて、そんな事で悩んでいるのかと笑われる気がする。それはヤダ。



「…ぁ」


なんて言おうかと黙っていたらさとみくんが僕のスマホを取り上げた。









「… あーね」

僕が見ていたMVを見て さとみくんは分かったように頷いて スマホの電源を落とした。



「るぅとは嫉妬したんだ?」


少しからかわれるような笑みで言われて いつの間にか僕の視界はぼやけて 頬に少しの涙が伝った。


さとみくんは目を丸めて「ごめんな」と驚きながらも あやす様な口調で言って、ハンカチで涙を拭き取ってくれた。




「…るぅと、ちょっと外行こうぜ」

さとみくんは立ち上がり、ソファーに座っている僕に手を差し伸べた。


なんだか王子様みたいで ふふっと笑って僕はさとみくんの手に手を重ねて立ち上がった。



外に行く途中 「るぅとは笑顔が似合うな」と言われて 頬を赤めたのはないしょ。


 




「…さとみくん、動画の撮影どうするの?」

そう、実はみんなでもうすぐ動画の撮影をするのに外に出て間に合うのだろうか。


「俺とるぅと、コンビニ行くから遅れるってなーくんにLINEしといたから大丈夫っしょ」

心配そうな僕に ふっと笑い画面を見せてくれた。本当にさとみくんってお兄ちゃんみたい。









さとみくんに連れてこられたのは公園で 僕らは近くにあったベンチに座った。


「…んで、話に戻るけど」





「るぅとは、どうしたい?」


「…え?」

質問の意図が分からなくて首を傾げる。



「このまま 嫉妬してツライままは嫌だろ?じゃあさ、ころん本人に言ってこい。」


「…え、え?!むり!むりです!」

ころちゃん本人に言ったって 恥ずかしいだけだし ウザがられるかもしれないし 嫉妬とか気持ち悪いって突き放されるかもしれない。



「じゃあずっとこのままでいいの?」


さとみくんが優しい口調で僕に問いかける。

ああ、そんな 絶対大丈夫 みたいな目で見られたら。僕は。





「…いい、ます。ころちゃん、に。」



そう言い切るとさとみくんは「がんばれよ」と言って 僕の頭を撫でてくれた。


そんなお兄ちゃんみたいな、安心させてくれるようなさとみくんが好きで「さとみくんすきぃ」と零せば おでこにデコピンをされた。


「馬鹿、そう言うことはころんに言え」

「…むり  恥ずかしい。」


楽屋に帰りながら「なんでころんに冷たくなんの?」と聞かれたので「何故かころちゃんには冷たくしちゃう」と恥ずかしながらも返したら 「なんで?」とか「好きなん?」とかからかわれて 顔を真っ赤にしながら戻った。













楽屋の前に戻ってきて ふぅ、と一息着いたら


「良かった、るぅとの赤い目が治って」

とはにかんで言われたので さとみくん推しの僕にはもうキャパオーバー。イケメン。そんなことを思いながら 楽屋のドアを開けた。



「あ!遅いでさとみるぅと!」

ジェルくんが僕らが入ってきたことに一番に気づいた。


「わりぃわりぃ、ころん居る?」


さとみくんがそう言ってくれて ころちゃんが「なに」と少し不機嫌そうに言って来た。


ここは僕が言わないと、言わないと。





「…あの、話したいことが、あって」


そう言って僕はころちゃんと廊下に出た。ジェルくんが「告白かぁ?」と言っていたのは聞かなかったことにする。







廊下に出て 誰もいないことを確認して ころちゃんの目を見た。

喋らないと。そう思っているのに 謎に緊張して黙ってしまった僕に「どしたの」と優しく聞いてくれるころちゃん。ああ、僕が大好きなその声色と表情。



「…あの、ころちゃんの弟子が MVを投稿してたじゃないですか」

「うん、してたね」

「…そ それに、ころちゃんが居たじゃないですか」

「うん」


「あの…だから…えっ、と」




「…もしかしてさぁ」
















“嫉妬した?”


僕より少し背の低いころちゃんが 僕の顔を覗き込んで にやっとした表情でそう言ってくるものだから 意識しちゃって。



「…そうですよ!…し、嫉妬しましたっ!!!めんどくさいですよね!!!ごめんなさ…」



勢いに任せてそう言ったら 突然ふわっところちゃんに正面から抱きつかれた。


「ころちゃ…??」

「っはぁ、もう 心配したんだからな。」


ころちゃんは意識してるか知らないけれど かっこいい声で言われて 普段のころちゃんのガサガサ声を思い出して ドキドキする。




って、

「心配したって、なんですか…?」



「…さとみくんから LINE来ててさ。”るぅとがころんのせいで泣いてる” って。」


「…え?!」

そんなこと言ったのさとみくん。  



「だから僕もう心配でさぁ。るぅとくんが泣くなんて滅多に無いから 気が気じゃなかったわ。」




「…でも 僕のせいで泣いた ってなんか良いよね。」


え?と心の中で呟くと ころちゃんが顔を上げて 僕の頬を手ですりすりと撫でてきた。




「僕、るぅちゃんのこと独り占めしたいな」



そう言って ころちゃんが顔を近付けてきて ギュッと目を瞑った。



あと少しで触れてしまう───────







「…ごふっっ!!!!!」



え?なんの声?と目を開ければ さとみくんに蹴られて倒れたころちゃんが居た。


「るぅと、危機感を持とうな」


そう笑われて恥ずかしくなってキャパオーバーな僕も床に倒れて 「似た者同士だな」なんて笑われた。


僕ところちゃんの想いが通じるのは まだ早かったかもしれないです。







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