テラーノベル
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中華×日帝(陸)です。
いつも通り怪文。短い
「少し寒いな。」
聖なる夜でも寒さは増えつつある。
横の寒がりな猫は、体を俺にぴったりくっつけて歩いている。
身長差もあるせいか俺の視界では帽子しか見えない。
せっかくの可愛い顔が目に入らないのは嫌だからな、少し失礼するぞ。
「…わっ、中華?」
足を止めて覗き込むと、驚いたような仕草を見せてくる。その顔が本当に愛らしい。
「お前の顔が見えなかったからな。くっついてくるのは可愛いがこっちも見てくれ」
「びっくりした…急にはしないでよ」
少し不満気に言ってくる。
俺にしか見せたことのないその表情は、計算されているのか、それとも無自覚か?
どちらにせよ愛おしいのには変わりない。
何が気に入らないのか不貞腐れる恋人の腰を寄せ、また歩き出す。
さっきよりもペースが早いのは、顔に出さず照れているのか。
しばらく歩くと人は減り、いつも見る家への道に視界が成り代わる。
そこで足を止め、顔を向けた。
今度は何だ、と不思議そうな顔をする彼に顔を近付ける。
唇が触れ合う柔らかい音がした。
「んむ…っ」
あまりにも急で、目的を失った手は俺の肩で止まった。
唇を離すと、閉ざされていた呼吸を繰り返しながら何かこちらに訴えようとしてくる。
それを遮り、一言放った。
「メリークリスマス」
「…!」
かあっと一気に紅潮していく顔を見て満足する。
ああ、離してなどやるものか。
コメント
5件
これで20分かかってないのはさすがに文才ありすぎ泣くって てぇてぇっす先輩
中華×にてさんもいいな…可愛い とても素敵なプレゼントですありがとうございます
クリスマスに投稿するのがこんな20分もかけてない怪文ぱーりぴーぽぽなのもう笑ってくれ