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第二十二話 近づく日
会う日が、少しずつ近づいていた。
朝、カレンダーを見る。
あと何日。
数えるたびに、
楽しみな気持ちと緊張が入り混じった。
けれど、その日の彼女は
いつもより落ち着かなかった。
昨日の写真が頭から離れない。
あの場所を見たときに感じた、
理由の分からない懐かしさ。
自分には関係ないはずなのに、なぜか気になる。
そんなことを考えながら帰宅し、夜を待った。
いつもの時間。
サイトを開く。
すると、すぐにメッセージが届いた。
『今日、聞きたいことある』
『なに?』
『会ったとき、写真見せるって言ったじゃん』
『うん』
『そのとき、もし何か変なこと思い出しても……驚かないで』
彼女は少し戸惑った。
『どういうこと?』
『昨日から、少しだけ思い出すことが増えた』
『どんなこと?』
『場所とか、声とか』
『顔は?』
『まだ』
彼女は画面を見つめた。
『その人、大事な人だったのかな』
しばらく返事がなかった。
やがて、
『たぶん』
と届く。
たった三文字。
それなのに、今までとは違う重さがあった。
『じゃあ、無理しないでね』
『うん』
少しして、相手から別のメッセージが届いた。
『でも、会う日は楽しみ』
彼女は思わず笑った。
『急に?』
『急じゃない』
『そっか』
『ちゃんと会いたい』
その言葉に、彼女も素直に返した。
『私も』
それから二人は、当日の話をした。
待ち合わせ場所。
時間。
もし見つけられなかったときのこと。
『目印どうする?』
『何か持ってるもの言う?』
『それがいい』
『じゃあ当日まで秘密』
『また秘密(笑)』
『楽しみにしといて』
そんなやり取りをしているうちに、
緊張が少しずつ楽しみに変わっていく。
けれど、最後に彼から届いた一言で、
彼女の手が止まった。
『会ったら、ちゃんと名前言うから』
『うん』
『それと』
『なに?』
『今まで話してなかったことも、少し話す』
彼女はすぐには返さなかった。
過去のことだろうか。
それとも、別の何かだろうか。
聞きたい気持ちはあった。
でも、今は聞かなかった。
『待ってる』
そう送る。
『うん』
その夜、二人はいつもより少し早く会話を終えた。
画面を閉じた彼女は、もう一度カレンダーを見る。
会う日まで、もうそれほど遠くない。
楽しみ。
少し怖い。
そして、なぜか胸の奥に引っかかるものがある。
その理由を、彼女はまだ知らなかった。
けれど、会う日が来れば、きっと何かが変わる。
コメント
4件
いえいえー! そうなんです! いい関係ですよね! ならよかったです! イメージですか、、難しいですね、、 でもそれぞれの関係性、人柄、相手の想いとか諸々を、 読者の皆さんに鮮明に描写が伝わるように 色々意味とか思い込めて書いてるかもです、、
寺島あおいです🤍 「会う日」が近づくにつれて、彼女の胸の奥で入り混じる楽しみと緊張、そして引っかかる何か…その描き方がとても繊細でした。特に彼から「今まで話してなかったことも話す」とあって、彼女が「待ってる」とだけ返す場面、すごく好きです。聞きたい気持ちをぐっと抑える強さが伝わってきて。会う日が来れば何かが変わる——その予感だけで、次の話が待ち遠しくなりました。素敵なエピソードをありがとうございます🌷
#転生
桜咲かな
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