コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ピンポーン
翠の家のインターホンを鳴らし 、 俺だよと伝える 。
中からばた ヾ と走ってくる音が聞こえてきた 。
何をそんなに急いでいるのか 、 怪我をしたらどうすんだよ 、
と考えながら扉が開くのを待つ 。
ガチャ
扉が開き 、 中には見知った顔の百がいた 。
百 「 赫 っ ち ゃ ん 、 色 々 言 い た い 事 が あ る ん だ け ど ~ 、 と り あ え ず 入 っ て 、 ? 」
今日の会議のことだろうか 。
自分のせいで空気が悪くなったあの時を思い出し 、 気分が悪くなる 。
自分のせいだと分かっているが 、 やはりこの話題を話すのは気が引けた 。
赫 「 ん 、 御 邪 魔 し ま す 、 」
靴を揃え 、 メンバーのいるリビングへと向かう 。
赫 「 ぇ っ と 、 今 日 は す ま …… 」
まずは謝罪が大事だろうとリビングに入ってすぐ上記を述べた 。
完全に言い切る前にメンバー全員が自身の頭の上に視線を向けている事に気がついた 。
瑞 「 赫 く ん そ の 耳 ど う し た ん 、 ?? 」
この一言で崖に落とされたような気持ちになった 。
猫耳が生えている事を忘れて外出してしまった自分に後悔する 。
赫 「 あ 、 い や 、 そ の 、 」
なんと誤魔化そうか 、 考えても考えても焦りで言葉が出てこず 、
1人の男が興味津々な目で近付いてきた 。
藐 「 へ ぇ ~ 、 猫 耳 な ~ 。 w 本 当 に 生 え て ん の ?? w 」
本当に生えているとは思っていないだろう藐が俺の耳に触れた 。
赫 「 ッ 、 ! ま っ へ 、 / / 」
自分でも吃驚するくらいの甘ったるい声が出 、 自身の口を手で塞いだ 。
こんな声を出したからだろうか 、 藐含めメンバー全員が驚いた顔をしている 。
百 「 ほ 、 本 当 に 生 え て る ん だ ね 、 w 」
苦笑しながら此方の様子を伺う百 。
正直 、 今すぐ帰りたかった 。
赫 「 、 も う わ し 帰 る 、 」
荷物を持って玄関へ向かおうとすると 、 背後からおっとりした声が聞こえてきた 。
翠 「 そ の ま ま 帰 る の 、 ? そ れ じ ゃ あ 注 目 浴 び ち ゃ う よ ぉ 、 ? 」
その言葉を聞いて ピタリ と動きが止まる 。
行きにも何人かの視線を感じていたが 、 また帰りに視線を浴びるのはもっとも 、
猫耳に尻尾の生えた自分の姿を見られるのもホラーゲーム並に嫌だった 。
赫 「 じ ゃ あ 、 ど う す ん だ よ 、 」
振り返って全員の顔を捉える 。
不安そうに見つめる瑞、黈 。
苦笑しながらも何か治す方法が無いかと調べてくれている百、藐、翠 。
瑞 「 瑞 が 言 う の も あ れ や け ど 、 今 日 は 泊 ま っ て っ た ら ?? 」
瑞の言葉にこの家主の翠も優しく頷く 。
だが 、 俺だけ泊まるというのも迷惑を感じてしまう 。
判断を躊躇っていると黈が優しく微笑みながら
黈 「 じ ゃ あ 、 翠 く ん に は 申 し 訳 無 い け ど 、 皆 で 泊 ま ら へ ん ?? 」
躊躇っている俺を見て 、 気を使ってこの発言をしてくれた黈 。
本当に俺はいい仲間 、 いや家族と言っても過言では無い温かな人達と出会えたな 、 と涙が出そうになった 。
赫 「 翠 が い い ん な ら 、 そ ~ し よ っ か な 、 」
ちら っ と翠を見ると 、 こく ヾ と頷く翠がいた為 、 安心する 。
黈 「 じ ゃ あ 今 日 は 御 泊 ま り 会 っ て 事 で ! 笑 」
翠 「 楽 し そ う だ ね ぇ 」
にこ ヾ としている2人を見ると 、 来てよかったな 、 と感じさせる 。
百 「 あ 、 治 す 方 法 、 あ る に は あ る ん だ け ど …… 、 」
気まずそうな顔をしながら此方を見てくる百 。
治せるなら何でもいい 。 兎に角この耳と尻尾を取りたかった 。
赫 「 ど う す ん の ?? 」
じろ っ と 、 百の画面を覗こうとする 。
焦りながら 、 下記をゆっくりと述べた 。
百 「 そ の 、 え っ と 、 耳 と 尻 尾 の 付 け 根 を 、 引 っ こ 抜 く よ う に 優 し く 撫 で る ん だ っ て 、 」
なんだ 、 そんだけか 。
安心したのもつかの間 、 次の百の発する台詞で地獄へ落とされた 。
百 「 こ の 行 為 は 自 慰 と 同 じ 感 じ だ か ら 、 赫 が 達 し た ら 、 取 れ る ん だ っ て 、 し か も 、 耳 と 尻 尾 同 時 …… 、 」
今の俺は絶望的な顔をしているだろう 、
耳と尻尾同時という事は 、 誰かに手伝って貰わないと取れないというわけだ 。
となると 、 ?? 達する姿をメンバーに見られなければならない 。
赫 「 ッ 、 最 悪 …… 、 」
舌打ちを打って 、 今までで1番と言えるくらいの選択の迷いが頭をよぎった 。