俺ならいいのに

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俺ならいいのに。

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僕、風楽奏斗、訳あって相方をお持ち帰りしています

いい感じのイタリアン見つけたからひば誘って食いに行ったんだけど…

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『うー…頭いてえ…』

｢飲めないのに飲むから…｣

『だってワイン美味そうだったし…』

『眠……寝るわー…』

｢え、ちょ、ひば？｣

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んで、自分よりも上背6cmもある大男担いで帰ってきた、って訳。

｢世話の焼ける……｣

ふと、隣で眠っている相方を見つめる。

｢まつ毛、長…｣

てかこいつ、顔、良……

顔も良くて性格もいいのか、神様は不公平だ。

真っ赤な顔をして眠る彼。その閉じられた瞼に潜む宝石のような、輝く瞳。

誰にでも明るく、誰に対しても優しい。いつでも周りを見ている。

そんな彼の視線が、その瞳が。

僕だけを見る時が来るのなら。

これでもかという程に力強いその瞳が。

揺らいで、乱れて、崩れて。

性を煽るように誰かを見つめる時が来るのなら。

それは誰に向けた視線なのだろうか。

「俺ならいいのに。」