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夜のさんぽ
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いやもう、第5話めっちゃ好きです…!「月舟の鍵」が起動するところから扉を叩く「星喰い」の演出、一気にホラー感出てきて鳥肌立ちました。夢のシーンの白い舟と黒い手の対比も美しくて、蓮の「絶対に離すな」でぐっと掴まれました。続きが気になりすぎて眠れません…!
第5話 月舟の鍵
その夜。
佐野は夢を見た。
真っ暗な海。
空には星がひとつもない。
その海を、白い舟が進んでいた。
舟の先頭に立つ人影。
長く美しい髪
そして、優しい声。
『見つけて』
その声に、佐野は手を伸ばす。
すると突然、海の底から無数の黒い手が現れた。
『鍵を返せ』
『開けば終わる』
『あの子が目覚める』
手が足を掴む。
沈む。
苦しい。
その瞬間。
誰かが美月の手を掴んだ。
「美月!」
目を開ける。
そこは星屑修理店だった。
「……え」
息が荒い。
全身が冷たい。
目の前には蓮がいた。
「うなされてた」
「なんで私ここに……」
「君、店の前で倒れてた」
美月は頭を押さえる。
夢なのに、妙にリアルだった。
「白い舟を見た」
その言葉で、蓮の表情が凍る。
「……どこで」
「海。あと、変な声も」
店の空気が変わった。
奥に並ぶ星瓶たちが、一斉に明滅する。
チリン——。
鈴が鳴る。
だが今度の音は、不吉だった。
蓮は舌打ちする。
「最悪だ」
「な、なに」
彼は美月の手首を掴んだ。
その瞬間、美月の手に銀色の紋様が浮かび上がる。
三日月の形。
「これって……」
蓮が低く呟く。
「月舟の鍵が、起動した」
同時に、店の扉が激しく叩かれた。
ドン!!!
ドン!!!!
外から声がする。
『開けろ』
『鍵を渡せ』
『星喰いが来る』
美月の背筋が凍る。
蓮は棚から古びたランタンを掴んだ。
「逃げるよ」
「は!?」
「ここ、もう安全じゃない」
扉にヒビが入る。
その隙間から、“黒い星”が覗いていた。
蓮は美月の手を強く握る。
「絶対に離すな」
次の瞬間。
店の床に巨大な魔法陣が浮かび上がった。
光。
浮遊感。
世界が反転する。
そして二人は、星の降る見知らぬ世界へ落ちていった——。
――続く。