元貴 side …
「まもなく兵庫です。」
駅のホームの明るい光で目が覚める。俺、いつの間にか寝てたんだ。ぼやける視界の中、窓から見える駅のホームを眺める。時刻は1時半。あまり人は多く見えないが、コンビニや店の前には多くの人が並んでいた。早めに駅から出よう。昼時は人が多いから混み合うだろう。新幹線が止まると俺は荷物を持ち、少し急ぎ足で駅のホームから出た。
「…兵庫だ」
駅のホームから出ると東京とは違った雰囲気が漂っていた。東京より少し暖かくて、どこか柔らかな空気。ここは兵庫の町外れ。どこか懐かしい気持ちを抱きながら俺はある目的地へと足を運んだ。
「いらっしゃい、何名?」
「あ1人です」
店に入ると60代ぐらいの男性が出迎えてくれて、カウンター席へと案内された。男性は店主らしく、ここの店は夫婦でいとなっているらしい。写真の中にあった1枚の写真から、この店に行っていたことがわかった。あまり記憶はないが、行ったのは確かなようだった。
「注文いいですか?」
「はーい」
少し手を挙げて厨房の方に声をかけると、小柄な女性が出てきた。おそらく店主の男性の奥さんなのだろう。俺は品書きを見ながら、1つの品に指をさしながら注文をした。
「醤油ラーメン1つ、お願いします」
「醤油ラーメンね〜、少々お待ちください」
女性はまた厨房の方へと消えていく。俺はスマホを取り出し写真を開く。写真を見る限り、この店で醤油ラーメンを食べていたようだった。涼ちゃんと若井は何食べてたっけ。全く覚えていない。スマホを見ながら兵庫での記憶を思い出していると、店主から声をかけられた。
「そういえば兄ちゃん、前にもうちの店来なかったか?」
「あ、来てますね」
どっかで見たことあると思ったんだよなーと店主は笑いながら話す。
「前来た時は3人だったな」
「今日はちょっと1人で笑」
そうかそうか、ゆっくりしてきなと店主は笑顔で話してくれた。こうゆう雰囲気好きだな。どこか実家のような安心感があって、なんだか落ち着く。そんな気持ちに浸っていると、厨房の奥から、さっきの女性がやってきた。
「お待たせしましたー、醤油ラーメンです」
「ありがとうございます」
スマホの写真を開く。あの時と同じラーメンだ。俺はスマホを置き、割り箸を取り2つに割る。
「いただきます」
小さく胸の前で手を合わせる。少量の麺を掬い、1度レンゲに乗せてから、ゆっくりとすする。すると口の中にふわっと醤油の風味が広がる。なんだか懐かしい味。
「…めっちゃ美味しい笑」
「はっ、よかったよ」
店主が笑顔で答える。昔ながらの味で、都会にはない特別な味。ラーメンってやっぱ店ごとに味って変わるんだなと当たり前のことを考えてしまう。
1人で兵庫に来て、1人でラーメン食べて、あの時と全く同じように過ごして、自分でも何がしたいのかよく分からない。けど、なんだか”あの頃”に戻った気がして、でも少しだけ苦しい気がして、本当によく分からない。
ここら辺から作者は
お話書くのに苦戦しておりました笑笑
なんか描きたいものと語彙力が
釣り合わなさすぎて
超苦戦しましたね…
分かりにくいとこ多いと思いますが
残り2話、何卒よろしくです😢
コメント
2件
泣きすぎて読めないです…(´;ω;`) 読みながらPartofme聴きながら見るとさらに泣きました… 最高です!続き待ってます!