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それからというもの、俺はことある事にこったろくんを思い出しては、逆らえない欲望に葛藤した。


月日は経ち、グループはぐんぐんと成長して、実際に皆であって話し合いをすることになった。初めての顔合わせにくには期待しつつ、こったろくんの存在が気がかりでならなかった。



ドクン ドクン ドクン ドクン ドクン


…お……く……ちゃ……




ん、?なんか……聞こえる……?



おーい、くにおちゃん?


「うわっ、なんだこたかぁ……」

「なんだとは何だよ……うなされてたけど大丈夫?」

「え、俺うなされてた?」

「うん。悪い夢でも見た?」

「いや、、昔の夢見てた」

「昔?」

「そう、昔」

「昔、嫌なことでもあったの?」

「んー、こたには関係ないこと!大丈夫だからもういいよっ!」

「うん?わかった。話したくなったら言ってね」

「そこまで思い詰めてないからほんと、大丈夫!」

「ん、」

「ありがとうね!じゃあもう行っていいよ!」

「うん」


どうやら、昔の夢を見ていたみたい。思い出したくもないこと……。

率直に言う、俺は初めての集まりの日、こたから漂う甘い、甘すぎるケーキのような香りで頭が真っ白になり倒れた。幸いにも、メンバーの誰からも俺がフォークだと気づかれなかった。今ではすっかり慣れて、こたとも親密な関係になり、皆の間ではスーパーカップルと呼ばれる程になった。

「くにおちゃん」

「あれ?さっき行ったばっかだよね?」

「ん、やっぱり心配だから一緒にいる」

あぁ、可愛いな……好きだな

そう、俺はあの日、あの時からこたに恋をしている。こたの優しさ、人間性に俺は惚れた。努力家でこつこつ頑張るこたを、俺は1番近くで応援したい。

「くにおちゃん?」

「あ、あぁ!ありがとう!」

「うん」

でも時折思い出す。過去のおぞましい気持ち………


あの日から俺は、こたがケーキなんじゃないかと考えている。明らかに漂う甘い匂い、ダンス練習で出る汗なんかも甘そうに思える。いや、俺がおかしいのか。でも、メンバーは誰一人としてそんな反応を見せない。つまるところ、これはフォークの俺にしか分からないケーキの特徴なのかもしれないと考えた。こたは……自分がケーキであることに気づいているのかな?





「みんなー!ここから通すよー!」

「了解~」

スタジオの中に皆の声が響き渡る。今俺たちは、ライブに向けてダンス練習をしている。ダンス練習はハードできついけど、その分だけみんなに会えた時の嬉しさが倍増するから頑張れる。


「君を導く一番星に」

「もっともっと輝いて見せるから」

「ちゃんと見ていて」

「僕はここで歌い続ける」




「はぁっはっ…」

一通り踊り切り、みんなの息切れの音と少しだけ反響して残る音がスタジオに響く。


「1回休憩しよー!」

「うん!」

「ライブ楽しみやな~」

「もうだよね~!」

「こえちむ今週ラストスパートかけちゃう!ちむちむりーーん!!」

「うっさいねんこえ!!」

「こえちむ、しーだよしー!みんな休憩してんだからね?」

「あっ…ごめん!ゆうくん!!」

相変わらず仲がいい、そこが俺たちのいいところだと思う。そういえばこたは…あ、いた。

「こぉた!」

「んえ?何?」

「水飲も!」

「あぁうん」

歌とダンスを同時にするって、本当に疲れるし、冷房効いてても体の熱は冷めない。その上汗で水分飛んで喉はカラカラになる。水分補給は本当に大切だ。

「ゴクゴク」

「ぷは~、やっぱダンス終わりの水は美味しい」

「あんま一気に飲んじゃダメだからね?こた!」

「わかってるよ~ゴクゴク」

「絶対わかってないでしょ!」

「もーいいから、くにおちゃんも飲めば?」

「もー!」

そう言いながらコップを手に取る。


ゴクッ


「………ッッ!!!!!」


バシャッ


「え!?ちょ、くにおちゃん!?」


なに、、なんだ、、ッこれ!!

クラクラする、、ッあの時と同じッ感覚……!!こたが近くにいるから?、

甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い


ドクン ドクン ドクン ドクン


「……はぁッ……はぁッ……!」

なんで、、ッ何が原因?


!!


コップだ……!あれ、こたのコップだったんだ……ッ!!気づかないうちに入れ違いになってたんだ……ッ

「皆!!くにおちゃんが!!」


「え、!?どうしたんくにお!?」

「くにお?、大丈夫!?」

「ごめんッ…1回医務室行ってくるッ……!」

「ゆさん着いてくよ!」

「ううんッ、大丈夫一人で行ける」

「くにおちゃん、!」

「こた、ごめん今は近づかないで、」

理性が……持たない……ッごめんこた……ッ

「…!……ぇ、ぁ……わかった……様子後で見に行くからね、?」

「うん、ありがとう」

そう言って俺は、医務室に行く訳でも無く、誰もいない別室に行った。医務室になんて行ったら、いずれ皆にフォークだということがバレてしまう。

「はぁ……」

あぁ…こた…傷つけたよね…

「本当、なんでフォークなんだろ……」

そんな俺の言葉は、心做しか暗い部屋に重く落ちた。、


すー、すー……

「…んん…………」

「あ、起きた?」

「………え!」

「おはよう、くにおちゃん」

「えっ、なんでこたがここに?」

「くにおちゃんの様子見に行こうと思って、医務室行ってみたけど、来てないって言われてさぁ」

「っ!」

「だから、色々な部屋探し回ったんだよ?そしてここを見つけたの」

「あ、、そっか」

「で、大丈夫?」

「うん、だいぶ治まったかな」

「治まった?、てなに?」

しまった……!口が滑った!!

「あぁ、!えと、だいぶ苦しさとか治まったってこと!」

「そっか、良かった」

「あ、練習!」

「今日はもう終わったから、あとは帰るだけだよ」

「あ、そか!え、じゃあこたは?」

「……ぁ、えと、心配だから起きるの待ってた、、//」

キューン……♡何だこの可愛い生き物は……

「えぇ~!俺のために待っててくれたの?こた!」

「うるさいうるさい!/ほら、起きたんなら帰るよ!」

「はーい!」

「はぁもう、、家帰ったら絶対ゆっくり休むんだy…ッ」コケッ

「うわっ!こた危ない!」


ちゅっ


「!?!?!」

何が起こった?、今こたが転んで、俺が抱きとめてその反動で…………!!

「ごっ、ごめん!くにおちゃッ//」


ドクンドクンドクンドクンドクン


やばい……かなりやばい……ッ身体中がふわふわする……グルグルする……こたを欲してる……ッケーキ……こんなに甘いんだ……美味しい甘い美味しい美味しい美味しい美味しい……はぁッはぁ……ッ理性が保てない、駄目だッ……!!




カプッ




「ッぅあ…ッ!!!//」

気づいたら俺はこたの首筋を噛んでいた。


ちゅちゅッハムッ

「ん”っぁッ……くにぉッ……やめて!!」

味がする、甘い、美味しい、もっと、もっともっともっともっと……!!!


パシンッ!!

「い”っ……」


「…ッくにおちゃん…!目を覚まして!!」


はっ……俺……俺、こたのこと……ッ!!

「……ごめッ!!俺!!!!」

「……いい…大丈夫、俺帰るね……」カタカタ


バタン


「……ッ」

こた、震えてた…怖がらせた………

俺…最低だ。

🌟🧡💜‪ ケーキバースパロ

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