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「あぁ。実は俺の願いを叶えてくれないか?」
〜優しさいつかの思い出に〜
Episode.5
【欲は自分の首を絞める(前編)】
「願い…?別にいいわよ。内容によるけれど。」
確かに私はちょっとしたことなら叶えられるわ。
これはこいつ…ゲイトしか今のところ知らないこと。私の秘密をどれだけ知ってるのよこいつは…(怒)。
…あれ?そういえばゲイトはそんなことなんで知っていたのだっけ?そもそもどこで私たちは会ったの…?
また…思い…出せない。
「あー」
はッ
「内容なぁ…?……その前に戻ってくれないか?お前…いつ逃げ出すか分からないからな。」
…。逃げだしても捕まえれないくせに…。
というかあの子がいる限り私は逃げれないわよ。
「はいはい。今戻りますよーっと。」
「可愛げがない…。 」
「可愛がられようとしてませんから。」
「はぁ。あー言えばこう言うとはこのことか。」
それは君も一緒だと思うのだけれど。
「鍵は?流石の私でも自分では付けられないわ。 」
「あぁ。そうだったな。」スッ
わッ!?身長高ッ!?
…久しぶりにちゃんと見たわね。
チッ…少し分けてくれないかしら。
神は平等じゃなかった…ムスッ。
「よいしょっと。ガチャッ」
手慣れてるわね。少し苛立ちを覚えるわ。
「それで何を願うのかしら?」
「そう急かすなよ。時間は沢山あるだろ。」
「じゃあまだ叶えてあげないわ。」
「面倒だな…。はぁ…。わかったわかった。この国が朽ちないように守ってほしいって願いだよ。」
あら意外。
「どうせもっと強くしてくれとか権力をくれだとか自分勝手なお願いをされると思ったわ。」
「お前…俺をなんだと…」
「別に君の事じゃないけれど。」
「あ…あぁ……そう……か……。すまない…。」
…?
「えぇ。そうよ?」
どうしたのかしら。今の一瞬少し苦い顔をしていたけれど…。
…?あ…あれ?ゲイトのことじゃないなら…一体誰のことを私は言ったの?
「はぁ……」
私はもう長く生きてれば昔のことは忘れるんだということでいいと思った。
「なんだよため息なんかついて。そんなに嫌なのか?」
そう言って首をコテンッと傾げる仕草もいつ見たか覚えてないが変わっていないなという感覚がある。ゲイトも私には敵わないが同じように長く生きている。
けれどやっぱりまだ根は子供だ。
思い出せない記憶の中の少年のままだ。
「そういうことじゃないわ。ただ私にも悩み事はあるってだけよ。」
「へぇ。ソウさんに悩みなんてあったんだ。」
それはとても失礼な発言ね。
「…もういいわ。はいこれ。」
そう言って差し出したのは小さなナイフ。
「これお前いつから持ってたんだ?」
「…?今出したばっかりだけど?」
「…はぁ…そうだな。お前はそんなやつだったな。」
…………は?何なの?
気になっちゃうわね。やっぱり…
あっ!
「ねぇねぇ。昔私達が会ったときのこと…覚えてる?」
「あ゛ッ!?お…おマッ…思い…いや…そんな…はず……。だっ…だってお前…思い出したら…顔…は…?また…また国を焼いて…焼いて……。…?ぁ…?…おまえカマかけたな!?」
「…」
「な…なんだよ…。」
ゲイト…確実に何かを知っている。顔…?国を焼く…?ダメだ。それでも思い出せない。もう少し探ろうかしら。直接聞いても無理かしら。
「…すまない。俺が悪かったって。」
「ねぇ…どうして教えてくれないの?」
ヒュッ「(ゲイトの心の中)今お前たちには見えないだろうが今,俺の前には心臓が潰れそうなほどの暗黒微笑と呼ばれるものが見える。」
「ねぇ…?どうしてかしら…?ニコッ」
「…残念…だが…教え…られない。」
…
「ふ〜ん…。そっかぁ…。」
「それで!!(話を逸らそう!!)このナイフは何に使うんだ?」
「…?何って…指をそれで切って。」
「は?いやいやいや何当たり前のこと聞いてんのって感じで言ってるが俺の指か!?」
「…そうなのだけれど。」
「いやなんでだよ!!」
「うるさいわね。たかが指如きに…。じゃなきゃ他人の夢は叶えれないわ…」
私の力はアレには敵わないのだから(ボソッ
「…?」
「とにかく指!!」
「は?お前…前まではそういうの無しで…あ…いやなんでもない。」
本当に私だけ覚えてないのが気に食わないわ。
ピッ
「イ゛ッ…どうだこれで…。」ポタッ…ポタッ…
…いや…だな。仕方の無いことだけれど。
「手…貸して。」
「?はい。」
ペロッ…
「!?」
うん…。ありがとう。
「うぇ…まずい…。」
「もう突っ込まねぇぞ…。」
ドクッドクッドクッドクッ
あ…が…ぅぐ…ハヒュッ…ハヒュッ…
息…が…ァ…あァ゛…
「え…は!?ソウさん!?大丈夫か!?」
い…しき……がき…え……て……
く…そ……が……
「(心の中再び)ソウ…さん…!?姿が…昔の…に…?」
ふ〜ん…あやつはまた力を使ったのか…?
望みの代償…は……
「お前か?望みを持つ者は。」
「…は…はい!、」
ただのがきか…
こんながきに力を使うなんて…あやつもバカになったものだ…
まぁ…私が気にすることでは無いがな…
いいだろう…
「ならば,お前の望みを言え。」
「俺は…俺はこの国を朽ちさせたくないんだ!!」
くだらない…本当にくだらない…
「ふっ…くだらないなぁ…。そんなことを私に望んだとして,それは私の力ではなくお前の最大の力で守護する事になるだけだ。お前より強いやつが攻めてくれば結局朽ち果てるだけだがな。」
「それでもッ」
あぁ…
そうだったな…
このがきは昔みたことがある…あの時のがきか…
「それでもいいと言うのだろう?はっ人間というものは面白いなぁ?あぁ…(笑)お前はもう人間とは違うものなのか?(笑)」
「じゃあどうしろというのだ!!」
こいつはこんなんじゃないことは私は知っている
「もうわかっているだろう?お前の本当の望みを… 」
みえる
このがきの本心が
「ははッ…!!やっぱりみえているんだな…!?」
「(心)俺は…こいつが…これが…ソウさんが恐れられ崇められた訳の1つだということを知っている。」