コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
それからというもの、俺はことある事にこったろくんを思い出しては、逆らえない欲望に葛藤した。
月日は経ち、グループはぐんぐんと成長して、実際に皆であって話し合いをすることになった。初めての顔合わせにくには期待しつつ、こったろくんの存在が気がかりでならなかった。
ドクン ドクン ドクン ドクン ドクン
…お……く……ちゃ……
ん、?なんか……聞こえる……?
「うわっ、なんだこたかぁ……」
「なんだとは何だよ……うなされてたけど大丈夫?」
「え、俺うなされてた?」
「うん。悪い夢でも見た?」
「いや、、昔の夢見てた」
「昔?」
「そう、昔」
「昔、嫌なことでもあったの?」
「んー、こたには関係ないこと!大丈夫だからもういいよっ!」
「うん?わかった。話したくなったら言ってね」
「そこまで思い詰めてないからほんと、大丈夫!」
「ん、」
「ありがとうね!じゃあもう行っていいよ!」
「うん」
どうやら、昔の夢を見ていたみたい。思い出したくもないこと……。
率直に言う、俺は初めての集まりの日、こたから漂う甘い、甘すぎるケーキのような香りで頭が真っ白になり倒れた。幸いにも、メンバーの誰からも俺がフォークだと気づかれなかった。今ではすっかり慣れて、こたとも親密な関係になり、皆の間ではスーパーカップルと呼ばれる程になった。
「くにおちゃん」
「あれ?さっき行ったばっかだよね?」
「ん、やっぱり心配だから一緒にいる」
あぁ、可愛いな……好きだな
そう、俺はあの日、あの時からこたに恋をしている。こたの優しさ、人間性に俺は惚れた。努力家でこつこつ頑張るこたを、俺は1番近くで応援したい。
「くにおちゃん?」
「あ、あぁ!ありがとう!」
「うん」
でも時折思い出す。過去のおぞましい気持ち………
あの日から俺は、こたがケーキなんじゃないかと考えている。明らかに漂う甘い匂い、ダンス練習で出る汗なんかも甘そうに思える。いや、俺がおかしいのか。でも、メンバーは誰一人としてそんな反応を見せない。つまるところ、これはフォークの俺にしか分からないケーキの特徴なのかもしれないと考えた。こたは……自分がケーキであることに気づいているのかな?
「みんなー!ここから通すよー!」
「了解~」
スタジオの中に皆の声が響き渡る。今俺たちは、ライブに向けてダンス練習をしている。ダンス練習はハードできついけど、その分だけみんなに会えた時の嬉しさが倍増するから頑張れる。
「君を導く一番星に」
「もっともっと輝いて見せるから」
「ちゃんと見ていて」
「僕はここで歌い続ける」
「はぁっはっ…」
一通り踊り切り、みんなの息切れの音と少しだけ反響して残る音がスタジオに響く。
「1回休憩しよー!」
「うん!」
「ライブ楽しみやな~」
「もうだよね~!」
「こえちむ今週ラストスパートかけちゃう!ちむちむりーーん!!」
「うっさいねんこえ!!」
「こえちむ、しーだよしー!みんな休憩してんだからね?」
「あっ…ごめん!ゆうくん!!」
相変わらず仲がいい、そこが俺たちのいいところだと思う。そういえばこたは…あ、いた。
「こぉた!」
「んえ?何?」
「水飲も!」
「あぁうん」
歌とダンスを同時にするって、本当に疲れるし、冷房効いてても体の熱は冷めない。その上汗で水分飛んで喉はカラカラになる。水分補給は本当に大切だ。
「ゴクゴク」
「ぷは~、やっぱダンス終わりの水は美味しい」
「あんま一気に飲んじゃダメだからね?こた!」
「わかってるよ~ゴクゴク」
「絶対わかってないでしょ!」
「もーいいから、くにおちゃんも飲めば?」
「もー!」
そう言いながらコップを手に取る。
ゴクッ
「………ッッ!!!!!」
バシャッ
「え!?ちょ、くにおちゃん!?」
なに、、なんだ、、ッこれ!!
クラクラする、、ッあの時と同じッ感覚……!!こたが近くにいるから?、
甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い
ドクン ドクン ドクン ドクン
「……はぁッ……はぁッ……!」
なんで、、ッ何が原因?
!!
コップだ……!あれ、こたのコップだったんだ……ッ!!気づかないうちに入れ違いになってたんだ……ッ
「皆!!くにおちゃんが!!」
「え、!?どうしたんくにお!?」
「くにお?、大丈夫!?」
「ごめんッ…1回医務室行ってくるッ……!」
「ゆさん着いてくよ!」
「ううんッ、大丈夫一人で行ける」
「くにおちゃん、!」
「こた、ごめん今は近づかないで、」
理性が……持たない……ッごめんこた……ッ
「…!……ぇ、ぁ……わかった……様子後で見に行くからね、?」
「うん、ありがとう」
そう言って俺は、医務室に行く訳でも無く、誰もいない別室に行った。医務室になんて行ったら、いずれ皆にフォークだということがバレてしまう。
「はぁ……」
あぁ…こた…傷つけたよね…
「本当、なんでフォークなんだろ……」
そんな俺の言葉は、心做しか暗い部屋に重く落ちた。、
すー、すー……
「…んん…………」
「あ、起きた?」
「………え!」
「おはよう、くにおちゃん」
「えっ、なんでこたがここに?」
「くにおちゃんの様子見に行こうと思って、医務室行ってみたけど、来てないって言われてさぁ」
「っ!」
「だから、色々な部屋探し回ったんだよ?そしてここを見つけたの」
「あ、、そっか」
「で、大丈夫?」
「うん、だいぶ治まったかな」
「治まった?、てなに?」
しまった……!口が滑った!!
「あぁ、!えと、だいぶ苦しさとか治まったってこと!」
「そっか、良かった」
「あ、練習!」
「今日はもう終わったから、あとは帰るだけだよ」
「あ、そか!え、じゃあこたは?」
「……ぁ、えと、心配だから起きるの待ってた、、//」
キューン……♡何だこの可愛い生き物は……
「えぇ~!俺のために待っててくれたの?こた!」
「うるさいうるさい!/ほら、起きたんなら帰るよ!」
「はーい!」
「はぁもう、、家帰ったら絶対ゆっくり休むんだy…ッ」コケッ
「うわっ!こた危ない!」
ちゅっ
「!?!?!」
何が起こった?、今こたが転んで、俺が抱きとめてその反動で…………!!
「ごっ、ごめん!くにおちゃッ//」
ドクンドクンドクンドクンドクン
やばい……かなりやばい……ッ身体中がふわふわする……グルグルする……こたを欲してる……ッケーキ……こんなに甘いんだ……美味しい甘い美味しい美味しい美味しい美味しい……はぁッはぁ……ッ理性が保てない、駄目だッ……!!
カプッ
「ッぅあ…ッ!!!//」
気づいたら俺はこたの首筋を噛んでいた。
ちゅちゅッハムッ
「ん”っぁッ……くにぉッ……やめて!!」
味がする、甘い、美味しい、もっと、もっともっともっともっと……!!!
パシンッ!!
「い”っ……」
「…ッくにおちゃん…!目を覚まして!!」
はっ……俺……俺、こたのこと……ッ!!
「……ごめッ!!俺!!!!」
「……いい…大丈夫、俺帰るね……」カタカタ
バタン
「……ッ」
こた、震えてた…怖がらせた………
俺…最低だ。