63日目
瑞希が元気になって、良かった。
今日は何かを話してくれるみたいだけど…
何を話してくれるんだろう。
まふゆ
ーー
屋上。
もう春だと言うのに少し暑い。
生暖かい様な涼しい様な風が頬を撫でた。
「あ、瑞希!奏達も連れて来たよ」
『ありがとね~』
「えっと……今日はどうしたの?」
『あー、えっと…』
『……ボクの事、少し…皆に…話してみようかなって』
「「「!」」」
「…うん、話して欲しい」
『……実は、さ…あの日………皆とお揃いのリボン、ビリビリに壊されちゃって、』
「…は?」
『っ…ごめん、…!大切な、リボンなのに……ごめん、ね……』
「ちょ、何で瑞希が謝るのよ!!」
「私が怒ってるのは瑞希を悲しませた方!!」
『っ、!』
「……それ、誰?」
『え』
「…誰?名前、教えて。」
「ま、まふゆ…?怒ってるのは分かるけど、落ち着いて………」
「…教えて」
(ま、まふゆが怒ってる…!)
『……えっと、同じクラスの…』
「……じゃあ、今までも嫌なことされてたんだね」
「…許せないんだけど、」
「何で瑞希を虐めるんだろう…」
『……皆に、心配…掛けたくないから、、、』
『…でも、頼る事も大事だよねって思って……今日、話してみたんだ』
もうすっかり日は暮れて、東雲色の空がボク達を優しく包んでいた。
少しだけ、涼しくなった気がする。
「……でも、話してくれてありがと。頼ってくれただけでも、嬉しいから…」
「うん、ありがとう瑞希。」
「…ありがとう、瑞希を虐めた人達は私がどうにかしておくから。」
『えぇ……?う、うん…』
まふゆの顔が怖いなー…等と思いながら景色を見つめる。
もうすっかり春から夏…時間は止まってくれない。でも、それがこのセカイの良さなのかもしれないなー…なんて……
「瑞希?どうかした?」
『あ、いや……なんでもない!』
『…じゃ、戻ろっか!!』
「あ、ちょっと待ちなさいよ!!」
「は、走ったら危ないよ…」
「……怪我するよ」
『へーきへーき♪』
コメント
1件
それ.......へーきっていったそばからこけるやつじゃないよね..... まふゆ達~!手伝うよぉ~