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ブラックたちは、しばらくその世界を集まって歩いていた。
遠くにも金色の稲穂が絨毯のように広がっている。
「私たちの時は、再起動を押すか、その元凶となった相手を倒すことで治しました・・・恐らく、今回は前者でしょう」
「そうなのか?」
ブルーの疑問に、ブラックは頷き答えた。
「えぇ、今回の場合、再起動を押しても何もならない気がします。ですので、元凶を見つけ出し、そいつを排除、もしくは追い出すしかありません」
そう話しながら、進む。ふと、声が聞こえてきた。
【あら?こんな所にネズミが迷い込んだようね?】
その声と共に、パチンッと指を鳴らす音が。
それと同時に景色が変化した。
先程見た金色の絨毯に、真っ青な快晴の空ではない、まるで白い箱の中にいるように、どこを見ても白が広がる世界。
果てすら分からない、真っ白な空間。
ブラックたちは即座に武器を構え、背中合わせで周りを警戒する。
気配を感じ、皆は振り返った。
──そこには、真っ黒な髪に赤い毛先の長い髪。
──瞳は血のように赤く、どこか偽物らしい瞳。
──日本人形のように白い肌、黒と赤を基調とした着物の女性。
あまりにこの世離れした綺麗な女性に、皆は息を飲む。
それと同時に、頭が警戒音を出す。矛盾した考えが頭を支配する。
「・・・ぁ・・・あ・・・」
ブルーが真っ青な顔で、パクパクと餌を求める魚のように、空気を吸おうと、口を開く。
だが、上手く吸えない。
ブルーだけじゃない。
銀さんは顔を真っ青に染め、赤ちゃんはペタンと腰が抜けている。
何人かは武器から手を離さないようにしているも、
レッドは両手に持っているナイフの手が震えているし、マネーだって、メガネに手をかけている手がガタガタ震えている。
バナナもブラックも、目の前の“女性”を目の前にして、震えていた。
【・・・あぁ、いけない いけない】
女性がまたパチンッと指を鳴らす、すると、突然震えが驚くほど止まる。
ブルーもなんとか息が吸えるようになったのか、咳き込みながらも息を吸い、そんなブルーの背中を銀さんと赤ちゃんがさすっていた。
【・・・私を“視認”しただけで“壊れかけてしまう”なんて、人間は本当に脆いわね?】
「・・・何を、したんですか・・・!」
【何って、人間が“私を視認出来るように”弄っただけよ?あのままじゃ、確実に何人かは壊れてしまうからね、それじゃあ、“つまらない”じゃない】
「・・・“つまらない”だと?」
バナナがキレそうになり、ブラックが手で制止する。そして、目の前の彼女に問いかけた。
「・・・貴方は、一体何者ですか?何故、すまない先生の精神の中に?」
そうブラックが問う。彼女は笑い、答えた。
その笑顔は、可愛らしい笑顔なのに、どうしてか、“恐ろしい”という考えが頭を支配する。
【そうねぇ・・・貴方達、人間の言葉を借りて言うならば・・・“カミサマ”と言う呼び方がしっくりくるわね】
そう彼女は笑う。
そして、ブラックのもう1つの“問い”に関して、彼女はうーんと悩む素振りを見せ、答えた。
【何故この人の精神に?・・・そんなの“ただの暇つぶし”よ】
「・・・暇つぶし?」
【そ、私にとっては“こんなこと”暇つぶしよ?ふと、思ったのよね〜】
彼女は水色の手のひらサイズの水晶を自身の影から引きずり出す。それとついで。というように、何かを引きずり出した。
それを見て、空気が凍った。
その引きずり出した“何か”は、まるで荷物を持つように引き上げた。
「・・・すまない、先生?」
彼女の手には、くたびれた人形のように目をつぶり、動かない“すまない先生”がそこにいた。