テラーノベル
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佐久間の寝息が聞こえてくる。ぐっすり寝ているようだ。照とめめは佐久間を起こさないよう、こっそりリビングへ向かった。
リビングに入ってめめは奥のソファーに腰を下ろした。
照はテーブルの前にあぐらをかいて座った。
「岩本くん、話しって?」
「うん。佐久間の事なんだけどさ、俺たちは男だしこのままでもいいとは思うんだけど……ケジメをつけたいなと思って。」
「ケジメ?」
「ケジメという言葉が正しいかはわからないけど、俺たちの関係に意味を持たせたい……というか……」
「意味かぁ……」
めめは唇に手を当てて考え込んだ。そして口から自然と言葉が溢れる。
「結婚……」
そうめめが口にした時、二人は顔を見合せた。
「結婚か……」
そう言って、照は口を噤む。
どれくらいの沈黙があっただろうか。
めめが話し出す。
「結婚なんて考えたこともなかった。でも…岩本くんが言いたいことは分かるよ。俺たちは男同士だし、子供ができる訳でもない。気持ちさえここにあれば形にとらわれることもない。だけど、なにかそれだけじゃ足りない……ってことだよね?」
照は頷いた。
「そもそも男同士だし、形ってないに等しいからな。今はパートナーシップとかあるみたいだけど。気持ちを具現化したいというか……なんなんだろうな……この気持ち……独占欲の延長なのかな?」
「延長……というか独占欲そのものでしょ。独占欲の極み。」
「独占欲の極みか……」
「俺もそうだけど、岩本くんも佐久間くんの特別である証が欲しいんじゃない?」
「証…」
「そう、証。」
「そういうことなのかな……」
「俺たちが佐久間くんを思う気持ちに変わりはないし、形もいらない。でも佐久間くんが俺たちを思ってくれてる証が欲しいよね。
佐久間くんの気持ちを疑ってるとかそういう訳じゃないし、本来思いがあれば目に見える形なんていらないんだけど、独占欲の塊の俺らは多分だけど、思いを形にしたもので佐久間くんをもっと独占しようとしてるんだよ。」
「……ややこしいな…」
「それが独占欲の極みなんだよ。きっとね。」
めめはいたずらっぽく笑った。
照は少し考え込んだ。
めめが言った言葉の意味を自分なりに整理していく。
佐久間の気持ちを形にすることによってさらに独占する…ということだよな。本当にややこしいとため息をついた。でも、照が言いたかったことをめめが導いてくれたと感じた。
「どうしたらいいかな?証ってなんだろうか?」
「ありがちって感じだけど、指輪なんてどうかな?仕事中は付けられないけどさ、3人でいる時つけたい。」
「指輪かぁ〜。確かにありがち。
でもいいかもな。特注で作ろう。デザインを考えなきゃな。」
翌朝、3人でいつも通り照が作った朝食を食べる。
ヘルシーかつ、タンパク質がたっぷりな朝食。
「佐久間くん、結婚してください!」
「佐久間、結婚して欲しい!」
朝食を終えて、ソファーに座りながらコーヒーを飲んでいた佐久間の前に、めめと照がひざまづいて
手を差し伸べた。
2人から同時にプロポーズ。
佐久間は驚き、戸惑った。
あまりにも急な事だったので、一瞬思考が停止したが、すぐに嬉しいという気持ちでいっぱいになった。
「2人ともありがとう。すごい嬉しい。オレ、すごく幸せだよ。
あっ…でも……どっちか1人を選べってことじゃないよね?」
佐久間は2人を上目遣いで見た。
2人は顔を見合せた。
「めめと2人で話し合ったんだけどさ、3人で結婚しないか?」
「結婚指輪は3つ用意して、言葉通り、病める時も健やかなる時も……3人でいよう。俺は佐久間くんを岩本くんと共に愛してくって決めたんだ。」
そんなことモラル的にいいのかと佐久間は考えたが、そもそも3人は男同士で最初からモラルも何も関係ない。
今の時代はなんでもありだ。
どんな形の愛があったっていいではないか。
考えるだけ時間の無駄。
3人にとって、3人でいる事がベストだと思ったのなら、邁進すべきだ。
自分の気持ちのままに動けばいいんだ。
「よろしくお願いします!」
佐久間は頬を赤らめながら、差し出された二つの手を握りしめた。
病める時も健やかなる時もいつまでも一緒にいよう。
#目黒蓮
machi
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三人の想いはやっと形を成して叶えられた。
END
コメント
1件
第22話、読み終えました。照くんとめめが「証」っていう言葉に辿り着くまでのやりとり、すごくリアルで引き込まれました。独占欲の極みって、そういうことか……って納得しちゃいましたね。翌朝の同時プロポーズのシーン、三人で結婚するって決断に胸が熱くなりました。“病める時も健やかなる時も”を三人で誓うラスト、とても美しかったです。おめでとうございます!