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ー俺は奴隷を拾ったー
ある帰り道、
「寒い…」
そう聞こえ、声のするほうえ向く。
そこには、「ぼろぼろになった奴隷」がいた。
「どうした」
そんな問いかけにそいつは
「えっ…」
と、困ったような懇願するような表情で俺を見た。
「お前奴隷だろ?」
「…してください」
「?」
「好きにしてください!!」
そう声を荒げ、
諦めたような声色で言う。
「もう殺してください」
そう言う彼女?に俺は何の言葉もかけられなかった。
ーぎゅっー
「…えっ」
その奴隷は思考が停止したかのように固まっていた。
「俺にはこんなことしかできない。だけど、せめてその辛さを和らげればいいな」
そうだ。俺にはこの子を抱きしめることしかできない。
奴隷は思考が追いつき、気づいたら泣いていた。
ぐしゃぐしゃになって、嗚咽を漏らして…。
「…落ち着いたか」
「はい…」
数分たって落ち着いた。だけど、嗚咽の中には辛かった思いも入っていた。相当辛いところにいたんだろう。
「名前はあるかい」
「ない…」
「そうか」
名前がないのなら呼びにくい、どうしたものか。
「あの!」
名前やら家やら考えていたら突然大声を出した。
「!ど、どうした」
「あ、すみません、驚かせるつもりではなかったんです。」
「それでどうしたの」
「あ、そうだった。」
一呼吸してその質問をしてきた。
「どうして僕を助けたの?」
と…。
その質問に俺はなんて返せばいいか分からなかった。
助けた目的、それは
「過去の罪滅ぼし」
だから…。