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カナメの発言「」イズミの発言「「」」
カナメの心の中(( )) イズミの心の中( )
基本的にはカナメ視点で話が進みます。重要な所ではイズミ視点になるかと思います
初めは夢だと思った。
「「カナメ!!早く昨日言ってた映画見に行こうぜ!!」」
目の前に友達がいるということに。
「分かったから少し待てってw」
俺は親友、ましては友達なんて中々作りにくかった。
別にコミュ力が低いとか、人が苦手とかではなかった。変な噂がたてば嫌われて、中学の頃なんて軽く虐めも受けていた。友達も数人はいたが、皆離れていった。中学3年生になって受験が始まって、皆と全く違う高校へ受けて、高校生初めは1人で生活していたが、イズミが声をかけてくれて今に至る。
イズミもどうやら皆と離れてここの高校へ来たらしく、俺と同じ状況だったらしい。声をかけてくれたイズミには感謝しきれない。
「「俺今日の映画のために授業受けてたわ〜」」
「とか言っていつも通り爆睡してたのにw」
「「おい〜それ禁句〜」」
「…ちょっと待って、今何分?」
「「え、16時48分だけど」」
「後30分後までにつかないと予約時間間に合わないじゃん?!」
「「マジで!?よし、カナメ!今から走るぞ!!」」
「はぁ!?走っても25分はかかるのに!?」
「「俺らなら大丈夫!ほら行くぞ!」」
「あっ、ちょ!!!」
イズミのこのテンションにはもう慣れた。初めは合わせるのも地獄だったが、今じゃこれが落ち着くようになった。
…イズミも同じ気持ちだろうか
「はー…はー…し、○ぬ……」
「「間に合ったか…?」」
スマホをズボンのポッケから取り出し、ロック画面で時間を見る
「あ、あと10分……」
「「意外にも早く着いたな…チケ、買うぞ…」」
「飲みもんないと倒れるから、俺飲みもん買ってくるわ」
イズミ視点
(チケ買えたし、カナメの所行くか…)
「これと…これで…お願い…しますっ」
(カナメ疲れすぎて顔がとんでもないなw店員もカナメの顔見て驚いてんじゃんw)
カナメはいつも優しい。俺の負担を軽くしてくれて、自分の負担を重くしてるようにたまに見える。気を遣わなくていいのにな。
「買ってきたぞ〜」
「「おぉサンキュー!!あ、これ俺の好きな飲み物じゃん!分かってるねぇ」」
「え、そうだったん?!俺適当に選んだのにw」
「「マジで!?あ、上映始まる。行こうぜ」」
「……」
「「カナメ〜?走りすぎて気分悪くなったか?」」
「…あ、いや!何もねぇよ!行こうぜ」
今カナメどこを見てたんだ?俺の方を見ては無いし、見てたとしたら…少し離れた所にいる女子高校生…?そういやあの女子高校生もカナメを見てニヤニヤしてたような…。
(なんかこっち歩いて来てんな…?)
女子高校生「ねぇあんた。カナメ…だよね?」