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初めての友達

2 - 第1話 トモダチ

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2024年05月03日

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カナメ「」

イズミ「「」」

カナメの心の中(( ))

イズミの心の中( )


その他 名前「」or 「」

基本的にはカナメ視点で話が進みます。重要な所ではイズミ視点になるかと思います










































































初めは夢だと思った。





友達なんて、いらないと思ってた。





友達を作っちゃえば、また壊れてしまうから






































けど、













「「カナメ!!早く昨日言ってた映画見に行こうぜ!!」」






今は、目の前に友達がいるということに。






黄熟した八月の暑熱が、じりじりと大地にしみいて、荒れた桜の森にかまびすしく 油蝉あぶらぜみ の鳴く、真夏の午後。



「分かったから少し待てってw」


俺は親友、ましては友達なんて中々作りにくかった。



別にコミュ力が低いとか、人が苦手とかではなかった。



事実でもない変な噂がたてば嫌われて、中学の頃なんて軽く虐めも受けていた。中学3年生になって受験が始まって、皆と全く違う高校へ受けて、高校生初めは1人で生活していたが、イズミが声をかけてくれて今に至る。



声をかけてくれたイズミには感謝しきれない。


「「俺今日の映画のために授業受けてたわ〜」」



金髪で対象的な黒い瞳が、学校内で見ていた目は濁って生気がないように見えたが、それはどこにもなく、今なら全てを楽しめるように見えた。



 

「とか言っていつも通り爆睡してたのにw」

「「おい〜それ禁句〜」」

「…ちょっと待って、今何分?」

「「え、16時48分だけど」」

「後30分後までにつかないと予約時間間に合わないじゃん?!」

「「マジで!?」」



そう中途半端に言葉を切らしたと思えば、予期せぬ言葉を発するような気がする



「「カナメ!今から走るぞ!!」」


やっぱりね?イズミは本当に読めない


「はぁ!?走っても25分はかかるのに!?」

「「俺らなら大丈夫!ほら行くぞ!」」

「あっ、ちょ!!!」


イズミのこのテンションにはもう慣れた。初めは合わせるのも地獄だったが、今じゃこれが落ち着くようになった。



…イズミも同じ気持ちだろうか





「…死ぬ…しかもあっつ」

「「煮え滾りそうだよな。映画間に合ったか…?」」



頬から流れてくる汗を腕で適当に擦り、スマホをズボンのポッケから取り出し、ロック画面で時間を見ると、映画開始残り10分を指していた



「あ、あと10分……」

「「意外にも早く着いたな…チケ、買うぞ…」」

「飲みもんないと倒れるから、俺飲みもん買ってくるわ」



















イズミ視点


チケ買えたし、カナメの所行くか…


「これと…これで…お願い…しますっ」


カナメ疲れすぎて顔がとんでもないなw店員もカナメの顔見て驚いてんじゃんw


カナメはいつも優しい。俺の負担を軽くしてくれて、自分の負担を重くしてるようにたまに見える。気を遣わなくていいのにな。


「買ってきたぞ〜」

「「おぉサンキュー!!あ、これ俺の好きな飲み物じゃん!分かってるねぇ」」

「え、そうだったん?!俺適当に選んだのにw」

「「マジで!?あ、上映始まる。行こうぜ」」

「……」

「「カナメ〜?走りすぎて気分悪くなったか?」」

「…あ、いや!何もねぇよ!行こうぜ」


今カナメどこを見てたんだ?

俺の方を見ては無いし、見てたとしたら…少し離れた所にいる女子高校生…?

そういやあの女子高校生もカナメを見てニヤニヤしてたような…。




もう一度、彼女がいた方向へ顔を向ければ、カナメは俺に直進で歩いて、彼女はキッパリとした足取りをして、同じくカナメに続けて俺の元へと来ている。


なんかこっち歩いて来てんな…?




















まもなくカナメと一緒に映画の受付をしようとすれば、後ろから鈴のように涼しい小さな声が聞こえた。




















女子高校生「ねぇあんた。カナメ…だよね?」

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