カナメ視点
女子高校生「ねぇあんた、カナメ…だよね?」
「…は…なんでここにいんだよ…」
女子高校生「やっぱカナメだったんだ!久しぶりだね!隣は…」
「「イズミです。あなたもなんて言うんです?」」
女子高校生「そうだね。名乗ってなかったね!私はゆめ」
どうしてこんな所にこいつがいるんだよ…。友達かのように接してきやがって。俺の事は汚らしい目で見てるし…なんの意図で近付いてきたのか…
ゆめ「にしてもカナメ良い友達持ったね〜!私達から離れた高校に行ったのも友達が出来ると思ってなの?」
「別に…あんたには関係無いだろ?
それに俺らさ、今から始まる映画見るんだよ。要件があるなら早く言ってくれ」
「「カナメ…。」」
イズミ視点
カナメは普通に喋ってるけど、何か違う。顔色も顔付きも変わってないけど…ゆめとカナメに何があったんだ?
ゆめ「随分と偉そうな…w(ボソッ)
要件は特にないけど、久しぶりにカナメ見たからさ!これを機に連絡先交換したくって」
「…」
ゆめ「するって言わないと、イズミくんにも噂立てるよ?」
「…!…わかった。連絡先交換しよ」
(俺に聞こえないように耳元で喋ったか…)
ゆめ「やった!」
((こいつの噂なんてろくな事じゃねぇ…初対面の人にでも簡単に変な噂を撒き散らかす。イズミには絶対させない。
俺だけ変な噂が撒き散ればいい))
ゆめ「よし!要件済んだし、ばいばーい」
「…さ、イズミ。早く映画行こうぜ。間に合わねぇ」
「「お、おう!!」」
俺には分かってた。カナメ、手がずっと震えてた。ゆめってやつと連絡先交換してる時で気付いた。何があったって言っても、大した事じゃねぇよ!って答えるんだろうな。
…俺にも分けてくれよ、お前の”何か”の苦しみ
「いやぁ!やっぱイズミが見たいって言ってる映画ってだいたい神だな!!」
「「そうか?wまた良いのあったら一緒に行こ!!」」
「うん!」
その後歩きながらカナメと色んな話をした。映画でこんな所が良かったとか、映画見て好きになったキャラとか。そして、カナメはあまり感情が顔に出ないようだ。あの時、本当は結構焦っていたらしい。それ以外はあまり答えてくれなかった。自分自身の話になるとカナメは、中々喋らなくなる。こりゃ相当時間かかるな
「「じゃ、俺こっちだから!」」
「またな!!」
カナメ視点
最悪だ。せっかく離れた高校に行ったのに、あいつに出会うなんて。連絡先交換したってことはまた何かあるんだろうか…。正直このままブロックでも非表示でもしても良い。けどそれをすれば、何されるかわかんない。
家に帰るのも面倒だな。帰ったって誰もいねぇし…今日は買い出しもゴミ出しも何も無いし。そういや…早く母さん達海外出張から帰って来てくれないかな。
(…あ、公園?こんな所にあったっけ?見た感じ錆びたものは見当たらないし、素材的に新品?最近出来たのか…。ちょっと寄ってみっか)
俺が公園に寄った時間は19時過ぎだった。夏だと言っても、今年は暑くて外に出たらたまったもんじゃ無い。だからこの時間は人が居なかった。それに、今にでも雨が降りそうな天気だしな。
(あっちぃ…。新しい公園ってこんなに綺麗なのか?ブランコに乗って風に当たるか…)
ブランコって意外と小さいんだなって思った。俺が大きくなった証拠なのだろうか?…母さん達は大きくなった俺に何か言ってくれるだろうか。そもそも、俺の事愛しているのか?海外出張の前でも、褒める事は少なく、家事を何か1つ完全にできるまで永遠にやらされた…酷い時には殴りもされた。
あとは…何されたっけな。いつから海外出張だっけな。中1ぐらいからもう居なかったな。でも、母さん達の海外出張を見送る時、抱き締めてくれたっけな?そもそもどうして海外出張…?…やめだやめ!こんな事考えてたらおかしくなる。
(…あれ、いつから雨降ってたんだ?もうこんなに濡れてんなら、急いで帰っても変わらないか。少し回り道して帰るか)
「「あれ?カナメ?」」
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