テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
『双子の名探偵は今日も嗤う』〜謎あるところに闇は生まれる〜
最終章 『狙われた名探偵の妹』〜名前に付けられた本当の意味〜
第3話 攫われた百合の花
2日目の朝
百合菜達は旅館から少し離れた劇場で剣舞を見ることに。
『ほぉ、中々いい動きだな。』
『えぇ。研ぎ澄まされていますね。』
『フフ、楽しそうですね。』
『みんなの模擬戦みたいだね!』
『ん?あぁ、確かにそうだな。』
『ボクまで入れてくれるなんてびっくりです。てっきりお断りされるかと思ってたので!』
『確かに…。』
『ふふ、主様は誰よりも美しいですからね、特別待遇なのでしょう。』
『な、なんか恥ずかしいな…。』
『ふっ。主様、ロノが作ってくれたお弁当食べるか。』
『うん!頂きます。』
(あいつらから殺気を感じるな。それにあの刀……刃引きしてねぇ。)
(えぇ。意識は主様の方を向いています。)
(許せませんね……。でもここで下手には動けません。どうしましょうか…。)
『…ナック、注げ。』
『え?』
『これから何が起きても酔った上での戯れ、だ。』
『!かしこまりました。』
私はボスキさんにお酒を注ぐ。
『よし、主様。俺から目を離すなよ?』
『え?』
ボスキはそう言って剣を抜いて舞台に立つ。
『な、なんだお前は!』
(チッ、こいつはあの主の執事か…!?)
(構わねぇ、斬れ!)
『穏やかじゃねぇな。酔った上での戯れだろ?付き合えよ。酔い覚ましに、な。』
ボスキは剣を持って優雅に舞う。
『凄い…。』
『羨ましいですね…ボスキさん。私も行きたかったです。』
『ラトさんだと手加減出来ないでしょうから…ボスキさんで安心しましたよ。』
数時間後――
『ボスキ凄くかっこよかった!』
『だろ?まぁ手応えのない奴らでつまんなかったがな。』
『ふふっ。でも楽しそうでしたよ。』
『お弁当も食べたことですし旅館の方へ戻りましょうか。』
『そうだね!』
私達は劇場から出ようとする。
と、その時――。
『止まれ。悪魔執事の主とその執事。』
『えっ……。』
『な、なんですか貴方達!』
武装した集団に囲まれる。
『貴方達はさっきの剣舞の舞台にいた…!』
『なんだよ、ちまちま仕掛けてくるのが嫌になったのか?』
『俺達の依頼主からの命令だ。お前らのせいで大変ご立腹なんだ。大人しく主を引き渡せ。』
『そう言って大人しく渡すわけないでしょう?』
『ナック、ラト。手加減するな。』
『もちろんですよ。』
『主様、私から離れないで下さいね。』
『みんな……。』
みんなは武器を構える。
『ふん、やれ、お前達。』
武装した男達は武器を構えてボスキ達に襲い掛かる。
『うぐっ!』
『ぐえっ!』
『つ、強い…くそ…っ。』
『怯むな、やれ!』
数時間後――。
旅館にて。
『……百合菜達遅いわね。』
『えぇ、本来ならもう旅館に戻ってきてもおかしくないのですが…。』
と、その時だった。
トサッ……。
『…?これは…。』
部屋に生けられてあった百合の蕾が落ちる。
(嫌な予感がする…。)
『はぁ、はぁ。』
『お前ら大丈夫か?』
『え、えぇ……。』
(耐えろ、お前ら。もうすぐハウレス達が来てくれる。)
『流石に3人じゃ多勢に無勢みたいだな?』
『他の執事は助けに来ないぞ?』
『なっ!』
その頃ハウレス達は――。
遠巻きで主を護衛していたバスティン、ハウレス、ラムリ、フルーレ、テディ、ベレン達は劇場から少し離れたところにいたが劇場を繋ぐ橋を壊されてしまっていた。
『くそ、もしこの間に主様を襲う刺客が来たら……。』
『ボスキ達は強い。とはいえ、相手は武装しているし大勢だ。いくら3人でも…。』
『とにかく今は早く向かわないと…。』
『遠回りかもしれないけど、あっちの道なら劇場に行けるよ。みんな、急ごう。』
『分かりました、行くぞ、みんな!』
『相手はもう動けない、畳み掛けろ!』
『く…っ。させる、かよ……っ!』
ガキンッ!
剣と剣がぶつかり合い、火花散る。
『ボスキ……っ。』
『ふん、背中ががら空きだ!』
グイッ!
『痛…っ!』
『主様に触んじゃねぇ!』
主様は武装した男に手を掴まれる。
『おっと、動くなよ?大事な主に傷をつけられたくないだろう?』
『っ……!』
武装した男は主様の首元に刀を添える。
『っ…!うぐっ!』
武装した男に気を失わされた。
『『『主様!!』』』
『ふん、無様だな。』
『くそが…っ。』
『こいつを助けたければその文書に書かれたところに来い。』
俺は手紙を投げ捨てる。
バサッ!
武装した男達は去っていく。
バタンッ!
『主様!!はぁ、はぁ……ボスキ…?ナック、ラト、何があった。』
『…申し訳ございません…。我々の力及ばず主様が……。』
『…主様が攫われてしまいました…。』
『なっ!ボスキ、本当か?』
『……あぁ。すまねぇ。俺が着いていながら…。』
『お前たちのせいじゃない…俺達もすぐに行けなかったのが悪いんだ。』
『武装した男達がこれを置いていきました。主様を助けたければこの文書に書かれたところに来いと。』
ナックから手紙を受け取る。
『……っ。この脅迫状の狙いは最初から…っ。ボスキ、ナック、ラト、旅館に戻るぞ。ルカスさんに手当してもらおう。』
『あぁ…くっ。』
俺はハウレスの肩を掴む。
次回
第4話 煮え滾る怒り
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!