テラーノベル
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翌夜、クレンは再び書斎でレオを待っていた。自分でも気づかぬうちに、彼の存在を求めていた。扉が音もなく開き、レオが現れる。「待っていてくれたんだ、クレン。」レオの笑みは危険なほど魅惑的だ。「やっぱり、君は私のものになりたいんだね?」「ふん、図々しいな。」クレンは椅子から立ち上がり、レオに近づく。「だが、なぜか…お前のことが頭から離れない。」レオはクレンの胸元に手を滑らせ、シャツのボタンを一つ外す。「それは、君の血が私を求めているからさ。ほら、感じるだろ? この熱を。」クレンの肌にレオの指が触れるたび、電流のような快感が走る。「レオ…お前、なんてことを…。」クレンの声は掠れ、抵抗する力を失っていく。レオはクレンの腰を引き寄せ、耳元で囁く。「君の肌、まるで絹だ。こんな美しい体を、ただ眺めるだけで満足すると思うか?」「くっ…私は…。」クレンは言葉を失い、レオの紅い瞳に飲み込まれる。レオの唇がクレンの首筋に触れ、軽く吸う。牙が皮膚をかすめ、痛みと快感が混じる。「まだ、噛まないよ。君が自分で『欲しい』と言うまでね。」レオは微笑み、クレンの唇に指を這わせる。「その日が、楽しみだ。」クレンはレオの胸に手を押し当て、押し返すつもりだったが、力が入らない。「お前は…悪魔だ。」「悪魔でもいい。君を狂わせるなら。」レオはそう言い残し、再び闇に消えた。