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あれから3年生活すると、彼らは忽然と姿を消した。
そしてまた3年…よく新聞で彼らの活躍を見る。楽しそうだ。
そのお陰で捕まりかけたけど、普通に無罪になった。そんなにチョロかったんかい私の住んでる国…。普通に死刑覚悟したじゃん。
「…にしても、奴隷が一つの国を作るなんてね。誰も過去を知らないからいいけど。」
奴隷制度が廃止されているから、元奴隷な事が読めそうだけれど…。
まぁ、そんな事は傍から見れば分かるはずがない。
そう、彼らが奴隷であると知らない傍から見れば…。
「それを知る私は死んだほうが良いんじゃない?グルッペン”総統”」
革靴のいい音が私の自室に響いた
「何言ってるんだ、蝶使」
そろそろだとは思っていた。
彼らは元奴隷だと言う事実を知る人間は消されていったから。
「久しぶりに顔を見れたんだから、死に顔でも見に来たと思って。」
お兄ちゃんはまだ逃げてるらしい、どうせ逃げられない…私はなんとなーくだけど知ってる。この人ら怖い人らだって。
「もう人前で主人なんて呼ばなくて済む、いい暮らしを手に入れたんだから…。私は邪魔なんじゃない?」
「何言ってるんだ。蝶使」
困ったように笑う総統に、3年ぶりにツッコミを入れる。
「そのセリフ2回目だからな総統。」
少し、笑ってしまった。グルッペンに抱きつかれる…恐らく安心させてグサッ…だ、あぁどうやって殺されるんだろう。
「…このまま、どうするの?」
銃?物理?水?どんな方法でもいい。
でも出来れば苦しまずに…
そう考えていると予想外の方向からの提案が来た。
「ずっと、俺の手の中で閉じ込めていたい」
「はぁ…?」
手…、つまり首を締めること?
でもそういう意図とは思えない答え方だった。
「何?私が好きなの?」
「あぁ、いつもお前のことを思っていた。」
思考が停止する、まずそうだとして3年も姿を消したから因縁はあっても真心は無いだろ…?
こんなの冗談に決まっている。
「…ちょっと待って?冗談でしょ?」
「蝶使。」
上から声がした、顔をあげると顔をみっともなく赤らめた新聞の主役がそこにいた。
「俺たちの国で、プリンセスとして君を迎えたい。」
「…oh」
拝啓、天国の親族へ。
自覚するのが遅かった様ですが…私は大変な人を匿ってしまったようです。